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2007年4月17日 (火)

「ヴァンダル興亡史」

著者の松谷健二は、10年ほど前に亡くなっているが、その筋で有名な人である。というだけではありふれた紹介だけれども、「その筋」というのがひとつではないというところで希少な存在だった。
本職はドイツ文学者だけど、もっぱら翻訳畑で知られている。
SFな人には「ペリー・ローダン」シリーズの翻訳で知られ、一方でミリタリーな人にはフジ出版(いまでは版権は学研に移っているが)の戦記ものの翻訳で知られている。

本人の著作自体はそれほど多くない。その多くない著作の中で唯一と言ってよいシリーズものが本書を含む「興亡史」だ。
ドイツ文学者だからゲルマン民族に興味をもったのだろうけど、そこでヴァンダルをとりあげるというのがすでにかなりマニアックである。ヴァンダルというとヨーロッパでは野蛮の代名詞になっているくらいで、そんなに人気があるとは思えない。ヴァンダル族が最終的に国を立てたのは海のむこうのアフリカだし。もっとも当時は北アフリカも「地中海世界」ということでそれほど辺境という感覚はなかっただろうが。
アフリカのヴァンダル王国100年の歴史のうちほとんど半分をゲイゼリック1代で占めている。当然ゲイゼリックの記述が非常に多い。この難しい時代にあって、半世紀もの間一族をまとめることができたのはそれだけで傑物といっていいだろう。

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