« 2007年7月 | トップページ | 2007年9月 »

2007年8月30日 (木)

「全国鉄道事情大研究・四国編」

そこそこ有名なシリーズだが、三十一はこのシリーズを全て読んでいるわけではない。何冊かは読んでいるが、その押しつけがましさが鼻について読んでいてあまり楽しい本ではないからだ。ではなんでこの巻だけ読んだかというと、これまで三十一は四国に足を踏み入れたことがなく、そう遠くない将来に訪問しようと考えているからだ。とりあえず現状の解説だけ真剣に読んで、現状分析やら将来への提言やらは話半分にしておけば、けっこう有用な本ではある。
四国もご多分にもれず鉄道の地盤沈下が進んでいるが、その最大の原因は、四国の鉄道は「ネットワーク」を形成するには路線が不足しているためではないかと思う。鉄道の建設に熱心だった戦前でさえ、四国の鉄道整備はあとまわしにされてきた。意外な路線が意外に開通が遅かったりするのである。そうこうしているうちに国鉄は解体されて鉄道の建設時代は終わってしまった。残されたのはかろうじて主要都市間をつないだというだけの線路たちである。道路が未整備の時代はともかく、高速道路が開通した現在では太刀打ちできるわけがない。

著者はこの四国の鉄道に軌間可変車両(GCT)の導入を提言する。まるでGCTさえ導入すれば万事うまくいくかのような口ぶりである。しばらく読んでなかったからわからないが、GCTはこの著者の最近のお気に入りなのか?
そういや、この本の中で「ボルスタレス台車」の採用を奨めるようなことを書いているが、福知山線の脱線の原因はボルスタレス台車だといったのはこの著者じゃなかったかなあ。宗旨替え?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月22日 (水)

「ロケットガール4 魔法使いとランデブー」

やっと出たかあ。当初、アニメ放映中に出る予定だったのがこの時期に伸びたのはオトナの事情があったかららしいのだが、その事情が何かというのは定かではない。
ずいぶん前にドラマガに掲載された短編3本と、書き下ろしの中編1本。中編はまるっきり「はやぶさ」の話で、おまけにゆかりとマツリのふたりはカイトに載って大気圏再突入するという、これまでも相当無茶をしてきた連中だが、これ以上の無茶はあっただろうか。月面からスケートに乗って離陸するってのもかなり無茶だな・・・
短編のうち最後のテロネタは本誌で読んだことがある。あのころは、籠尾が喫煙騒ぎで解雇され、辻井ができちゃった結婚するなんて考えもしなかったなあ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「とらドラ5!」

それぞれの登場人物の関係が微妙に変化しつつあるなあ。最終的にどこに落ち着くのか。今回、実乃梨がちょっと壊れ気味で、いかしたセリフが少なかったのが残念。
ネタばれになるけど、確かにあのオヤジが歩いて迎えに来なかったのには確かにちょっと違和感を覚えた。おかしな理屈だなーと思っていたら、やっぱり伏線だったのか。
なお、この巻のMVPはゆりちゃん30歳(独身)。前巻の巻頭イラストも伏線だったらしい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「南蛮阿房列車」

どうしていまさらこの本が再刊されたのかよくわからない。また、どうせ再刊するんなら抜粋ではなく全部含めた形で再刊してほしかった。要するに、けっこう面白かったのである。
汽車好きで知られる阿川弘之が、外国の汽車を乗りまわってその感想を書き連ねたエッセイだが、題名はもちろん汽車エッセイ書きの元祖、内田百閒の「阿房列車」にちなんでいる。何しろ実際に乗車したのは30年ほど前のこと、当時走っていた汽車が今も走っている保証はない。だいたい走っていないだろう。近頃では「外国の汽車に乗りに行く」というツアーもそこそこ企画されているらしく(旅行社の店頭ではみかけないかもしれないけど、その種の雑誌広告ではわりとみかける)、それなりの市場を構成しているようでご同慶のいたりである。
アメリカとかカナダとかイギリスとか、そういった先進国の汽車もそこそこ取り上げられているが、興趣をそそるのはメキシコとかマダガスカルとかタンザニアとか、汽車を抜きにしても訪問する機会が非常に少なそうな国々の汽車である。自分で乗りに行くのは大変そうなので、エッセイを読んですませよう。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2007年8月16日 (木)

「れでぃ×ばと!4」

また新キャラですか。と思っていたら、作者も自覚していたらしい。まあどのキャラもそこそこキャラが立ってるからいいんですが。今回の新キャラは主人公の裏事情を説明するために出てきたらしいので、よしとしよう(偉そうに)。
前にも書いたが、このシリーズでお気に入りのキャラは腹黒幼なじみである。こちらの腹黒キャラは、ますます図に乗って策謀を巡らしてほしいものである。「学校の階段」の腹黒キャラと扱いがずいぶん違うけど、そこはやはりキャラの器の違いだろう。どう見てもこっちの腹黒キャラのほうが大物。
そしてエロキャラは相変わらずストーリーに関係なく暴れまくる。暴れまくるのはいいとしても、電車の中で思わず読み飛ばしてしまうようなイラストは勘弁して欲しい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「学校の階段6」

前の巻よりは面白かった。前の巻は「だからどうした」感があって読み飛ばしたからなあ。新キャラの名前ほとんど忘れてたし。そしてさらなる新キャラ。最初は萌えキャラかと思ったら、腹黒キャラでしたか。この手の腹黒キャラは本性を暴いてパニックに陥らせるとはたから見ていて面白いのだがなあ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「明治天皇3」

もともとは単行本上下巻として発行されていたものを、文庫本4冊に体裁を変更して発行されたもの。三十一は単行本が出たときに上下まとめて買っており、上巻はけっこう早く読み終えていた。しかし、電車の中で単行本を抱えて読むのはつらい。こうして下巻は後回しにされ、そのままになっていた。
最近、文庫本が出ていたのは知っていた。早く続きを読まなくてはいけないと焦り気味になったのも確かである。しかし、そのために文庫を別に買う気にはならなかった。単行本の下巻があるのはわかっているし、行方不明というわけでもなかったので、どうせなら単行本で読もうと思っていたのである。
それが、文庫本3巻で再開してしまったのは、6月末の北海道旅行のせいである。北海道から帰還するために汽車に乗り込む直前、列車の中で読む本を書店で物色していて目に入ったのがこの本だった。そのほかに読みたくなるような本がなかったこともあり、つい買ってしまった。そしてようやく読み終えたのである。文庫の4巻はまだ買ってないので、また単行本の下巻を発掘して途中から読み始めることになるのかなあ。

前振りが長かったが、内容について。憲法発布、大津事件、日清戦争と近代国家建設途上にある日本にとって象徴的とも言える事件が続出したのが、この時期である。主人公たる天皇はその嵐の中で翻弄される。しかし、どうも天皇自身の肉声が聞こえてこない。天皇の動静は細かく描写されており、その中で天皇の意見や評価が参照されることはわりと多いのだが、それがまとまった人格としてイメージできない。どうもロボットじみた印象をもつのである。英照皇太后の死に涙を流す場面のように人間らしい面を見せることもあったが、圧倒的な印象としてはそうである。当時の記録の限界もあるのだろうけど。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「おあいにくさま二ノ宮くん2」

短編集。真由の困ったちゃんぶりが大いに発揮されるの巻。しかしその活躍ぶりもあとがきの後ろに掲載されていた一枚のイラストによって粉砕されてしまった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月15日 (水)

「占領期」

以前ちらっと論文めいたものを書いたけど、その中であまり詳しく触れなかった敗戦直後の東久邇内閣から、幣原内閣、第一次吉田内閣を経て、中道革新の片山・芦田両内閣が保守の第二次吉田内閣にその座を譲までを概観したもの。ひとことでいうと、東久邇内閣では「敗戦」というものを国民と政府に受け入れさせ、幣原内閣では連合国に日本政府を通じた間接統治を受け入れさせ、第一次吉田内閣ではGHQ内の左派・民政局が主導する戦争放棄を含む革新的な憲法を受け入れた。この憲法のもとで成立した片山・芦田両内閣は、結局中道革新勢力に政権を担当するだけの力量が不足していたことを実績で証明してしまった(成果がまったくなかったわけではないけれど)。
その結果生まれたのが第二次吉田内閣である。このあと吉田は4次6年にわたって政権を担当し、戦後日本の方向性を形作るが、逆に言えばここに至るまでの3年余の過程は、国民が保守吉田政権を選択するに至った過程である。確かに過渡期ではあるが、過渡期であるからこそその後の時代に与える影響は大きかったのだろう。ちょっと厚めの本だが、非常に面白く読めた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月 2日 (木)

「戦争指揮官リンカーン」

この本で著者が目指していたのはふたつ。
第一に、電信がリンカーンの戦争指導に果たした大きな役割を検証すること。
第二に、南北戦争に始まる「正義の戦争」というテーゼがその後のアメリカの戦争観を支配したこと。

しかし、正直いってどちらもあまり成功しているとは思えない。
まず、第二点については、南北戦争当時のリンカーンの言動と、現代のブッシュの言動をかなり強引に結びつけていて、かえって説得力を欠いている。
そして第一点については、リンカーンが最終的に総司令官に選んだグラントや、その部下シャーマンは、リンカーンからの電信をわざと受け付けられない状況に持ち込んだ上で南軍に勝利している。リンカーンがグラントを抜擢し得たのは電信でその活動を知ることができたからだが、結局はリンカーンは少なくとも作戦に関してはグラントに任せていた。

むしろこの本から得られるのは、しばしば引用されているリンカーンの電信文の内容から、リンカーン自身がこの南北戦争をどう捉えていたか、である。
リンカーンはこの戦争を、「連邦分裂を防ぐための戦争」と考えていた。そのためには「奴隷解放」も手段のひとつに過ぎなかったし、軍事的に打倒する以外に南部が連邦に復帰するしかないと覚ると損害をいとわずに南軍の撃滅をめざし、またシャーマン将軍がジョージア州を徹底的に破壊するのを容認した。最終的な目的ととるべき手段ととり得る手段、もっとも効果的な手段を冷厳な目で見抜き、そして必要とあらば非難をおそれず断行した。

政治的な影響を恐れて「イラクでは10万人単位の兵力が必要」とする専門家の意見をしりぞけ、今になって泥縄式に兵力増強をはかるブッシュは、とてもリンカーンの後継とは言えない。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2007年7月 | トップページ | 2007年9月 »