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2007年10月 1日 (月)

「科学は不確かだ!」

ずいぶん前に買って以来未読のままだったのだが、ナノイーイオンとか血液型性格診断だとかWTC制御解体説とか、そういった話題で菊池教授のblogがお祭り状態のようになっているのを見て引っ張り出してきた本。
説明するまでもないが、著者はノーベル賞も受賞した物理学者。世間一般でいう「科学者」の代表格と言ってもいいだろう。しかし、その著作を読むと「科学者」らしく見えない。「科学者」の代表格の言動が「科学者」の典型的なイメージと合致しないということは、要するにイメージのほうが実際と合致していないと考えるのが妥当だろう。そういや、菊池教授のblogでもかつて「科学者以外が考える科学者のイメージ募集」というトピックがあったっけ。

著者本人がつけたとしたら、このタイトルはずいぶん刺激的だが、実際には日本語版訳者がつけたもの。これは著作というより、講演を文章にしたものだから、そもそもきちんとしたタイトルがあったわけではなかろう。しかし、このタイトルは本の内容のうちもっとも重要で意外と思われがちな個所を抜き出したものといえる。

一般の人が「科学者」に抱くイメージと、実際の「科学者」の間の最大のギャップは、この点にあるかもしれない。実際のところ、「科学者」は「不確実だ」ということに慣れている。世の中には「不確実なこと」がいっぱいある。科学者の仕事は、まずその「不確かだ」ということを受け入れることから始まる。もちろん、科学者の目的は「不確か」な事柄を「確か」にすることだが、「確か」であることが確かめられるまでは「不確か」のままにしておくのである。当たり前のことを言っているようだが、実はこれが意外に難しい。「不確か」なままでいることに耐えられず、証明されていない説明に寄りかかって「確かだ」と事実を曲げた認識をするという例は珍しくない。しかしそれは「科学」ではないのである。

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