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2007年12月 7日 (金)

続・「うぃきぺでぃあ」を信じないでください

久々に呆れ果てました。
ちょっと調べものをしていて、ウィキペディアの「短期現役士官」にたどりついたのだが、これが凄い内容。ちょっとの間違いなら自分で書き直す気も起きるのだが、ここまで酷いと全面的に書き直すしかない。そこまでする気はないので、気が付いたところを思いつくままに挙げてみよう。

1. 正式名称は「二年現役士官」で、「短期現役士官」は通称。

2. 「二年現役士官」制度の開始は昭和初期にさかのぼるので、第二次大戦期に急に始まったものではない。

3. 「特殊士官」って何? そんな単語は聞いたことがない。

4. 「主に二年現役海軍士官」と言っているが、「二年現役」以外の短期現役士官は何だろう。

5. 「帝国大学または専門学校出身者」帝国大学以外の大学はダメなんですか。

6. 「二年現役」って書いてあるのに「任期は概ね3年を上限」というのはどこから出た話だ。

7. 任用後に与えられる階級は、大学出身者は中尉、専門学校出身者は少尉。

8. 現役士官が「海軍の定める任地に赴き軍務に就く」のは当然。二年現役に限った話ではなかろう。

9. 兵科将校不足と二年現役制度の関係がわからない。このふたつは本来別々の話。

10. まるでこの時点で事務業務を担当する「主計科士官」が独立したかのような描写だが、永久服役の主計科士官は明治初期から存在した。二年現役主計士官の発足により業務分担が変わったわけではない。

11. 戦争の継続期間を念頭において現役期間を定めたわけではない。必要な技能をひととおり習得するための期間として現役期間が定められた。戦時には予備役士官として召集すればすむこと。

12. 主計士官はたしかに経理や給養を担当した。この業務は当然すべての機関・部隊で必要であり、主計士官が配置されていた。二年現役士官だけが配置されていたかのような記述は誤解を招く。

13. 「正規士官」っていうのは経理学校出身者の意味か? しかし大学・専門学校出身者と経理学校出身者で身分の差は(法令上)なかったはず。そもそも経理学校で生徒教育が始まるまでは大学・専門学校出身者を任用していた。

14. 「軍令部任官」「司令官任官」非常に違和感がある。軍令部長補職、司令官補職の意味か。海軍士官育成はそれまでも兵学校一本槍だったわけではないし、その一方で主計科士官の司令官補職・大将任官はまったく考えられていなかった。

15. 二年現役制度でもっとも有名なのは主計科士官だが、最初に制度化されたのは軍医科・薬剤科で、ついで主計科、さらに技術科・法務科と拡充された。主計科以外にほとんど触れられていないのは重大な手落ち。

まだまだあるような気がするが、このくらいにしておこう。
巷間伝えられているような言い伝えや俗説を無批判に書き連ねたようで、物語としてならまだしも百科事典として使用するには問題がありすぎる。

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