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2008年3月12日 (水)

「ライディング・ロケット(上)/(下)」

マイク・ミュレインという宇宙飛行士のいわば自伝。作者はこんな本を書いたりもしているが、実のところ三十一は現役時代に名前を聞いたことがなかった。作者本人も言及しているが、とびぬけて目をひく功績を立てたわけではない。実際に経験した3つのフライトのうちふたつが国防総省専用のフライトだったので、あまり実績が公になっていないというのもあるが、どうしてもミッションスペシャリスト(MS)はコマンダーに比べて地味になってしまう。シャトルのコマンダーとパイロットは軍人か軍人あがりのテストパイロットでないとなれないので、日本人はまず間違いなくMSどまり、コマンダーになろうとするとまず最初に米軍に入るしかない。仮にそんな経歴で宇宙飛行士になる日本人が出たら、マスコミはどう反応するだろうか。
閑話休題。
軍人あがりの宇宙飛行士によくあることだが、著者はとにかく宇宙に行きたくてしかたなかった。宇宙に行けるというなら悪魔に魂を売ることも辞さない人種だ。一般にはあまり理解されない心情かもしれないが、三十一にはかなり共感する部分がある。そういった人種が、たまたま大学で募集を見かけて応募してきたような研究者出身の宇宙飛行士や、フライトの割り振りを一手に握る先輩宇宙飛行士やNASA管理職に対して抱いていた感情が赤裸々に吐露されている。たとえば、先輩宇宙飛行士の引退は多くの宇宙飛行士候補生にとって非常に喜ばしいイベントだ。なぜなら、それはフライトの椅子がひとつ空くことを意味するからである。
そのいっぽうで、チャレンジャーとコロンビアの二度の事故についてNASAの体質を厳しく批判する。例外措置も繰り返されると日常になってしまうという指摘は一般にも通じる警告だ。

下ネタ満載なので、電車の中で読んでいて万一脇からのぞき込まれたりするとちょっとばつが悪い気持ちになるが、そちらの(下ネタでなく、宇宙開発の)方面に興味がある人には間違いなくお勧めする。

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