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2008年5月31日 (土)

「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」

久しぶりに映画館で映画を観た。

レビューを読むと、人によって物凄く評価が低かったりする映画だが、実際に観てみるとそれほどひどいわけではないと思う。だがちょっと中途半端な印象は残った。

娯楽映画ではないのは確かで、何らの予備知識もなく漠然と観ているとわけがわからないだろう。確かに説明不足なところはある。アメリカ人は、ハインドや12.7ミリやエリコンやミランやスティンガーという単語だけで何かわかるのかもしれないなあ。だとすると、日本人が常識不足なのか。

三十一としては、いろいろと貴重な記録フィルムを観ることができて充分満足した。ハインドやらT72やらMiG27やらがふんだんに出てきて楽しかったです。ただ、スティンガーに撃墜された戦闘機のうち1機はF16に見えたのは気のせいだろうか。

「ロシア軍=共産主義者=悪」という単純な図式を自明のものとして描写しているところが単純なアメリカ人らしい。

中にはアフガニスタンにスティンガーを供与したのが今ではアメリカに仇をなしているというレビューもあったけど、ことはそう単純ではないだろう。

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2008年5月29日 (木)

自家用鯖養成中

先々週くらいから、自前の鯖を立て始める。

結局、余剰ノートPCに外付けHDDという構成にした。いろいろと問題があるので外部に公開するつもりはないが、どこからでも自前のWikiにアクセスできるというのは快適だ。

三十一にはデータのコレクション癖があるので、これからいろいろな(たぶん端から見たら何の意味があるのかわからないような)データをせっせと収集することだろう。バックアップはちゃんととらなきゃね。

Wikipedia で使われている MediaWiki を実際に導入してみたんだが、これがものすごく簡単。Apache と MySQL と PHP があらかじめ構成されている必要はあるが、そのあとは解凍して Apache 経由でアクセスするだけ。拍子抜けしたくらいだ。

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2008年5月28日 (水)

まさか呼ばれるとは思わなかった

自衛隊機、中国派遣へ 救援物資を輸送 四川大地震 (asahi.com)

いくら非常時とは言え、日本の自衛隊が中国に派遣されることになろうとは。時代も変わったものだ。救援物資の輸送のために自衛隊機でも受け入れる、という申し出があったとのことたが、まさか日本のほうから「自衛隊機で運んでいいですか」とは聞かないだろうから、むこうのほうから先んじて「自衛隊機でもかまわない」と言ってきたということだろう。

実際に輸送にあたることになるのは、輸送力と航続力からして小牧のC-130になることは間違いない。C-1じゃ力不足だよね。北京か成都までの輸送を想定してるようだけど、この際成都まで運んでしまいたいところだ。実績という意味でも、実効性という意味でも。

来年度中には現在の航空支援集団から独立して「航空輸送集団」が新編されることが決まっているが、いまさらながらその必要性を補強する材料になるだろう。

ところで某政党の党首は相変わらず世迷い事を叫んでいるなあ。

「中国への自衛隊派遣反対」 社民・福島党首 (asahi.com)

文句なら中国政府に言えよ。

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「The Rebirth of The Russian Space Program」

引き続きロシアの宇宙開発もの。
三十一は今や、少なくとも今住んでいるマンションの住人の中で、あるいは今勤めている会社のフロアの中で、ロシアの宇宙開発の現状についてもっとも詳しい人間に違いない。

半端な自信だなあ。

ロシア経済は1990年代には崩壊に瀕しており、宇宙開発もその影響から免れることはできなかった。しかし21世紀に入るとロシア経済も上向き始め、それにつれてロシアの宇宙開発業界も復活し始める。幸いなことに、ソ連時代に宇宙開発に携わっていた設計局たちは経済危機を生き延びた。ソ連時代に行なわれた膨大な投資という財産を元手に、西側諸国や西側企業と手を組んで堅調なビジネスを展開している。

現在のロシア政府は、かつてのソ連政府のように威信をかけて予算をつぎ込むような真似はできない。しかしそれでも1990年代のどん底の時期に比べれば数倍もの予算を支出している。今後10年の間に、開発中のアンガラロケットを完成させ、現在のソユーズTMAの改良型ソユーズTMSを就役させ、GPS衛星網を再構築し、月や火星に探査機を送り込むという野心的なものだ。

しかしこうした政府お抱えの計画よりも、純粋に経済的な要求に基づいた計画のほうが実際にはロシアの宇宙産業を支えるに違いない。バイコヌールやプレセツクといったこれまでの発射基地のほかに極東のスヴォボドヌイにも施設が設けられ、はてはバレンツ海の海面下から弾道ミサイル潜水艦が衛星を打ち上げるようになったのも、国内外からの商業衛星打ち上げ需要に応えるためだ。自前で打ち上げるほかにもエンジンをアメリカに、ブースターをインドに輸出し、ボストークを改造した再突入可能なカプセルを使った無重力実験をヨーロッパと共同で行なっている。中国の宇宙飛行士の訓練にも協力している。これもむろんタダではあるまい。

ロシアの宇宙開発を題材とした本だが、結果としてロシアを中心とする世界の宇宙開発の現状を概観するには打って付けだった。アメリカ、ヨーロッパ、インド、中国、イスラエル、など。日本がほとんど出てこないのがこれまた現状を反映している。

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2008年5月25日 (日)

HDDレコーダーが届く


なんと5台目。

つい先日こんなことを書いておきながら、結局は踊らされてるなあ。とは言え、まともに買ったのは最初の1台だけであとは全部型落ちの展示品だ。

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「鋼鉄の海嘯1」

戦史叢書で「東北方面陸軍作戦2」を読んだときから、樺太という普段あまり注目されていない地域に対して個人的に注目し続けてきた。マニアックで天邪鬼な三十一の面目躍如である。

ちかごろ三十一は仮想戦記ものをほとんど読まなくなってしまったのだが、ソ連が日本領だった南樺太に侵攻してくるという設定に惹かれて買ってしまった。仮想戦記作家の中では比較的信用している作家の作品だということもあるが。志茂田景樹なんかもう二度と買うもんか。

ソ連がまともに攻めてきたら樺太の守備隊なんかひとたまりもないはずだが、たまたま海軍部隊が近くにいたというご都合主義の設定により阻止される。このままスターリンが黙っているはずがない、というところで次の巻へ続く。

次の巻を買うかどうかは微妙。

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「彩雲国物語 黎明に琥珀はきらめく」

なるほど、前回のニューキャラは今回の布石だったわけね。
絳攸がはじめて精神的に自立するお話。そしてついに黎深が叔父だと秀麗にバレる。これまでよくバレなかったもんだ。

このシリーズがはじまったころは「秀麗×劉輝」というカップリングになるかのように見えたのだが、この頃では「秀麗×絳攸」、「十三姫×劉輝」の気配が濃くなってきた。攻め受けはこの順序でね。

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2008年5月24日 (土)

宇宙基本法は成立したけれど

ついに成立した「宇宙基本法」について、マスメディアではもっぱら防衛利用を解禁したというニュアンスで報道しているが、三十一から見ればそれは枝葉末節である。

某国営放送の論説では、現在の宇宙開発の現状はアメリカ、ヨーロッパ、ロシアが先端を行っており、これに中国、日本、インドが続いているとしていた。日本はついに中国に抜かれ、インドにも抜かれそうだと評価していた。
三十一の評価は少し違う。中国にはとっくに置いていかれ、インドにもある意味すでに抜かれている。中国やインドにとって日本はすでにライバルですらない。彼らの最大関心事は前を行く3強に追いつくことで日本は眼中にないと思う。

三十一から見ると「日本の宇宙開発」は--あえて「日本の宇宙開発」と呼ぶが--どこに進もうとしているのかまったく見えない。大きな流れとしてはH-2Aに加えて増強型のH-2B、新開発のGXロケットで商業打ち上げに乗り出そうとしているようだが、先日も触れたとおりまったく受注につながっていない。それどころか、商業打ち上げの事業主体さえ明確ではないのだ。商業打ち上げのために営業活動を行なっているのはどこなんだ? JAXAではない。打ち上げ業務をJAXAから移管された三菱重工かなあ。しかし三菱重工は官需主体の企業体質で、開発が正式にはじまったMRJについても、技術面のほかに営業面の弱さを指摘されている

アメリカ、ヨーロッパ、ロシアはもちろん、中国やインドは商業打ち上げ受注のために活発な営業活動を繰り広げている。はじめのうちはもちろん実績のなさをつかれてディスカウントした価格で勝負するしかなかったが、あえて出血覚悟で受注と打ち上げを続けているうちに実績は作られる。中国のCZシリーズも、インドのSLVシリーズも、着々と実績を積み重ねて来ている。いっぽうの日本は未だに実績ゼロだ。これで「抜かれそう」なんていう呑気なことを言ってる場合かねえ。

内閣に「宇宙開発戦略本部」をもうけて省庁横断的に戦略を練ろうという発想が、こういった現状認識の上に立って何らかの戦略的な方策を立てねばならないという危機感のもとに生まれてきたものならば、そこから出てきた結論がどんなものであれまだ期待できる。だがしかし防衛官僚と防衛産業がまだまだ貧弱な日本の宇宙航空産業を喰い物にしようという思惑のもとに生まれてきたのだとすると、何をか言わんやである。

真面目に商業打ち上げに乗り出すつもりなら、アメリカのユナイテッド・ローンチ・アライアンスやフランスのアリアン・スペースのような(たとえ半官半民であったとしても)企業体として営業・受注・打ち上げに責任をもつ組織を立ち上げるべきだろう。ロシアの場合は、各ロケットメーカーが主体となって打ち上げを受注している。「宇宙開発戦略本部」でそういう方向性が出ればいいのだが。もちろんその場合も、国が強力にバックアップする必要がある。親方日の丸にするという意味ではなく、顧客である打ち上げ依頼企業に安心感を与えるために、それは必須だ。

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2008年5月23日 (金)

「作曲家 人と作品・ブラームス」

ブラームスの伝記は何冊か読んでるが、読むたびに思うことがある。

若いころのブラームスはハンサムだなあ。

あまり他人の(しかも男の)容姿などに興味のない三十一がそう思うくらいだから、相当の美男子だったのだろう。晩年の髭モジャで肥満した姿からは想像もできないが、しかし体型はともかく顔写真から髭を取り除いて考えてみるとけっこう整った顔立ちであることは見て取れる。ブラームスなめてるんじゃないですヨ

まあそんな下らないことを考えていられるのは、実は三十一の中でブラームスの地位というのはかなり高いところに確立していて、すでに揺るぎないものになってしまっているからだろう。CDで全集を揃えちゃったのはブラームスくらいだ。ベルクの作品も全部揃えてみようかと考えたことがあるけど、それはベルクが非常に寡作だったからだし、実際に行動に移すこともなかった。

このシリーズでは作品の制作過程をわりと重視しているが、なにしろブラームスは内省的でめったなことでは自分を表に出さないから、作曲というきわめて個人的な作業について他人に語るなどというのはまことに希有なことであり、19世紀後半という十分現代に近い時代にありながら詳しい作曲過程についてはあまり知られていない。断片的なスケッチや親しい友人への手紙などからピースの不足しているジグソーパズルを埋めていくような分析をするしかないのだ。ご苦労さまです。

ま、聴く側とすればそんなことは気にせず聴いていればいいのだけど、知った上で聴けばまた違った聴き方もできようというもの。ブログのネタにもできるし。

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2008年5月21日 (水)

燃えるコンサート

音楽評論家はよく「燃えるような演奏」とか「火を噴くような演奏」などという形容を用いることがあるが、それはあくまで「ような」であって、本当に燃えたり火を噴いたりするわけではない.....普通は。

Berlin Philharmonic fire stops the music (cnn.com)

ベルリン・フィルの本拠地フィルハーモニーで演奏中に火事が起きて観客が避難する騒ぎになったらしい。ここはサントリーホールの手本になったホールで、オケを前後から見下ろす構造になっている。大したことがなければいいなあ。三十一が行く日はいつか来るのだろうか。それまで残っていてほしい。

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2008年5月19日 (月)

すべてのCDを持ち歩くのはまだ無理

最近、松浦さんはインフルエンザにかまけて宇宙開発の話をあまりしないなあ。これも宇宙開発じゃなく、かと言ってインフルエンザでもなく、音楽の話。

すべてのCDをポケットに

実は、同じようなことを三十一も考えたことがある。何年か前、PC用HDDの容量が100GB台になったとき、CD1枚のデータ容量×枚数×MP3圧縮率(概算10%)と計算してみたとき、所有しているすべてのCDをデータとして保管したとしても収容しきれるという結果が出た。

ちょっと心が揺れたけど、おそらくはデータ化する手間よりも、曲名をファイル名やID3タグに入力する手間のほうがよっぽど面倒そうだったのでやめた。なにしろ3000枚近くあるのだ。

もうひとつ、三十一が今使っているポータブルMP3プレイヤーはメモリー式なのでせいぜい1GBくらいしか収容できない。松浦さんはHDD式のiPodを使っているらしいが、三十一も以前HDD式のMP3プレイヤーを使っていたが買ってさほど経たないうちに挙動が怪しくなってしまった。何しろ扱いが荒いもので。だましだまし使っていたが、とうとう起動もしなくなってしまって、買い換えるときにメモリー式に限定して探したものだ。ちなみに今使っているこれは3台目のMP3プレイヤーになる。

300GBくらいのメモリー式MP3プレイヤーが手頃な値段とサイズ(けっこう重要)で発売されたら考えよう。そう遠い未来でもあるまい。

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2008年5月17日 (土)

桶屋のせいで風が吹かない

先日、シャトルのタンク製造の遅れにより以後のミッションに遅れが出る見込みだという記事を掲載したが、この遅れが思わぬところに影響してきた。

First Ares test launch likely delayed by pad conflict (spaceflightnow.com)

現在、スペースシャトルはケネディ宇宙センターの発射台のうち、39Aと呼ばれる発射台を使用している。以前は39B発射台も用いられていたが、2007年以降は使われていない。
いっぽうで、シャトル退役後の有人宇宙船として開発中のオライオン・カプセル打ち上げに使用される、これも開発中のアレス・ロケットのためには、このうち39B発射台を改装して利用することになっている。シャトルの後継なのだから当然の方策だ。

前回の記事で紹介したとおり、シャトル外部タンクの断熱材の剥離は完全に防止しきれていない。今年の夏に予定されていたハッブル宇宙望遠鏡のメンテナンスミッションの際には、万一の場合の救援のためにもう一基のシャトルを待機させておかなくてはいけない。このもう一基のシャトルは、39B発射台に待機することになる。しかしこのミッションが肝心の外部タンク製造の遅れにより秋にずれ込むことになった。このミッションが終わるまで発射台の改装に着手できない。「風が吹けば桶屋が儲かる」というわけではないが、当初2009年4月半ばに予定していたアレス・ロケットの最初の打ち上げは、5月末に延期される見込みになった。

もともと、オライオン・カプセルとアレス・ロケットの開発はシャトルが退役する2010会計年度末には間に合わず、ギャップが生じるだろうと言われていた。この遅れでまたギャップが広がったわけだ。

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2008年5月15日 (木)

昔の頭で出ています

野尻ボードで知ったことだが、先の宇宙基本法可決を受けて神浦元彰なる「軍事ジャーナリスト」(これから参照する記事によれば「ジャーナルスト」)が、5月10日の新聞に対してコメントしている

三十一は神浦なる軍事ジャーナリストを知らなかった。言われてみればどこかで名前くらいは見かけたかもしれないが、個別に認識していなかったので知らないのと同じだろう。

宇宙法の施行1年後のJAXA見直しは、もはや日本は独自の宇宙開発衛星(国産ロケット)の開発を断念し、アメリカの宇宙開発に依存するしかなくなったのだ。そのアメリカは宇宙開発の第一目的は軍事活用(宇宙戦略)であることは言うまでもない。そのために宇宙基本法で宇宙の軍事利用に突破口を開いたわけである。

三十一が違和感を感じたのは、"日本の"宇宙開発、"アメリカの"宇宙開発という言いぐさだ。三十一の感覚では、最先端の宇宙開発はとっくにボーダーレス化している。ロッキードマーチンの主力ロケットであるアトラスにロシア製のエンジンが搭載され、ボーイングがロシアのロケットメーカーと合弁で太平洋上から衛星を打ち上げるビジネスを展開し、ロシアのソユーズロケットの打ち上げ施設がフランスの打ち上げ基地に建設中で、ロシアの軍事衛星にフランス製の電子機器が搭載される時代だ。もともとアトラス・ロケットの新しいエンジンには日本のLE-7も候補に挙がっていたらしいが、軍事衛星の打ち上げに使われるかもしれないからとあれこれ文句をつけたので見切りをつけられ、結局選ばれたのがロシア製のRD-171で、これをベースに新たにRD-180が製造されたという経緯がある。もちろん、ロシア製のRD-180エンジンを使用したアトラス・ロケットはアメリカの軍事衛星も打ち上げている。各国が国家の威信をかけて独自の宇宙開発を独力で推進するというのは冷戦時代の発想をひきずった見方だろう。

現実には、あきらかに遅れをとっている日本や、独自性を協調する中国、インドのほうが国外との協力に及び腰だ。アメリカやロシア、フランスといった先進国に対等な立場で伍していく自信がないのかもしれない。

アメリカ企業が日本の宇宙開発に食い込もうというなら話は簡単で、商業打ち上げの開放を求めればいい。商業打ち上げの分野で日本は実績でも価格でもまったく太刀打ちできていないからだ。そして、それはこれまで実際にアメリカがしてきたことである。事実、日本が自前のロケットで打ち上げているのは政府調達の気象衛星とか観測衛星とか科学探査機ばかりで、商用衛星はもうずっと打ち上げていない。利益に厳しい私企業はアメリカとかフランスとかロシアに打ち上げを依頼し、日本のロケットには見向きもしない。これが現実だ。

アメリカからみたとき、日本に宇宙の軍事利用を分担させることが得策と思えるだろうか。東アジア地域の防空とか、北東太平洋の対潜哨戒を分担させるのとはわけが違う。静止衛星でも使わないかぎり、軌道上の衛星をある地域に固定させることはできない。つまり、宇宙の軍事利用は必然的にグローバルな活動にならざるを得ない。偵察衛星ならともかく、例えば日本上空だけの低軌道に配備されたレーザー破壊衛星というのはそれ自体が物理法則に反する存在だ。地上3万6千キロの静止軌道上にレーザー破壊衛星を配備するのは非現実的だろう。

結局のところ、日本それ自体には地上発射式のミサイルなどを持たせるにとどめ、軌道上はアメリカが自ら担当し、もし日本が技術をもっていたらそれを部品として活用する形でおいしくつまみ食いするのが得策ではなかろうか。

アメリカの宇宙関連ニュースサイトなどを見ていると、日本には関心があまりないように見える。こういう状況を国粋主義者どもは喜ぶだろうか、それとも悲しむだろうか。

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2008年5月12日 (月)

Top of the ... next JSDF

雑誌「軍事研究」に「市ヶ谷レーダーサイト」というコラムがある。我らが桜興産の本社が市ヶ谷に移転するまでは「六本木レーダーサイト」だった。

今月号では冒頭で次期統合幕僚長について触れている。専門家のみるところでもやはり最有力候補は田毋神俊雄航空幕僚長(防大15期)らしい。折木良一陸上幕僚長(防大16期)という選択肢もなくはないが、現統幕長齋藤隆海将までの最近の歴代統幕長(および統幕議長)は、順に空・海・陸・海と来ている。間違っても海の可能性はない。陸が続くことはけっこうあることなので、次に陸に回ってくること自体は不自然ではないのだが、そうすると次が空としても4代が間に入ってしまう。田毋神空将のほうが折木陸将よりも先任だし、やはり空が妥当だろう。

時期次第だが、今年の夏から秋に齋藤現統幕長の退任が行なわれ、田毋神空将が統幕長に就任したとすると、次期空幕長の最有力候補は永田久雄航空総隊司令官だろう(17期)。仮に交代時期が来年まで延びれば18期という可能性もあるけど、やはり年内ではなかろうか。

いっぽう、田毋神空将が統幕長に就任すると、折木陸幕長の統幕長就任はほぼなくなる。退任は少し先送りされるかもしれないが、遅くとも来年中には交代となる。通常、陸幕長へは5名の方面総監から移るのが一般的だ(東北方からの例はない)。「軍事研究」誌では北部方面総監の廣瀬誠陸将(17期)とみているようだ。鬼が笑うような話だが、そうすると田毋神空将の次の統幕長ということになるのかな。少し前は東部方面総監から、というケースが多かったようだが、最近は北部方面総監からという例が多いようにみうけられる。一番在任期間も長いし、最有力候補なんだろう。対抗馬は西部方面総監の輪倉昇陸将(17期)、あとは東部方面総監泉一成陸将(18期)などが候補になるかな。

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2008年5月10日 (土)

活用してみてもいいんじゃない

宇宙の防衛利用、衆院委で法案可決 来週にも参院へ (asahi.com)

ちょうど今読んでいる本の、ちょうど今読んでいる個所で、ロシア(とソ連)の宇宙軍事利用について説明していたので先進国がどんなふうに利用しているかちょっと挙げてみよう。

・光学偵察衛星(フィルムまたは電送)
・電子情報(ELINT)収集衛星
・海洋電子情報収集衛星
・通信衛星(地上間または偵察衛星から地上)
・航法支援衛星
・早期警戒衛星

日本ではもっぱら偵察衛星とか早期警戒衛星とかが想定されているようだけど、実際のロシアの活用状況を読んでみると、ここに挙げたどれをとっても必要不可欠な機能だ。
まったく同じシステムをそろえなきゃいけないということではないけど、参考になるんじゃないかな。宇宙を聖域だと考えるのはもはや時代錯誤だ。

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2008年5月 8日 (木)

「"文学少女"と神に臨む作家・上」

"嘘つき遠子先輩と壊れた流人"、ってとこかな。レーベルが違うぞ。

少し前から、遠子先輩に何やら裏がありそうな気がしてきていた。と言いつつ、よく考えてみると裏ばっかりなんだけどね。ちらちらと片鱗を見せていた謎の部分がようやく表面に現れはじめた。これまた前から危なっかしかった流人も本気で壊れ出す。

むき出しの傷口に砂をすり込むような、切なく苦しい展開がこの先に待っているような予感がする。

下巻でこのシリーズの本編は終わりだそうで、楽しみなような寂しいような。

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2008年5月 7日 (水)

方向音痴な差別化

古いニュースだが、地上波デジタルへの移行を促すために、現在の地上波アナログ放送に「アナログ」というテロップを出し続けるという案が出ているようだ。すでにBSアナログには「アナログ」という文字が入り始めている。

新製品への移行を促進するために新製品の魅力を増進させて消費者にメリットを意識させるのではなく、既存製品の価値を貶めて相対的に新製品の価値を高めようというのは商品戦略としてどうかなあ。既存製品からは客離れを起こし、新製品への移行は進まないということになりかねないと思うんだが。いまやテレビは必需品じゃないし。

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「宇宙ロケットの世紀」

最近宇宙づいているので、その勢いに乗って読んでしまった本。
英語に疲れたので日本語を、という感情が働いた側面もあるのだが。

実はけっこう古い本で、出版は2000年ごろだったりする。ちょうど世紀の境目だからこんなタイトルがついたんだな(今気づいた)。微妙に内容がずれていたり、現在の評価と温度差があったりするので、時の流れというものは残酷だなあなどと思ったものよ。

啓蒙書として読ませるには適当かもしれないけど、個人的には読むタイミングを間違えた感がありあり。

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「銀河英雄伝説7」

珍しくうじうじ考えるラインハルトと、何も考えないビッテンフェルト。そのビッテンフェルトの発言がラインハルトに決断をさせるシーンがこの巻の白眉。ここはもう少し劇的な場面転換、というか心理転換が見たいところなんだけど、それについてはアニメも小説もあまり成功しているとは言い難い。説明とかナレーションがちょっと冗長なのだなあ。とは言え、これ以上切りつめると意味がわからなくなるので難しいところだ。

ビュコックとレベロの死とともに自由惑星同盟は滅び、ヤンは名実ともに根無し草の境遇になり果てる。だからといってゲリコマLICに走らないのは作者の趣味であろう。

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2008年5月 6日 (火)

歩いて機体を降りられれば着陸成功

Whitson describes rough Soyuz entry and landing (spaceflightnow.com)

先日、帰還の際に推進モジュールの分離で問題があったソユーズTMA-11に搭乗していたPeggy Whitson に CBS がインタビューした一問一答。

さすがにアメリカのメディアだけあって、なかなかポイントをついた質問をしている。これまで三十一が指摘してきたようなポイントはほとんど言及しているように見えた。今回、正規の訓練を受けていない韓国人宇宙飛行士が、このような緊急事態のときにどのように振る舞ったか(要するにパニックしなかったか)という意地悪な質問も出ていて、もちろんそれに対して Whitson は迂闊なことは言わなかったけれど、金銭を目的に未訓練の乗客を乗せることに批判的なアメリカ(と言うかNASA)の意図が透けて見えてくる。

このインタビューの中で面白かったのが、今回の弾道突入のリスクをどう考えればいいか、という質問に対する Whitson の答え。
I guess the old pilot's saying of 'any landing you can walk away from was a good one' probably applies here.
この記事のタイトルは、この言葉の意訳。そんなに間違ってないと思うけど。

5/7 追記。
もっとしっくりくる訳を思いついた。

着陸なんて、乗ってたヤツさえ無事ならそれでいいじゃん。

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"通称"1トン爆弾

18日に東京・調布で不発弾処理大作戦 (yomiuri.co.jp)

NHKが報じていたニュースを聞いて違和感を感じたのは「通称1トン爆弾」と言うフレーズ。"通称"って何やねん。昭和20年4月7日に投下されたものらしいが、米軍が「トン」なんて単位を使っていたとは思えないから、これはきっと2000ポンド爆弾のことだろうと思ってちょっと調べてみたけれど、調べたかぎりでは米軍が使っていた爆弾は500ポンド、1000ポンド、1600ポンド、2000ポンド等とほぼ間違いなくポンド単位。「1トン爆弾」なんて呼び方はあったんだろうか。

日本では「トン」と言えば1000kgと相場が決まっているが、実は「トン」には3種類(あるいは4種類)あるのはあまり知られていない。「英トン」とも呼ばれる long ton、「米トン」とも呼ばれる short ton、そして日本で一般に使われているメートル・トン(「仏トン」とも)。
「英トン」はメートル・トンよりわずかに重く、「米トン」はメートル・トンよりも1割ほど軽い。アメリカで単に「1トン」と言えば2000ポンドのことなのだ。ああ、だから「通称1トン爆弾」なんだね。だけど正式にはもちろん2000ポンド爆弾なんだし、「1トン爆弾」と呼ばれていたとしても、その「1トン」は日本で言われる「1トン」とは違う。"通称"ってつければ正確性は免除されるとでも思ってるのかなあ。

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2008年5月 2日 (金)

タンクが足りません

日本が提供する国際宇宙ステーション(ISS)のモジュール「きぼう」の本体、つまり船内実験室を積んだスペースシャトルの打ち上げが今月31日に予定されている。
NASAではこの打ち上げは優先順位が高いとしていまのところ予定通りに行なわれる予定になっているが、この後の打ち上げは外部タンクの製造が遅れているためにそれに引きずられて遅れることになった。

Shuttle boss discusses delay to downstream launches (spaceflightnow.com)

外部タンクといえば、断熱材の剥離がコロンビア事故の原因となったいわくつきの代物。飛行再開後も剥離は完全に防止しきれていない。いまだ継続して対策をとり続けているせいか、スケジュール通りのタンクの製造ができていないようだ。

今回の飛行はISSへの「きぼう」モジュールのデリバリーだから、当然ISSと同じ軌道をとる。万一シャトルでの帰還を断念しなければいけない事態が起きた場合には、一時的にISSに滞在して迎えを待つ、という選択肢をとれる。
ところが、その次に予定されている飛行はハッブル宇宙望遠鏡(HST)のメンテナンスを目的としている。HSTの軌道はISSとは全く違う。HSTめざして打ち上げられたシャトルが帰還できない事態になったとき、ISSの軌道に遷移するのは無理だ。だからもう1基予備のシャトルを準備しておいて、その場合には救援として打ち上げることになる。「つまりふたつのタンクが必要になる ("means two tanks will be needed")」。タンクがふたつ揃うまでHSTメンテミッションは実行できないのだ。

この結果、以降のミッションは4~5週間ずつ遅れる見込みだという。8月に予定されていたHSTメンテミッションは9月か10月に、年末に予定されていたミッションは来年はじめになる。2010会計年度中にシャトルを引退させるという予定は変わらないようだが、その間に必要なミッションの数はもう決まっている。仕事量は減らないのに時間は少なくなっていくわけでこれはチャレンジャー事故の前と似た状況だ。

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