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2008年5月 2日 (金)

タンクが足りません

日本が提供する国際宇宙ステーション(ISS)のモジュール「きぼう」の本体、つまり船内実験室を積んだスペースシャトルの打ち上げが今月31日に予定されている。
NASAではこの打ち上げは優先順位が高いとしていまのところ予定通りに行なわれる予定になっているが、この後の打ち上げは外部タンクの製造が遅れているためにそれに引きずられて遅れることになった。

Shuttle boss discusses delay to downstream launches (spaceflightnow.com)

外部タンクといえば、断熱材の剥離がコロンビア事故の原因となったいわくつきの代物。飛行再開後も剥離は完全に防止しきれていない。いまだ継続して対策をとり続けているせいか、スケジュール通りのタンクの製造ができていないようだ。

今回の飛行はISSへの「きぼう」モジュールのデリバリーだから、当然ISSと同じ軌道をとる。万一シャトルでの帰還を断念しなければいけない事態が起きた場合には、一時的にISSに滞在して迎えを待つ、という選択肢をとれる。
ところが、その次に予定されている飛行はハッブル宇宙望遠鏡(HST)のメンテナンスを目的としている。HSTの軌道はISSとは全く違う。HSTめざして打ち上げられたシャトルが帰還できない事態になったとき、ISSの軌道に遷移するのは無理だ。だからもう1基予備のシャトルを準備しておいて、その場合には救援として打ち上げることになる。「つまりふたつのタンクが必要になる ("means two tanks will be needed")」。タンクがふたつ揃うまでHSTメンテミッションは実行できないのだ。

この結果、以降のミッションは4~5週間ずつ遅れる見込みだという。8月に予定されていたHSTメンテミッションは9月か10月に、年末に予定されていたミッションは来年はじめになる。2010会計年度中にシャトルを引退させるという予定は変わらないようだが、その間に必要なミッションの数はもう決まっている。仕事量は減らないのに時間は少なくなっていくわけでこれはチャレンジャー事故の前と似た状況だ。

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