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2008年5月28日 (水)

「The Rebirth of The Russian Space Program」

引き続きロシアの宇宙開発もの。
三十一は今や、少なくとも今住んでいるマンションの住人の中で、あるいは今勤めている会社のフロアの中で、ロシアの宇宙開発の現状についてもっとも詳しい人間に違いない。

半端な自信だなあ。

ロシア経済は1990年代には崩壊に瀕しており、宇宙開発もその影響から免れることはできなかった。しかし21世紀に入るとロシア経済も上向き始め、それにつれてロシアの宇宙開発業界も復活し始める。幸いなことに、ソ連時代に宇宙開発に携わっていた設計局たちは経済危機を生き延びた。ソ連時代に行なわれた膨大な投資という財産を元手に、西側諸国や西側企業と手を組んで堅調なビジネスを展開している。

現在のロシア政府は、かつてのソ連政府のように威信をかけて予算をつぎ込むような真似はできない。しかしそれでも1990年代のどん底の時期に比べれば数倍もの予算を支出している。今後10年の間に、開発中のアンガラロケットを完成させ、現在のソユーズTMAの改良型ソユーズTMSを就役させ、GPS衛星網を再構築し、月や火星に探査機を送り込むという野心的なものだ。

しかしこうした政府お抱えの計画よりも、純粋に経済的な要求に基づいた計画のほうが実際にはロシアの宇宙産業を支えるに違いない。バイコヌールやプレセツクといったこれまでの発射基地のほかに極東のスヴォボドヌイにも施設が設けられ、はてはバレンツ海の海面下から弾道ミサイル潜水艦が衛星を打ち上げるようになったのも、国内外からの商業衛星打ち上げ需要に応えるためだ。自前で打ち上げるほかにもエンジンをアメリカに、ブースターをインドに輸出し、ボストークを改造した再突入可能なカプセルを使った無重力実験をヨーロッパと共同で行なっている。中国の宇宙飛行士の訓練にも協力している。これもむろんタダではあるまい。

ロシアの宇宙開発を題材とした本だが、結果としてロシアを中心とする世界の宇宙開発の現状を概観するには打って付けだった。アメリカ、ヨーロッパ、インド、中国、イスラエル、など。日本がほとんど出てこないのがこれまた現状を反映している。

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