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2008年8月 5日 (火)

「China's Space Program: From Conception to Manned Spaceflight」

世界各国の宇宙開発シリーズ。
そんなシリーズがあるのかどうか知らないが、ロシアものを一通り読み終えたあと、しばらくもう英語の本はおなかいっぱいという気分だったが、結局この本を読み始めてしまったのには理由、というかちょっと情けない顛末がある。

Amazon で見つけたこの本をしばらくカートに入れたまま、買おうかどうしようか悩んでいた。三十一の気持ちが「買ってもいいかな」という方向にだいぶ傾いてきたある日、ふと積んだままにしていた洋書の山の一番下を見たところ、この本が出てきた。つまり、すでに買ってあることをすっかり忘れて買おうかどうしようか悩んでいたのだ。

買っても読んでないから忘れるのだ、読んでしまえば忘れることもあるまいと思って読み始めることにした。1月半ほどかかってようやく読み終えた。

読んでいて困るのは、人名や地名や衛星のシリーズ名などがローマ字表記になっていること。Zhou Enlai とか Deng Xiaoping、Nie Ronzhen くらいならそれぞれ「周恩来」「鄧小平」「聶栄臻」だとわかるけど、また Tsien Hsue Shen なら紹介されている内容から「銭学森」のことだと見当がつくけど、それほど有名でない人名や、衛星の名前の場合は該当する漢字が思いつかない。はじめのうちは一生懸命想像していたけど、そのうち諦めてしまった。

中国の「ロケットの父」とも言える銭学森は、もともと戦前から戦後にかけてのアメリカで研究活動を行っていたので、そう考えると中国のロケットはむしろアメリカにその基礎をもつと言ってもよい。銭学森がレッドパージにあって中国に帰国してからは、当然ロシアの協力を得て研究を再開したわけだが、当時(1950年代はじめ)のロシアのロケットはまだドイツのA4ロケット(いわゆるV2)の発達型だった。もっとも銭学森がアメリカにいたころもA4を手本にした研究が主流だったから、それほど違和感はなかったかもしれない。銭学森は戦後まもなくアメリカのA4調査チームの一員としてヨーロッパに渡っている。

この本の中で紹介されているが、クラークの「2010年」に出てくる中国の宇宙船には「銭学森」の名前がつけられているそうな。「そんなの出てきたかなあ」と思ったが、そのすぐ後に種明かしがあった。中国の宇宙船が出てくるのは小説だけで、映画では出てこないんだそうな。へー。

基礎工業力の不足、それから大躍進や文化大革命といった政治的変動によって中国の宇宙開発の歩みは順調とは言えなかったが、それでも銭学森のイニシアチブで前進を続けてきた。中国はいまやアメリカ、ロシアという2大パワーに続く第2グループの中でかなり大きな割合を占めている。この本で2003年末までのロケット打ち上げ数というのが出ているけど、約4300回の打ち上げのうちロシアが約2700回と過半数を占め、アメリカが約1300回でそれに次ぐ。残り300回を、ヨーロッパ、中国、日本、インド、イスラエルなどが分け合っていることになる。この中ではヨーロッパのアリアンシリーズが少し抜けて150回を数えるが、中国は日本を押さえて75回の打ち上げを行っており、ここ10年に限っていうと明らかに日本のペースを大きく引き離している。かつての月レースのときのアメリカやソ連のような、金に糸目をつけず目標に邁進するというほどの優先順位は与えられていないものの、ヒトカネモノといった資源を潤沢に与えられて着実に段階を踏んできている。次の目標は宇宙遊泳だそうだ。中国はすでに軌道からの回収技術で実績を積んでいるし、技術/ノウハウ面でも日本は大きく遅れをとっている。

読んでてびっくりしたのは、唐突に¥マークが出てきたこと。米ドルやユーロならわかるけど、なんで日本円? と一瞬思ったがこれは中国元(Yuan)なんだね。

次は「ヨーロッパ」編が控えている。

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