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2008年9月13日 (土)

寄り道のススメ

ひと月遅れの夏休み。

いつものことだが直前までどこに行くか決まっていなかったのだが、今回はひとつ画期的なことがある。前日に切符を入手したのだ。
意図したわけではないのだが、始まりが三連休に重なったので、JR東日本の三連休パスを使ってみることにした。しかしこの切符は連休の前日までしか発売していないのだ。そこで三十一としては珍しいことに、土曜日から使う切符を半日も前の金曜夜に帰宅途中みどりの窓口に寄って手に入れてきたのだ。

しかし初日のホテルはその当日の朝起きてからネットで探した。三連休の初日にそんな泥縄なことで大丈夫かと思ったが、案の定最初に考えていた秋田のホテルはとれなかった。秋田の周囲で大曲とか東能代とか横手とか大館とかも探してみたけど、宿がとれたのは弘前。こんなことを、列車が駅を出るまで1時間もないときにやってるんだから無計画にもほどがある。

さて三十一が前からやってみたいと思っていたことを、この旅行の最初に達成することにする。松戸に停車する現時点で唯一の特急ひたちに乗って、一気に常磐線を全線踏破しようというのだ。E651系の仙台行きスーパーひたちに乗り込む。さすがに自由席はあいてない。しょうがないのでとりあえずデッキに立ってコンビニで買い込んだ朝食を詰め込むことにするが、この列車で終着仙台まで乗り通すような物好きはいない。絶対に途中で座れると踏んでいた。その通り、水戸でごっそり乗客が降りて席にありつき、日立では窓際に移ることができた。このあたりまでくるとE651系でも130キロ運転はできなくなり、目に見えてスピードが落ちている。福島県に入るころには単線区間が入り交じるようになり、やがて単線ばかりになる。駅を通過するごとにポイントでスピードが落ちる。見ていると今走っている線路の海側に古くは線路が走っていたことがわかる。特にはっきりわかるのは使われなくなったトンネルだ。電化にあたって断面積が足りずにトンネルを掘りなおしたものだろう。いわき付近では、かつてお馴染みだった、しかし近所ではまったく見なくなってしまったE501系が走っているのを目撃し懐かしく嬉しく思う。というほど古い車輌じゃないんだけどね。仙台にちかづくとE701系やE721系が目立つようになる。通過する駅の駅名標に書かれた次駅名に亘理の文字を見て思い出したのは、中学のときの数学担当で部活顧問の教師のことだ。当時我が家のすぐ裏のアパートに住んでいて何度か遊びにいったことがあるが、このあたりの出身だったはず。その後地元に戻ったようなことを風のうわさで聞いたが、計算してみればもう定年近い年になっている。時の流れというのは残酷だなあ。当の亘理駅だが、駅前に城のような土蔵のような大きな建物があってびっくりさせられた。郷土博物館か何からしい。阿武隈川をわたるとまもなく東北本線に合流する岩沼。複線の東北本線の上り線を横切って合流。かつての特急街道もいまや昼間に走る特急はわずかなひたちだけだ。右手に急上昇する旅客機が見えるとやがて仙台空港鉄道の高架線路が右から寄ってきて、上下線の間に割り込んで合流すると名取。ちょうどSAT721系の列車が高架を降りてくるところだった。仙台が近づくと連続立体工事のせいか高架の新しい線路になる。古いテツには郷愁をそそられる駅である長町も近代的な高架駅になってしまっているが、長町を過ぎると複線が複々線になった。川を渡り終えると複線が右手に分かれていく。貨物線健在と知ってうれしくなる。やがて去年にも来た仙台到着。

仙台でいったんおりて、秋田までの新幹線の指定席を手に入れる。空席表示を見たら、13:09に出る季節列車に空きがあるようなのでそれを頼み、首尾良く指定席を確保する。仙台でおりた理由はもうひとつあって、松戸でひたちに乗る前に買うつもりで忘れていた時刻表を買おうと思ったのである。駅のなかをぐるぐる回ってみたが小型時刻表しかみつからない。本当はこれよりもうひとつ大きいサイズの時刻表がほしかったんだが、しょうがない。腹ごしらえもしたいところだけど昼時ということでけっこう混んでいる。30分くらいしか時間がないので諦めた。
そして今日2つめのトピック、E3系のこまち。盛岡までの東北新幹線には何度ものっているのでそれほど感慨はないけれど、仙台を出てまもなく左下方にEH500やED75がたむろしているのが見えた。仙台総合鉄道部かなあ。ノンストップで盛岡に到着し、八戸行きのはやてを置いて、かつて指をくわえながら見ていた田沢湖線にむかう分岐線をおりていく。おお、在来線と合流するところには点灯式の信号機が。新幹線といいつつ実体は標準軌の在来線だという証拠だなあ。しばらくは建物の間を縫って走っていたがだんだん建物が少なくなり畑や田んぼのなかを走るようになる。それもやがて林にかわり、明らかに勾配をのぼりはじめる。眼下には渓流が見える。東北の屋根奥羽山脈を横断しようとしているのだ。このあたりときどき意識を失っていたのだが、トンネルを抜ける気配にふと目覚めると、景色の印象はかわらないのだが眼下の渓流の流れる方向がかわっていた。分水嶺をこえたのだ。大曲で奥羽本線にはいり、進行方向がかわる。しかし終点の秋田までは30分あまり、ほとんど座席の向きを変えることはないと聞いて「へー」と思っていたのだが、実際に車内のほとんどの乗客が何事もないように進行方向に背をむけたままなのを見て興味深かった。秋田着。秋田駅はあいかわらず地平だが駅屋は新しくなっている。

弘前行きの列車まで2時間近くあるので、この間に腹ごしらえをしておく。ついでに東北地方のガイドブックも。普通は出発する前に買うものだろうに。

秋田から弘前に向かう奥羽本線は、いわゆる日本海縦貫線の最終行程だ。北陸に行ったときにも思ったことだが、日本海縦貫線は貨物列車の密度が高い。絶対数から言えば東海道山陽筋や東北本線のほうが多いだろうが、旅客列車も多いので比率としては日本海縦貫線のほうが高いかもしれない。秋田を出てすぐEF510とED75、それにDD51を目撃した。EF510って、運用範囲が秋田までひろがってるんだったっけ・・・まあいいや。DD51は東新潟の車体だろう。土崎には秋田総合車両センター、かつての国鉄土崎工場があり、駅を出ると非電化単線の貨物線が秋田港にむけ分かれていく。ふと気づくと、左側に線路が並行して走っていた。このへん複線だっけ、と思いながらも仮に複線だったとしても左側に見えるのはおかしいと思い直す。首をひねっている間に、その線路の上空に架線がはられていないことに気づき「ああ」と閃いたちょうどそのころ、左にカーブを描いて離れていった。男鹿線だ。左手に八郎潟の周囲の水路が見えてくる。進行方向左側のまどぎわに座っているのほとんど左側しか見えないのだが、窓の外に貨物列車が見えた。すれちがう列車が左に見えるのは一般的ではないが駅の構造によってはないことではない。北海道でもそんなすれちがいかたをしたことがある。ひょっとしたら駅じゃなくて信号場だったかもしれないけど。東能代につくころにはほとんどまわりの景色がみえなくなった。はじめてのる路線なのになあ。

弘前でおりて、みどりの窓口へ直行。明日のきっぷは・・・・売り切れ。第一候補の計画はこれで水泡と帰した。また考えなきゃ。

写真は仙台駅に進入するE3系のこまち77号。ピンが甘いけどご容赦。
P6080157

本日の旅程:
松戸(0820)→仙台(1223) 7M
仙台(1309)→秋田(1540) 5077B/5077M
秋田(1730)→弘前(1929) 2045M

9/14追記

これで終わってしまってはタイトルの意味がわからなくなる。

東京から弘前まで行くときは、鉄道なら東北新幹線で八戸まで行って特急津軽に乗り継ぐのが一般的だろう。これなら最速パターンで5時間くらいだ。そこを常磐線を通り秋田を通りと寄り道をして結局11時間あまりかけてやってきたのだから物好きもいいところだが、たまにはこういう寄り道もアリだろう。いいじゃん、所詮遊びなんだから。

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