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2008年10月30日 (木)

最近のヒット曲はどれも同じに聞こえる

というオジサンは、実は音楽に対する理解力が高いのであってトシをとっているわけではないというお話。

JPOPサウンドの核心部分が、実は1つのコード進行で出来ていた、という話 (音極道)

JPOPのワンパターン (松浦晋也のL/D)

三十一もクラシックな人間なのだが、たまにJPOPを聞くと正直区別がつかない。もっとも、三十一がJPOPを好まない最大の理由は愛だの希望だの夢だの感動だの信じるだのと言ったきれい事を並べ立てた歌詞に虫酸が走るからなのだが。

個人的には三十一も松浦さんと同じく、JPOPが滅亡してもまったく惜しいとは思わない。ただ以前にも言ったことだがクラシックというマイナーなジャンルのメディアが曲がりなりにも商用流通機構に乗っているのは、JPOPなり演歌なりといったそれなりのマスが見込めるジャンルのために用意された仕組みの片隅に便乗させてもらっているからだ。
そういう意味では、JPOPが滅亡するのは勝手だがそれに引きずられてそれ以外の分野も致命傷を負いかねない。松浦さんのように達観する気にはなれないなあ。

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2008年10月27日 (月)

サスペンス劇場

昨夜はなぜか妙に寝苦しかった。

布団の中で何度も寝返りをうち、翌日に備えて早く眠ろうと思うほど眠れない。

寝ていた顔に何か触れたような気がして、起きあがって電気をつける。

掛け布団の上に目をやると、そこには血まみれの死骸が転がっていた



....の死骸が。

意識的に撃墜した記憶はないのだが、寝返りをうった拍子に巻きこまれたのではないかと思う。つまみ上げるとティッシュに赤く血がついた。元はと言えば自分の血に間違いなかろう。顔を刺されたらしく、右の目の下がひどく腫れていた。季節はずれだなあ。
寝付けなかったのはそもそも昨夜は緊急当番で、携帯が鳴らないか気になっていた上に、もともと少し熱っぽかったためだろう。最近当番が増えたり、日曜も出勤になったり、当番の時間帯が変わったりしてストレスが増えているのだ。やってらんねー。

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2008年10月25日 (土)

円満に別れました

ロシアの宇宙船ソユーズTMA-12が23日に無事帰還した。半年前のTMA-11、そして1年前のTMA-10と2度続けて帰還時の軌道モジュール分離で問題が起きていたが、その原因も判明して対策が採られた結果、今回は何の問題もなく分離が行なわれて予定通りの再突入による帰還となった。

Soyuz capsule safely returns to Earth with three-man crew (spaceflightnow.com)

いずれにせよ、これからステーションの構成が変更になるときにはこういう問題が起こり得るという貴重な経験が得られたわけだ。ISSの建造はまだしばらく続く。

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2008年10月24日 (金)

今年も首が飛ぶ

今年のシーズンもそろそろ半分。すでにヘッドコーチの首がいくつも飛んでいる。

まずはオークランドのレーン・キフィン。今年3年目かな? オークランドのHCにしてはよくもったほうだと言えるだろう。1年でクビ、というパターンが珍しくないのでね、このチームは。後任は暫定HCのトム・ケーブル。プロのヘッドコーチ職は初めてだ。

ついでセントルイスのスコット・リネハン。後任はジム・ハズレット。ハズレットはつい数年前までニューオーリンズのヘッドコーチで、コーチオブザイヤーもとったことがある。もともとディフェンスの人なので、守備再建のために呼ばれたのかな。

そして今週飛び込んできたのが、サンフランシスコのマイク・ノーランの解雇。後任を聞いてびっくりした。マイク・シングレタリーだと言うことだ。実際にプレーを見たことはないけど、ローレンス・テイラーと並ぶ伝説のラインバッカーだ。確か殿堂に入ってたよね。
名選手かならずしも名コーチではない、というのはNFLの常識だが、コーチとしてこれまで経験を積んできているようなので、注目してみてみよう。


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2008年10月22日 (水)

「まぶらほ・またまたメイドの巻」


「メイド」なのになんで「軍事」カテゴリーなのかと思った人もいるだろう。その疑問はもっともだ。だがしかしこのシリーズ(まぶらほ・メイド編)は何よりもこのカテゴリーがふさわしい。表紙に見えている拳銃はワルサーP38ですかね。

アマゾンの書評が☆3つなのは、本編に対する評価であってこの本に対する評価じゃないよね。ていうか、本編やめてメイド編だけに集中すればいいのにというのは言い過ぎかなあ。本編をまったく読んでいないと設定がわからないけど、最初の何冊か読んでいればだいたい事足りる。実は三十一がその状態なのだ。
このシリーズだけアニメ化しないかな。リーラ役は生天目仁美、と言いたいところだけどすでに夕菜役なので、じゃあ茅原実里でお願いします。

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日本と中国とインドの女神

かねて予定されていた通り、インドが月探査機チャンドラヤーン1号をPSLVロケットで打ち上げた。インドとしては初めて地球軌道を越えるペイロードになる。

India's first lunar voyage successfully launched (spaceflightnow.com)

去年から日本のかぐや、中国のジョウガ(女扁に常・女扁に我)、そしてチャンドラヤーンと、月探査機ブームが起きているかのような探査機ラッシュである。そのいずれもが宇宙開発の分野では新興国の仕事だ。

「かぐや」は言うまでもなく竹取物語のかぐや姫からとられた。ジョウガは、不老不死の薬を飲んで月にまで飛んでいったと伝えられる女性だ。チャンドラヤーンは「月への乗り物」という意味だそうだがチャンドラは月の女神の意味でもある。

日・中・印のいずれもが月探査機として月に関連する女神の名前をつけたところが面白い一致だ。ついでにいうと「かぐや」の計画時の名称はSELENEというが、ギリシャ神話の月の女神にかけている。

チャンドラヤーンのずるいところは、搭載する観測機器の一部を国外から受け入れたことで、ヨーロッパとアメリカの研究機関が観測機器を提供している。自分たちの機械を乗せているんだから、ヨーロッパもアメリカも自然と協力する形になる。追いかける立場としてはうまい手だ。

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2008年10月21日 (火)

DE10後継

今月の鉄道ジャーナルで三十一がもっとも興味をひかれたのが、表題の通りJR貨物がDE10後継となる入換用ディーゼル機関車を開発するという記事。

それによると4軸で全備重量60トン、軸重15トンの電気式ディーゼル機関車になるという。従来の電気式と違うのは、大容量の電池を搭載して発電された電気をいったんためるだけではなく、電気ブレーキで発生した電力をためて動力用に用いるなどの省エネルギー設計をめざすとか。

DE10は、入換だけではなく地方線区の小運転に重宝されてきたけれど、実はJR貨物にはこの手の需要があまりない。貨物列車の営業は幹線筋だけになって、地方線の貨物列車はほぼ壊滅した。むしろ本線では各旅客会社のほうに需要があるのではないか。客車列車はやはり壊滅したけれど、何しろ線路を保有しているのは旅客会社であるから、所有者の責任として線路の保守という仕事がある。レールの交換、枕木の交換、バラストの追加、そして軌道検査。北国では除雪という仕事もある。JR東海がレール輸送のためにディーゼルカーを新造して機関車を廃止したのは、それほど多くない(けれどけしてゼロにはできない)レール輸送のために機関車運転士を確保しておくほうが不経済だと判断したからだ。

この入換機が成功したら、旅客会社が除雪列車や工事列車のためのディーゼル機関車を導入したりしないかな。ま、これは三十一の願望だけど。

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2008年10月19日 (日)

今年も3分の1が終わって

第6週が終わったところで、わがデンヴァーは4勝2敗。AFC西地区のトップを走っている、とは言えこれまでの試合を見ているとあまり誉められた出来ではない。得失点差がわずかに+12点というところが苦しさを表している。かろうじて勝ちを拾ってはいるものの、ちょっと間違えたら負けていても不思議ではないくらいの僅差のゲームばかりだということだ。接戦のゲームをモノにしてきたと言えば聞こえはいいが、実はそうではない。それは得失点差の中身を見ればわかる。得点166はリーグ6位だが、失点154はリーグで5番目に多い。つまり攻撃はそこそこだが、守備が崩壊しているのだ。DBにはリーグ屈指のスターがそろい、LBもウェブスター、DJウィリアムスなどタレントは充分。DLは地味だがそれなりに力のあるユニットだ。これでどうして守備が機能してないのか。やっぱりコーチかなあ。

シーズンはじめに調子を崩していたサンディエゴが近頃復調してきて3勝3敗と追い上げてきている。ここでもうひとふんばりしないと厳しい。

さて、ちょうど今見ているデトロイト@ミネソタで面白いシーンが出てきた。ミネソタが敵陣深くまで攻め込んだところで、RBがファンブル。デトロイトが攻撃権を得た。しかしエンドゾーンをすぐ背に負っての苦しい攻撃で、初先発のQBはミネソタ守備のプレッシャーをうけ、右に逃げながらボールを投げ捨ててどうにか事なきを得た。このとき、QBはエンドラインぎりぎりのところを走っていて、三十一はそれを見ながら「線を踏んでたらセイフティになっちゃうよ」と思っていた。ビデオリプレイを見ると踏んでいなくてほっとしたのだが、その次の次のプレイ、同じようなプレイで今度は本当に線を踏み出してしまってセイフティ。
解説と実況も「プロでこんなプレイを見たのは初めてだ」とコメントしていたけど、10年NFLを見ていた三十一も初めて見た。レシーバーを捜してて足下に気づかなかったのかもしれないけど、それができないとプロのQBとしてやってられないぞ。珍プレーですなあ。

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2008年10月17日 (金)

ほこりを捨てよう

先週は仕事がバタバタしていて忙しく、やっと連休に入ったと思ったらタチの悪い風邪につかまって(つかまえて?)しばらく臥せっていた。
ようやく少し復活して今日は会社に行ってきたんだが、休んでいるあいだに小人さんが仕事を進めてくれるわけもなく、病み上がりだといって気遣ってくれる人もおらず、むしろ「今まで休んでたんだから働け」とでもいいそうな空気を感じた。ひょっとしたらまだ熱があって単に被害妄想に陥ってるだけなのかもしれないけど。

もともと季節の変わり目にはよく風邪をひくので理由を詮索する気はあまりないのだが、ただ今回だけはちょっと心当たりがある。

三十一の部屋が魔窟と化しているのは、一度でも来たことがある人間なら知っていると思うが、近頃ではそれに拍車がかかってきて新しく買った本の置き場すらない状態だ。ちょっとしたきっかけで書籍流は頻発するし、ほんの数日前に買った本ですら簡単に行方不明になる。DVDレコーダーのDVDの交換にも苦労するくらい足の踏み場がない。

さすがにどうにかしなきゃなあと思っていたところに、近いうちに地上デジタル放送の工事のために業者が来て室内端子を交換する予定だという。いまの状態じゃあどう頑張ったってそんな芸当は不可能だ。PCが乗っている机をどける必要があるけど、そもそもどけるスペースがない。工事業者に「机の下に潜って作業しろ」とはちょっと言えないだろう。というわけで地道に片付けを始めたのだが、山積みにされている本とか本とか本とか本とかを取り除き、ようやく床が見えてくると、そこには床ばかりではなくあまり見たくないものも見えてくる。ホコリまみれという言葉ですまないくらいひどい有様だ。このままあとしばらく置いておいたら謎の生命体が発生しそうですよ。

せめて掃除機が使えるくらいのスペースを目標に奮闘中。体にいいわけないよな、こりゃ。

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2008年10月 9日 (木)

ノーベル賞をとったから百科事典に載るわけじゃない

今年のノーベル物理学賞を、ひとりの日本生まれのアメリカ人と、ふたりの日本人が受賞し、化学賞をひとりの日本人が受賞したということで「科学技術立国」日本は浮かれているようだ。

南部陽一郎という名前は、なんとなく聞き覚えがあった。ブルーバックスに著作があるそうなので、読んだのかもしれないが記憶がない。別の本を読んだときに紹介されていたのかもしれない。「今までとっていなかったのがむしろ不思議」と複数の人がコメントするくらいだから、相当実績のある人だということだろう。不幸にもノーベル賞がとれなかったとしても百科事典に掲載されることは間違いない。

告白すると、三十一は何度か量子論や素粒子論の入門書を読んだけど、ついぞ理解できたことがない。スピンとかストレンジネスとか、単語はそこそこ知っているけど理解しているとはとても言えない。「対称性の自発的破れ」も現代物理の基礎概念だということだけど、まったくわかっていません。ブルーバックスが増刷されるそうなので買って読んでみようかな。騒動が一段落してからにするか。そのころには古本屋に大量に出回っていそうだ。

面白かったのは、益川さんだったと思うが「ノーベル賞よりも、自分の理論が確認されたときのほうがうれしかった」と言っていたが正直な気持ちだろう。そもそもそれこそが研究の目的だしなあ。

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百科事典に掲載されるような人物になってみたい

と、本当に思っているわけじゃない。

けれど、英語版 Wikipedia に自分の名前が載っているのを見つけるとさすがにびっくりする。同姓同名というわけじゃない、正真正銘自分のことだからなあ。さすがに項目ができたりはしないだろうけど。

その項目へはリンクを張らないので、気が向いた物好きな人は検索してみてください。

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2008年10月 8日 (水)

取扱説明書

マンガは「読み捨てられた本」で紹介しないことにしている。キリがないから。しかしこれは久々にハマったので紹介させてください。お願い。





既視感ありまくり。読み終えて思ったのは、これは三十一の"取扱説明書"だなあ、ということ。あるいは、取説の後ろについている「故障と思う前に」のほうが近いかもしれない。

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2008年10月 5日 (日)

空気感

先日、花輪線に乗っていて日本の原風景を実視しながら、頭の片隅で考えていたどうでもいいような、でもよく考えると大事かもしれないこと。

車窓から見える景色は田んぼばかりだが、遠景は折り重なる山々だ。この山は一番手前、その山はその次で、あの山は一番遠い、というのが見ただけでわかる。ひとつはもちろんそれぞれの重なり具合であるけれど、もうひとつ重要な判断基準があって、それはつまりそれぞれの山の色だ。季節柄、山はどれも鮮やかな緑をまとっている。しかし近い山は色が鮮やかに、そして遠くなるほど色褪せて見える。それぞれの山の境界線付近では明らかに色の違いがみてとれる。普段なら見逃してしまうようなごく当たり前のことだが、改めて考えると不思議に思う人がいるかもしれない。これは不思議でもなんでもなくて、空気による光の散乱の仕業だ。あたかもガラスを通して景色を見るごとく、遠くにある山から来る光は、それだけ厚い空気の層を通して我々の目に届く。

ひところよく読んでいた模型雑誌のジオラマ作成記事でときどき見かけた言葉が「空気感」だ。模型をいくら精密に、リアルに作成したとしても、そのままではどうしてもおもちゃっぽく見えてしまう。実際の景色のように見せるためには、あたかも空気の層を通してみているような演出が必要になる。具体的には、ごく薄いグレーの塗料を全体に吹きかけるのだ。
模型作成者は、模型が模型に見えないようにするためにはどうすればよいかが経験上わかっている。「空気感」のない模型は、いかにも「模型」に見えてしまう。

「アポロ捏造」論者の指摘のひとつに、「景色がいかにも作り物のように見える」というものがある。月面は真空であるから、「空気感」がない。前景も後景もおなじように鮮やかに見える。これとおなじように見えるのが「模型」だ。ミニチュアの模型は、奥行きが小さいために「空気感」が希薄だ。だから月面の景色と模型が似て見えるのは当然なのである。「作り物のように見える」というのは、あれが真に月面で撮影されたことの証拠のひとつになる。少なくとも「月面でない」ことの証拠にはならない。

このへん「常識と非常識」の補足説明でもあるんだけどね。

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「ネタにマジレスすんな」撲滅キャンペーン

kikulog できくち先生がこんな「キャンペーン」を始めた。

「ネタにマジレス」とか言って勝った気になっているようでは、単に自分のダメさ加減を世間に知らしめているだけだから (kikulog)

いやまったく同感です。三十一も以前のエントリで同じようなことを書いている。

渋滞する惑星

自分がきくち先生と同じことを考えていたと知って、ちょっと自慢したくなりました。

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2008年10月 2日 (木)

祭りは続く

一時期よりは少し落ち着いたようだが、まだしつこく書き込みが続いている。神舟7号船外活動"捏造疑惑"の件だ。"捏造疑惑"全体を引用符で囲んだのは、疑惑そのものが実体がないものだからに他ならない。

10月2日午後2時までに提出された疑問と回答 (松浦晋也のL/D)

ついでにこちらも紹介しておこう。

今度は「神舟7号の宇宙遊泳もなかったろう論」 (山本弘のSF秘密基地BLOG)
続・「神舟7号の宇宙遊泳もなかったろう論」 (山本弘のSF秘密基地BLOG)

困ったものだと思うのは、「バカが拡散したっていいじゃない」という意見が意外に多いこと。バカとつきあわなくてもいいんならそれでもいいけど、そんなバカと話をするのは苦痛ですよ? 「だったらつきあわなければいい」? あのね、仕事でイヤでも相手しなきゃいけない場面なんていくらでもあるの。理屈が通じない人間の相手はつらいよー。

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2008年10月 1日 (水)

お祭りだーい

松浦さんのブログが、中国の神舟7号の船外活動映像捏造疑惑でお祭り状態になっている。

このっ、バカ共が! (松浦晋也のL/D)

10月1日正午までに提出された疑問と回答 (松浦晋也のL/D)

ここ何日か、cocolog の更新が妙に重たいのはそのせいかなあ。

あの船外活動の映像を見たときに「ああ、こりゃ誰か『捏造だ』とか言い出しそうだなあ」と思ったのだが、まさにその通りの展開になった。

正直言って、三十一はあの映像のいちいちを検討する気になれない。
以前の記事でもそれらしいことを書いたのだが、船外活動は宇宙での有人活動をするなら、必ず習得しなくてはいけないスキルだ。必修科目と言ってよい。神舟の開発段階から、中国が船外活動のための宇宙服に関する技術をロシアから導入しようとしているのは聞こえてきていたし、中国が船外活動をめざすことは意外でもなんでもなかった。初めての有人(軌道)宇宙飛行から初めての船外活動まで、ソ連は4年弱(1961年4月~1965年3月)、アメリカは3年あまり(1962年2月~1965年6月)かかっている。これを短いとみるか長いとみるかは見方によるが、中国の場合はこれがほぼ5年(2003年10月~2008年10月)になる。ソ連やアメリカがたどった試行錯誤をバイパスできることを考えれば、じっくり時間をかけて準備してきたと言えるだろう。中国は宇宙服の現物をロシアから買い付けることまでしていたようなので(完全セットは入手できなかったようだが)、15分間の船外活動はそれほど大きなハードルとは思えない。肝心なのは、これから回数を重ね作業のバリエーションを増やしてノウハウを蓄積していくことだろう。

つまりね、あの映像だけ捏造して国家の威信のためだけに船外活動をおこなったという実績をつくってもほとんどメリットがないのである。本当に威信を最優先するなら、前にも言ったけどオリンピックの開催期間にぶつけただろうね。そのほうが政治的効果は高かったはずだ。前回の飛行から2年間の準備期間があったんだから、ちょっとスケジュールを調整すればそれほど無理ではなかっただろう。しかし中国はそうしなかった。あえて避けたのか、それとも純粋に技術的要請でスケジュールを決めたのかそれはわからないが、これまでのゆっくりした着実な開発ペースを乱すようなことをしなかったのは間違いない。つまり、「急いで」「無理に」船外活動をこの時期に行なう理由はないのだ。もし「いま」できないのなら、できるようになってからすればいいこと。「いま」できるから「いま」やったとしか解釈できない。

要するに三十一には、中国当局がそんな「捏造」をする理由が思いつかないのだ。「中国人は何するかわからない」と言う人が多いみたいだけど、中国人は、おひとよしな日本人なんかよりよっぽどリアリストだ。リアリストだというのは、別の言い方をすれば合理的だということである。日本人であれば「そのほうが有利なのはわかるけど、でもそこまで極端なことはできないよ」と二の足を踏むようなところを、中国人はやすやすと踏み越える。だから日本人には「何するかわからない」とうつるわけだ。

松浦さんはもちろんそうだし、三十一もそれなりに日頃から宇宙開発をウォッチしている。そうすると、中国のこれまでの取り組みとか、準備状況、あるいは中国以外の先進国がこれまで歩んできた道のりなどがアタマに入ってくる。こういったバックグラウンドを知った上で今回のニュースを聞くと、それは当然の帰結にしか思えない。しかしマスメディアは何らかのイベントがあったときに、表面的な現象だけをとりあげる。宇宙開発の現状を知らない人々にとっては、中国が宇宙遊泳を行なったという映像だけが唐突に目の前につきつけられる。中国が「何のために」船外活動を会得しようとしたかを知らないと、船外活動は「技術を誇示するためだけのアクロバティックなテクニック」としか受け取られず、だったら「捏造でもいいじゃん」「捏造に違いない」という反応を引き起こす。そもそもマスメディアも理解してないけどね。

にちゃんねらーに対して正面から喧嘩を売っても、連中がまともに話を聞く耳をもっていないのはわかりきってる。しかし松浦さんが本当に伝えたい相手は、こういうにちゃんねらーではなく、そのむこうにいる不特定多数の観衆なんじゃないかなあと思うのだな。言葉を弄んで悦に入ってるやつらは救いようがない。

有人宇宙活動に船外活動は必須のスキル、と書いたけど、有人宇宙活動そのものに否定的な意見も(日本では)けっこう多いようだ。もちろん三十一は有人宇宙活動を進めるべきだと思っている。その理由はまたいずれ。と、書くと本当に書かなきゃいけなくなる。自分にプレッシャー。

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9月の打ち上げ

9月は多い。計8回。
神舟がもっとも注目されているけれど、ようやく成功したファルコン1ロケットも大きなニュースだ。ベンチャーが開発したロケットとして注目されていたけど、これまで失敗ばかりだったのでようやく成功して前途が少し明るくなった感じ。

6日 03:25GMT、太原(中国)、長征2C(環境減災1・環境減災2)

6日 18:50GMT、ケープカナベラル(アメリカ)、デルタ7000(GeoEye 1)

10日 19:50GMT、バイコヌール(ロシア/カザフスタン)、ソユーズU(プログレスM65)

19日 21:48GMT、バイコヌール(ロシア/カザフスタン)、プロトンM/ブリーズM(Nimiq 4)

24日 09:27GMT、シーランチ(太平洋赤道上)、ゼニット3SL(ギャラクシー19)

25日 08:49GMT、バイコヌール(ロシア/カザフスタン)、プロトンM/DM-2(Glonass-M 3基)

25日 13:10GMT、酒泉(中国)、長征2F(神舟7号)

28日 23:15GMT、クェジェリン(アメリカ/マーシャル諸島)、ファルコン1(RatSat)

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