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2008年10月 5日 (日)

空気感

先日、花輪線に乗っていて日本の原風景を実視しながら、頭の片隅で考えていたどうでもいいような、でもよく考えると大事かもしれないこと。

車窓から見える景色は田んぼばかりだが、遠景は折り重なる山々だ。この山は一番手前、その山はその次で、あの山は一番遠い、というのが見ただけでわかる。ひとつはもちろんそれぞれの重なり具合であるけれど、もうひとつ重要な判断基準があって、それはつまりそれぞれの山の色だ。季節柄、山はどれも鮮やかな緑をまとっている。しかし近い山は色が鮮やかに、そして遠くなるほど色褪せて見える。それぞれの山の境界線付近では明らかに色の違いがみてとれる。普段なら見逃してしまうようなごく当たり前のことだが、改めて考えると不思議に思う人がいるかもしれない。これは不思議でもなんでもなくて、空気による光の散乱の仕業だ。あたかもガラスを通して景色を見るごとく、遠くにある山から来る光は、それだけ厚い空気の層を通して我々の目に届く。

ひところよく読んでいた模型雑誌のジオラマ作成記事でときどき見かけた言葉が「空気感」だ。模型をいくら精密に、リアルに作成したとしても、そのままではどうしてもおもちゃっぽく見えてしまう。実際の景色のように見せるためには、あたかも空気の層を通してみているような演出が必要になる。具体的には、ごく薄いグレーの塗料を全体に吹きかけるのだ。
模型作成者は、模型が模型に見えないようにするためにはどうすればよいかが経験上わかっている。「空気感」のない模型は、いかにも「模型」に見えてしまう。

「アポロ捏造」論者の指摘のひとつに、「景色がいかにも作り物のように見える」というものがある。月面は真空であるから、「空気感」がない。前景も後景もおなじように鮮やかに見える。これとおなじように見えるのが「模型」だ。ミニチュアの模型は、奥行きが小さいために「空気感」が希薄だ。だから月面の景色と模型が似て見えるのは当然なのである。「作り物のように見える」というのは、あれが真に月面で撮影されたことの証拠のひとつになる。少なくとも「月面でない」ことの証拠にはならない。

このへん「常識と非常識」の補足説明でもあるんだけどね。

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