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2009年2月12日 (木)

避けて通れないこともある

アメリカの Iridium 通信衛星と、すでに運用を終了していたロシアの衛星が軌道上で衝突したというニュースが流れている。

Two satellites collide in orbit (spaceflightnow.com)

可能性は以前から言われていたけれど、衛星とデブリではなく衛星同士がまともに衝突したのは初めてではなかろうか。運用終了済みの衛星というのも考えようによってはデブリと言えなくはないが。

Iridium はもともと多数の衛星によってひとつの機能を満足させるように考えられているので、多数の衛星のうちひとつが失われたとしてもただちに支障をきたすわけではない。こういう方法は constellation (本来は「星座」の意味。星の集合ということか)と呼ばれていて他にも例がある。もちろん補充は考えなくてはいけない。

いっぽうの当事者であるロシアの衛星は、1993年に打ち上げられた Cosmos 2251 ということだ。こちらについてちょっと詳しく調べてみた。
問題の衛星は 1993年6月16日にプレセツクからコスモス3Mロケットで打ち上げられている。Strela 2M タイプというから、軍用の通信衛星だ。Strela シリーズは1960年代から打ち上げが始まっているので、もともとの設計はソ連時代である。こちらも考え方としては constellation に近い。比較的低い軌道に多くの衛星を配備しておいて、ソ連本国から遠く離れた拠点(例えば工作員とか)から本国にメッセージを送りたいときには、ちょうどその時間帯に上空を通過している Strela 衛星に向かってメッセージを送る。メッセージをうけとった Strela 衛星はそれを溜め込んでおいて、ソ連本国上空に来たときにその内容を地上におろす、という仕組みだ。
Strela シリーズは改良されながらごく近年までコンスタントに打ち上げられてきた。逆にいうと、マメに後継を準備しないといけないくらい寿命が短いということである。それはソ連の衛星全体に言えることであるが、初期型では寿命1年、改良型でも3年しかもたない。旧ソ連時代、衛星打ち上げのペースがアメリカよりも非常に早い(ほぼ倍)のはそういう事情があるからだ。1993年に打ち上げられた Cosmos 2251 もとうに寿命が来ていた。

直接の当事者である衛星の持ち主はとりあえず置いておいても、今回の衝突によって生じた破片はそのままデブリになる。USSTRATCOM (米戦略軍司令部)が監視している、さしわたし 3.9 インチ(10センチ)以上の物体だけでも 18000 ほどになるそうで、この数は今後増えることはあっても減ることはないんだろうなあ。

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