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2009年4月16日 (木)

近親憎悪

政府が今国会で成立を期している「海賊対処法案」が審議入りした。

海自か海保か 海賊対処法案、衆院委で与野党論戦 (asahi.com)

議員のセンセイがたがどう判断するか知らないが、三十一の個人的な感覚では、海軍以外の組織に海賊対処をやらせようという感覚がよくわからない。

そもそも、洋の東西を問わず海軍の先祖は海賊であると言っていい。平時の海賊が戦時には海軍になる、というのは単純化しすぎだな。平時戦時を問わず、そのときどきでメリットのあるほうに転ぶというのが実態だろう。海賊行為のほうがうまみがあると思えばそうするし、国なり領主なりに附属して(あるいは雇われて)戦うのが得策だと思えばそうする。国家が私掠船免状という海賊行為のお墨付きを与えることが最終的に国際法で禁止されたのはようやく19世紀のことである。

つまり、海軍と海賊の間にはもともと境界線などなかった。それが、組織化され、常設化され、管理を強化される過程で「海賊的なもの」を切り捨てていった結果が現代の海軍である。であるから、「海軍」で受容しきれなかった「海賊」を退治するのは「海軍」の主要任務である。「海賊」の存在を許すことは「海軍」の存在意義にかかわる。それはかつての自分の一部であり、一部であったからこそ断固として排除せねばならないのだ。

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