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2009年10月14日 (水)

JR北海道の双璧

今日は鉄道の日だけど、別に変わったことをするわけではない。昨日と同じように、列車に乗り倒すだけだ。

北海道の未乗車区間のうち残った大物、札沼線(通称学園都市線)をやっつけることにする。札沼線は特急が走っているわけでもない、観光地があるわけでもない、途中に見所があるわけでもない、あまり変哲がないわりには距離が長く時間がかかる。起点側ではそれなりに頻繁に列車が走るが、末端部では列車数が極端に少なく、終点に新十津川駅に発着するのは日に3往復にすぎない。こういった理由のために後回しになっていたのだが、ようやく重い腰を上げることにしたのだ。

既述の通り、終点まで行く列車は一日に3本しかない。これに接続する列車のうち2本目、10時前に札幌を出る列車に乗り込む。非電化の学園都市線だが、札幌にほぼ直結するとあって列車は長い。余剰客車オハフ51を改造した気動車2両と、国鉄から引き継いだキハ40の合計3両編成。あとで考えてみればあまり見かけない客車改造車に乗ればよかったのだが、それに気づいたのは下車した後で、3両目のキハ40に乗り込んだ。
札幌を発車したときにはボックス席にひとりだった。次の駅までは函館本線を走るのだけど、札沼線用の専用線路がある。次の桑園でさらに乗客が乗り込み、三十一の座っているボックス席にも学生らしいふたりが座った。ここからは函館本線から離れ、高架単線非電化というちょっと変わった形態の路線となる。つぎの八軒駅からは複線となり、高架複線非電化だ。これからしばらくこの形で進む。左右は住宅地だ。一見すると首都圏郊外の通勤路線のようだが、非電化のディーゼル車のためか運転速度は遅いように見える。つい先日、北海道医療大学駅までの電化工事に着手するとJR北海道が発表したそうだが、非電化のままのサービス改善にも限界が来た判断したのだろう。新琴似をすぎたあたりで地上におりる。あいの里教育大駅は北海道教育大学札幌校の最寄り駅で、学生がいっせいに下車して車内は一気に空いた。その代わりといっては何だが、近頃東京ではみかけなくなった種類の男子高校生が一人乗り込んで来て、周囲に整髪料の香りを振りまいていた。けっこう離れているのにここまでにおってくるんですよ。
あいの里公園を出たところで石狩川を渡る。札沼線を紹介する写真の定番撮影地で、長大なトラス橋が特徴だが、橋の上から見ているとこれが長い長い。川のはずなのだが、海と見まごうばかりの川幅だ。毎日通勤で渡っている江戸川の幅の5倍くらいはあるんではなかろうか。
石狩当別駅はこの線のひとつの運転拠点で、今乗っている列車もここが終着。30分ちょっとの待ち合わせなのでいったん駅を出ていつものように写真をとったりしてみるものの、予想していた通り何もない。駅そのものはきれいな橋上駅舎になっており、もともとの市街地方向だったはずの東口と、何やら町おこしを目的としたらしい公共施設のある西口の両方に降りてみたけれど、鏡に映したように左右反対にしただけでまったく同じ形状というのは芸がないなあ。
石狩当別からさらに北に向かう列車は、乗車人数を反映してかキハ40の一両編成になる。場違いな若者が何人か乗車しているけど、2駅先の北海道医療大学駅でみんな下車してしまい、一両編成の車内は閑散としてくる。この列車ではこれまでと変わって左側に席をとったのだけど、そちらのほうは近景あるいは中景として山が連なっているが、それほど高くない。高くないとは言っても、実際登ってみろと言われると三十一は遠慮したいくらいの高さではある。いっぽうの右側は見える範囲ずっと平地で山は見えない。石狩平野なのだね。右側を並行して走る国道に走り去っていく主観的には見慣れた、客観的にはそれほど普段から見るわけではない種類のトラックを目撃する。そういえば当別には航空自衛隊の基地があったね。防空ミサイル基地だったっけかな(10月17日追記:レーダーサイトでした。北部航空方面隊第45警戒群)。晩生内(おそきない)あたりで雨が一瞬窓を濡らしてひやりとしたものの、すぐに日が出るようになって一安心。この先の予定があるので、雨になるとちょっと困る。気がつくと左の山は登れと言われても登れないくらいの高さに成長していた。右側を見ると、遠景に空知山地が見えてきて、石狩平野から空知盆地に入ってきたことがわかる。線路はわずかなアップダウンはあるものの、ほとんど平坦だ。このあたりは北海道の米どころなのか、稲刈りの済んだ田、稲穂が頭を垂れている田が見え隠れする。関係ないのだが、「年」という漢字は「禾」(イネ)の上半分を左に折り曲げて稲穂が頭を垂れている様子をあらわした象形文字であるという話を思い出した。「年」の本義は「みのり」であり、収穫は一年に一度であるから転じて「年」で時間としての年を表すことになったという。
閑話休題。このあたりの駅は、北海道医療大以南の新しい、あるいは整備されている駅とは様相が異なり、ほとんど放置されていると言ってよい。唯一最近整備したらしいものは駅名標の上に「学園都市線」と誇らしげに記された文字だが、学園も都市も見あたらないんですけどねえ。車窓の外を白鳥らしい白い鳥が飛び交っているのが見え、慌てて写真を撮る。北国から南へ渡る途中かな。2時間半かかって終着の新十津川駅に到着。もともとはここからさらに線路が延びていたのだが、40年近く前に廃止されてしまって終着駅になっている。寂しいだろうなあと思ってはいたものの、昨日の江差よりもはるかに寂しい有様に打ちのめされる。北海道の終着駅の寂しさを挙げるなら、この新十津川と留萌本線の増毛が双璧だろう。どっちがミッターマイヤーでどっちがロイエンタールやら。

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新十津川で下車したのは、地元民らしい数名のほかに三十一の同類らしい2名だ。駅舎やホーム、列車の写真を撮る3人。しかし三十一は一通り写真を撮ると、駅を離れて歩き出す。駅前の地図を頼りに町役場をめざす。他のふたりは折り返しの列車で戻るのだろう。実は新十津川駅は、石狩川を挟んで函館本線の滝川駅に向かい合っており、直線距離は数キロしかない。歩いて歩けないこともない距離だが、役場からバスが出ているようなのでそれをめざす。時刻はあらかじめネットで調べているので、ちょうどいいバスがあるはずだ。
役場はそれほど苦労せずにみつかったが、バス停はどこにあるのかな。駐車場にバスが停まっているので近いのは間違いないのだけれど。探してみると、役場の敷地の中にバス停が立っていた。北海道なのに屋根付きの待合室はないんだねえ。これは役場の中で待てということだろうと、役場の中に入ってみる。簡単な地図でも手に入ればそれを頼りに歩いてみるのもいいと思っていたのだが、見つかったのは空中写真。建物が狭い範囲に集中して建っていることはわかったが、歩く役には立たない。しかたがないのでバスを待つ。予想通り、駐車場に停まっていたバスがやってきたのでそれに乗り込む。新十津川の市街地を走り抜け、石狩川を渡る。このあたりでは札沼線で渡ったときよりもずいぶん川幅が小さい。それでも江戸川くらいはある。10分あまりで滝川駅の隣に立つバスターミナルに到着。220円ナリ。
時計を見ると13時半の札幌行き特急に間に合いそうだったので慌てて走る。滝川駅の写真は以前に撮ったことがあるので今日は省略。駅に入ってみると、DD51のA更新車両が牽く上りコンテナ貨物列車が停車していたのでまずその写真を撮ってから、進入してくる789系のスーパーカムイに乗車。昨日おとといと二日続けて緑の789系に乗車したが、今日は銀色の789系に乗車。新しい車両だけあって乗り心地はいい。今日これまで乗ってきたキハ40と比べるのが間違っている。3時間余りかけてやってきた道のりも、函館本線を使えば50分で戻って来られる。札沼線の末端区間の将来は厳しい。

札幌に着くと、ユニクロに上着を買いに行く。東京ではまだ長袖シャツ一枚で充分な気候であり、念のために薄い上着を一枚持ってきたのだが、実際に北海道に着いてみるとコートを着ていたりマフラーをしていたりする人がいるような状態で特に夜はひどく寒い。昨日の夜、札幌に着いた時点でやろうと思ったことが3つある。ひとつは道内時刻表を買うために本屋に行くこと。ふたつ目は夕食を食べること。そして三つ目が上着を買うことだった。三十一はこの3つのうち、本屋を最優先、次に夕食を選び、結果として上着を買う時間がなくなってしまった。ネットでユニクロの営業時間を調べたところ、朝は間に合わないとわかったために札幌に戻ってきたタイミングで買うことにする。ついでに銀行でちょっと現金を下ろす。

今日の行程はちょっと短めだがこれで終わり。今夜は札幌に宿泊したかったからで、その理由は明日明らかになるであろう。

今日の旅程:
札幌(0955)→石狩当別(1041) 553D
石狩当別(1115)→新十津川(1237) 5425D
新十津川町役場(1312)→滝川バスターミナル(1324) 北海道中央バス
滝川(1330)→札幌(1420) 2028M

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