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2009年10月24日 (土)

山と渓谷

朝、ホテルの朝食が始まるのとほぼ同時くらいにレストランに行きバイキングの朝食を摂ると部屋にとって返す。荷造りの大半は昨夜のうちにすんでいるので、支度はすぐにできる。チェックアウトして駅に向かう。

昨夜、新潟についた直後にみどりの窓口で乗車券は入手済みだ。"えちごワンデーパス"と不足分。もともとこのきっぷを買うつもりはなかったのだが、窓口でこっちのほうが安いと勧められた。荷物をコインロッカーに放り込み、いざ出陣。

今日のハイライトにしてほとんど唯一の目的は、国鉄色ディーゼルカーで編成された「磐西・只見ぐるり一周」号。朝7時44分に新潟駅を出、新津から磐越西線に入って会津若松まで行き、そこから只見線を走破して小出に出、さらに上越線と信越本線を経由して約10時間かけて新潟に帰ってくるという強行軍だ。ほんとうは、三十一はこの手のイベント列車を利用するのはあまり好まない。「ぐるり一周」号は全席自由ということだが、ものによっては全席指定だったり、また団体さんが大挙して乗り込んできたりしてあまり落ち着いていられないからだ。それでも三十一がこの列車に乗ろうと思ったのは、只見線を全線踏破する列車としては時間帯が非常にいいからである。只見線にはしばしばイベント列車が入線しているが、それらを除く通常の列車で全線を日のあるうちに踏破しようとすると、会津若松から乗る場合でも小出から乗る場合でも、朝5時台の列車に乗るしかない。その次に出る全線踏破列車は昼過ぎになり、途中で日が暮れてしまう。それより早い(終点まで行かない)列車に乗って乗り継ごうとしても結局は同じことになる。会津若松か小出で前泊するか、さもなくば途中で一泊するほかに手がないのだ。しかしこの列車では11時から15時という昼間時間帯に乗ることができる。どれくらい只見線を味わうことができるかは未知数だが、感じくらいはつかめるだろう。それで気に入ったならまた次を考えてもいい。

発車30分くらい前に改札を入る。万代口改札から、向こうのホームに昔懐かしい塗装のディーゼルカーの編成が見える。何やらすでにカメラ小僧が蟻のように群がっているぞ。あわてて足を早める。編成は先頭からキハ52+キハ52+キハ28+キハ58の4両編成で、いずれも国鉄色だ。キハ52は一般塗装、キハ28とキハ58は急行塗装である。まずは席から確保せねば。とりあえず目の前の車両に飛び込む。キハ28だ。キハ28はクロスシートだったはずだが、デッキ付近がロングシートに改造されている。クロスシートはすでにいっぱいのようなので、ロングシートの一角に腰をおろした。あらかじめネットで調べてはみたのだが、只見線の車窓は右側がよい個所と左側がよい個所が入り交じっていて、どっちがよいとは一概に言えないようだ。空いているなら適宜席を移動することもできるかもしれないが、この状態ではとても無理だ。三十一が座ったのは進行方向右側。
ほぼ満席、立ち客も出ている状態で発車。発車とほぼ同時くらいに、汽笛の音が聞こえた。あれ、もしやこの汽笛は。他の列車が間に入っていて見えないけれど。発車する列車の中から駅の方向を振り返ってみると、やはりいましたよC57。煙突から煙を吐いている。気づいたときにはカメラは間に合わず、記憶に焼き付けるのみ。SLばんえつ物語が発車するまでにはあと2時間くらいあるはずだけど、その準備かな。SLの準備には時間がかかる。
"きらきらうえつ"編成や「北越」用の485系を横目に見ながら本線へ。まずは亀田停車。ピクニックの装備万端整えた中年女性のグループが乗り込んでくるが、席が空いてないのを見て腹を立てていた。たまたま通りかかった車掌をつかまえて「すわれないんだけど」とかなんとか文句をつけていたが「全席自由なので」と言われておしまい。あたりまえだ。このグループは次の停車駅である新津で降りていった。彼女たちはこの土曜日をどう過ごすのだろう。余計なお世話だけど。
実は、信越本線のうちこの新潟-新津間は三十一は初乗車。トワイライトエクスプレスは羽越本線から新津で信越本線に入ってしまうし、去年東北旅行をしたときの帰りに乗った「いなほ」は白新線から新潟に着き、新潟からは新幹線で東京に戻っていた。三十一の好まない複線直流電化路線なのでそれほど強い意欲があるわけではないけれど、このあたりは貨物駅や貨物線、電車区などが入り組んでいて配線としては面白い。あれはひょっとして焼島方面の貨物線かな。

新津から単線非電化の磐越西線に入る。しばらくは新津の市街地を走り、しばらくするとニッポンのローカル線の風景、すなわち田園風景がひろがる。五泉を過ぎたあたりから徐々に勾配が現れてくる。沿線にはカメラを構えた鉄ちゃんの姿がちらほらと。ひとりふたりで待ちかまえていることもあれば、団体さんがカメラの砲列をこちらに向けていることもある。彼らの本命はこのディーゼルカーなのか、それともあとに続くSLなのだろうか。関係ないが今回の旅行で三十一はやはりデジイチが欲しいと思い始めた。しばらく寝かせてみてそれでも本当に欲しい気持ちが続いているようなら考えよう。五十島で対向列車と行き違い、津川あたりでは車窓にダム湖が広がるが座っているのがロングシートなので首が痛い。まだ先は長いのに。時刻表を調べて野沢でまた行き違いと読んだが見事正解。三十一が乗っているほうの列車は快速扱いということで停車駅が少ないので推測しづらいのだがうまくいった。時刻表上は相手の列車はすでに野沢を出ている時間のはずだが、今日は臨時列車運転のためスジを引き直しているのだろう。本来は相手の列車はこの先の徳沢で別の対向列車と行き違うことになっている(はず)。その待合い時間を少し削って野沢での行き違いに回したのだろう。手持ちのコンパクト時刻表には出ていないが、大型の時刻表なら変更された時刻が掲載されているかもしれない。ラーメンで有名な、つまり三十一には用がない喜多方でいったん非電化路線とはお別れ。ここから郡山までの磐越西線は交流電化済みで電車が行き交っている。喜多方では15分ほど停車時間があるのでいったんホームに降り、ホーム上からあるいは反対のホームから写真を撮る。出発駅の新潟では席とりに必死でほとんど写真を撮れなかったのでここぞとばかりにシャッターを押しまくる。

喜多方を出ると次は会津若松。会津若松に入る直前、ぶどう色の客車の編成が停まっているのが見えた。またカメラ間に合わなかったよー。ここでは28分停車。いったん駅を出てみたりトイレに行ってみたり、たまたま見かけた関係ない車両を撮影してみたり、ホームの端から最大ズームでさっきの客車を狙ってみたり。飲み物や食料を仕入れている人もいたけれど、今回は長丁場になることがわかっているのでなるたけトイレに行かずに済むようにと三十一は昼飯抜きを覚悟している。

磐越西線はここからスイッチバックして逆方向につながっているが、只見線は直進方向になっている。時間が来て発車した列車は会津若松の市街地を行く。西若松で会津鉄道と別れ、しばらくは会津盆地の中を行く。いかにもニッポンのローカル線以下略。このあたり半分くらい記憶がない。会津若松から約1時間、会津柳津あたりから景色は山になってくる。只見川が右に左に、つかず離れずついてくる。一瞬視界がひらけ、あっと思ったときには渓谷を渡ってもう森の中に突っ込んでいる。肉眼で見るぶんにはいいけれどカメラを用意するには間に合わない。会津川口で16分停車。すぐ目の前はダム湖で、その向こうは色づき始めた山々。ダム湖に木が映って上下対象に見える。

Pa240119

停車している間に対向列車がやってきて発車して行った。交換設備もあり、この駅は只見線の中では主要駅のひとつということになっている。この駅始発の列車もあるのだ。でもとてもそうは思えない。
次の只見で何人か降りていった。確かに、ここで降りて3時間散歩して次の列車で小出に出るという手もなくはなかったね。この先は福島・新潟の県境。まず田子倉トンネルに入る。長いトンネルはずっと登りで、登り切ったところで一瞬外に出てそこに田子倉臨時駅。列車は停車せずに通過していくが、田子倉ダム湖が見える。すぐにさらに長い六十里越トンネルにはいり、今度はずっと下り。トンネルを出てさらに高度を下げて行くと大白川。ここでは約20分停車。ここまで来るとメインディッシュは終了という感じ。30分ほど走ると小出で上越線と合流。進行方向が変わって長岡経由で新潟に向かう。
手元の時刻表では長岡発15時58分となっているが、実際に到着してみると15時46分だった。時刻表を見てみると約10分後に下りの新幹線がある。新潟のコインロッカーに荷物を置いてきたのでいずれにしろ一度新潟に寄って行かないといけない。今の列車にこのまま乗り続けると17時31分。新幹線に乗り換えると16時21分。休みも終わりに近づいて帰心矢のごとし、ちょっとでも早い電車で帰りたいと新幹線で新潟に向かうことにする。要するに時間を金で買ったわけだ。新潟に着いて荷物を回収、土産を物色、指定券を購入、弁当を入手。これだけの作業を20分で済ませて一番早い上りの新幹線で帰京。

今日の旅程:
新潟(0744)→長岡(1546) 9222D~9427D~9743D
長岡(1557)→新潟(1621) 1327C
新潟(1643)→上野(1854) 2338C

おまけ:
鉄向けに会津若松で写した編成写真
Pa240020

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