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2009年12月16日 (水)

習近平普天間

習近平・中国国家副主席が来日するというニュースをネタに、次世代の北京事情について考察してみようかなどとぼんやり考えていたら、本人とは全然関係ないところで話題になってしまった。
習近平副主席と陛下の会見を宮内庁に要求したところ、陛下の負担軽減のために会見を希望する際には1月以上前に調整すること、という内規に触れるとしていったん断われたものを、「中国は重要だから」という理由で首相が指示して会見をねじ込んだという騒動だ。
自民党はこれを「陛下の政治利用だ」として批判しているが、確かにそう言われても仕方のない部分がある。もちろん何事にも例外というのはあって、首相の判断によって例外的に会見されるということもあり得るのかもしれない。しかしその責任は首相と内閣が負わなければいけない。「中国を『重要』と判断すること自体が政治的判断だ」という自民党の言っていることはまさにその通りで、本来(儀礼的ではあっても)すべて平等であるはずの国家間の外交に「重みづけ」を与えるのは政治である。
三十一が仕事をしている中でも「例外対応」というのはしばしばあることで、それは責任ある立場の人間がその責任で判断することだから部下としてはそれに従うだけである。ただし、もともと「例外」であったはずの対応がいつのまにか事実上例外でなくなってしまうこともまたよくあることなのである。
もし今後、同じように直前になって「陛下と会見したい」と言ってきた国があったとして、それを断ったときに「どうして中国はよくて我が国はダメなんですか」と聞かれたら何と答えるのだろうか。「貴国は日本にとって中国ほど重要ではないからです」と正直に言うのかね。まあそれならそれでもいいけど、それで何か起きたとしたらその責任は内閣にあるんだけど、鳩山さんと小沢さんはその覚悟はあるのかなあ。さもなくば、今後その手の要請を断り切れずに1月ルールが骨抜きになってそれで陛下の玉体に障りでもあったとしたら、鳩山さんと小沢さんはその責任はとれるのかなあ。

このニュースと同じ日に伝わってきたニュースとして、連立3党の首脳会談の結果、沖縄普天間の米軍基地移転問題について、「年内に結論は決めず、今後継続検討するが期限は切らない」という方針を合意したという。正直この「方針」なるものには開いた口がふさがらないとしか言いようがない。日本の国際的信用を失墜させること甚だしい。これまでもいい加減失墜していたと思うのだが、政権交代があって多少なりとも国内外にあった期待感が、その反動として失望感に変わってしまっても不思議ではない。

どうも今の政権は、これまでの自民党政権と「違う」ということを強調するのに血道を上げるあまり、実効性や一貫性というものを軽視しているように思える。パフォーマンスに振り回されて苦労するのは国民であることを忘れてもらっては困る。
何年か経って、民主党が自民党かあるいは他の政党に政権を明け渡すことになったとき(それは民主党自身が証明してみせたようにあり得ることであるし、なくてはいけないことである)、「それは前政権の負の遺産だから我が政権は知ったことではない」と言われないようにしてもらいたい。

老婆心ながらひとつアドバイスするなら、今の政権にとってガンは社民党である。どうしてたかだか数パーセントの得票率しか得ていない政党の意見を後生大事に聞かなくてはいけないのか、多くの国民は納得できない気持ちでいるのではなかろうか。今の政権から社民党を切り捨てれば、野党である自民党と個々の政策で合意できることはたくさんあるだろう。参議院では少数与党となるが、野党の意見のうち取り入れられるものは取り入れて、それぞれの案件について是々非々で対応していけばよい。それは、民主党が野党であった「ねじれ国会」時期に主張していたことではないだろうか。しかし民主党は、小沢主導のもとひたすら解散総選挙を求める対決姿勢に終始してそういう「少数与党と野党の協議による政策形成」という道をふさいでしまった。そのせいで政策的に隔たりの大きい、単に「反自民」という以外に共通点のない社民党を与党に抱え込まなければならなくなってしまった。自業自得だが、これもまた迷惑するのは国民なのだよ。

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コメント

同感です。「何も決めない」という「方針」って方針なのかと。
恐らく小沢さんはとにかく自民党を潰すことが絶対的目標なんでしょう。本来合わないはずの社民との連立も、自民党を潰すためには必要という考えなのではないかと。

自民党は潰したが日本も潰れてしまった、なんていうことにならなければいいですが。

投稿: はる | 2009年12月20日 (日) 11時06分

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