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2010年3月18日 (木)

「日本の歴史17・成熟する江戸」


最初の50ページを読むのに多分3か月くらいかかったが、残りの300ページを3日くらいで読み終えたと思う。
まあたまにそういう本があるのである。勢いがつくまで少し時間というか根気が必要な本が。一度勢いに乗ってしまうとするすると読めるのだが。三十一と同じような本の虫にはわかってもらえるだろうか。

はじめのほうに一応「通史」が書かれているのだが、著者自身があとがきで述べているように「とってつけたような異質な感じ」がする。

この本の真髄は、「六万三千の村、一万の町」という言葉がもたらす量的なイメージと、そのひとつひとつの村や町がもつ個性とそれら相互のあいだの関係性を詳細に検討することで見えてくる全体の構造だ。そこに現れたのは従来注目されてきた「政治的権力」「軍事的権力」とは異なる「社会的権力」だ。その社会的権力を生んだのは、江戸の成熟である。

著者がピックアップしたのは三井越後屋(三越)という有力商店、そして願人や芸能民という「身分的周縁」、最後に青物や魚介の市場。これらの構造や変遷を詳細にみると、幕府権力に制肘されながらも力を蓄えていき自立していくしたたかさがあることがわかる。上に政策あれば下に対策あり。こうした活力がつづく19世紀の激変をもたらすひとつの原動力となった。

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