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2010年3月22日 (月)

「日本の歴史18・開国と幕末変革」


本文が始まって1ページ目の真ん中から少しうしろ、7~8行目あたりに「日本海(朝鮮では東海)」というまったく脈絡のわからない注釈をみつけ、まず多大な危惧を抱いた。なんでここに、日本海の朝鮮での呼び方を注記する必要があるのか意味がわからなかったのだ。

ま、そういう著者だと思って読めばいいだろうと思って気を取り直して読み始める。

結果からすると、最初に考えていたよりも面白かった。こういう、何というか、ちょっと色のついた学者の著作はやたらと懐疑的な記述が目立つ傾向があるのだが、今回についてはそれがよい方向に働いたように思う。
これまでの「領主と庄屋に一方的に搾取され意志の表明もできない小作百姓」「しいたげられた農民が追いつめられてむしろ旗を押し立てて蜂起した一揆」「当時の国際情勢にも外交にも無知で因循姑息な幕府役人」「外国人に生理的な恐怖と拒否を示した一般民衆」「開国と不平等条約により混乱に陥った日本経済」といった定説について、いちいち実証をあげて反論している。

もともと三十一は「るろうに剣心」のころから「維新の志士」などという「勝てば官軍」側の自称にすぎない呼び方に違和感を覚えたくらいで、一方的に維新側に肩入れするような見方はできない天の邪鬼である。そういう意味では天の邪鬼同士で波長が合うのかなあ。
ちょうど今は大河ドラマのせいで坂本龍馬ブームだそうなのだが、結果として坂本が道筋をつけた薩長同盟による武力倒幕という路線が本当に日本にとってベストな選択だったかどうかというのは疑問の余地なしとしない。歴史でイフを語るのは不毛だが、実際の歴史を単に追認するだけなら過去を振り返る意味がない。

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