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2010年5月15日 (土)

かえってくる「はやぶさ」

タイトルにはふたつの意味をかけている。

まずひとつめ、

新しい東北新幹線の列車愛称等の決定について (JR東日本、PDF)

東北新幹線の新青森開業が今年12月4日に決定したが、あわせて来年3月から運転を開始するE5系による速達列車の愛称が発表された。「はやぶさ」だ。
鉄ちゃんには言うまでもないが、「はやぶさ」は昭和33年に東京-鹿児島間の夜行特急として運転を開始して以来、昨年春の廃止まで一貫して東京と九州を結んできた列車の愛称だ。三十一は二度くらい乗ったことがある。それが今度は北に向かう列車として復活することになる。
いまのように特急列車が数多く運転されるようになる前、まだ特急が文字通り「特別」だった時代にはあまり地域性を思わせるよう愛称は特急にはつけられなかった。そのころまでの特急の愛称は「富士」「さくら」「つばめ」「はと」「かもめ」「あさかぜ」「はやぶさ」「はつかり」といった具合で、例えば「富士」にしても日本を代表する山、というくらいの意味でしかない。一見してわかるとおり鳥が多い。上に掲げただけを見ても過半数になっている。このほかにも鳥を使った列車愛称としては「おおとり」「ひばり」「はくたか」「白鳥」「雷鳥」「しらさぎ」「とき」などがある。「雷鳥」「とき」は地域性を思わせる名称とも言えるが。好んで鳥が使われているのは、多くは特定の地域に偏らずスピード感を表現できるからと言われている。
「はやぶさ」も鉄にとっては西行き夜行の印象が強いが、本来は特定の地域を連想させる名前でもなく、ちょうどタイミングよく空いていたので北行きの列車として復活するのは悪くないだろう。

さてふたつめ。

今年中に、というよりすでに来月に迫っているが、かえってくる「はやぶさ」がもうひとつある。小惑星探査機「はやぶさ」だ。

はやぶさ、地球へ! (JAXA)

回収を直前にして、ミッションの概要から各ステージの意義・経緯まで説明したプレスキットが公開されている。

プレスキット 小惑星探査機「はやぶさ」地球へ帰還 (JAXA, PDF)
Press Kit "HAYABUSA return to the Earth" (JAXA, PDF)

笹本祐一の「宇宙へのパスポート」シリーズを読むとマスコミの不勉強ぶりがこれでもかと暴かれているが、マスコミの成長を待っていられない(あるいは期待薄)と悟った JAXA 側が痒いところに手が届くようなプレスキットを作ることで無用なやりとりをできるだけ排除しようと考えているのだろう。ま、マスコミの不勉強も酷いもんだが広報の側にも問題があったのがかつての構図だったが、この時代広報を抜きにした事業というのは考えられない。そうでもしないと仕分けられちゃうぞ。
「はやぶさ」自身は満身創痍で綱渡りをするような運用を強いられ、どうにかこうにか6月13日の帰還にこぎつけた。ただしその代償として、「はやぶさ」本体は大気圏に再突入して燃え尽きることになってしまった。化学エンジンが健在なら再突入カプセル分離後に再噴射して太陽周回軌道に入る予定だったはずだけど。ちょっと切ない。

さて、列車と人工衛星には共通して「はやぶさ」という名称が付けられているが、ご多分にもれず軍艦あるいは自衛艦にも「はやぶさ」がある。古くは明治時代の水雷艇、さらには昭和戦前期の水雷艇(ここまでは漢字の「隼」)、ついで戦後自衛隊の駆潜艇に名づけられてきた。現在ではミサイル艇に命名されている。日本海軍・海上自衛隊では比較的小型の戦闘艦艇に鳥の名をつけるのが例になっている。

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コメント

はやぶさも小さな小さな宇宙船として働いたのですから、この命名もそのルールに則っているんですね、なんて……。

投稿: | 2010年5月17日 (月) 21時24分

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