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2010年8月25日 (水)

「南京事件」


いわゆる「南京事件」については、もはや冷静な議論ができない神学論争に陥ってしまっているので三十一はできたら傍観者の立場を保っていたいと思う。

秦郁彦は自称「中間派」で、「大虐殺派」からも「まぼろし派」からも攻撃を受ける立場だが実証的な研究を重視するとどうしてもそうなってしまう。三十一も基本的な立ち位置はそれに近い。

あっといけない、傍観者傍観者・・・

本書では、捕虜や民間人の不正な殺害や掠奪があったことは間違いないが、犠牲者の数は中国が言う30万人ほどではないと推定される(正確な数はもはや確定しようがない)、という立場に立っている。最大公約数といえばその通りだが、正確を期そうとするとこれ以上の表現はできないだろう。

読んでいて思ったのは、すでに当時から「糧を敵中に求める」式の補給が掠奪を引き起こす原因になっているという批判があり、「命令による『徴発』と命令によらない『掠奪』の違いは一般兵士には区別がつきにくい」のが掠奪に対するハードルを下げさせたという評があるが、秦自身が指摘しているように「命令には無条件に従い、命令されないことはやらない」のが近代国家の軍隊の最重要でかつ最低限必要な条件である。これを守れない軍隊は近代軍隊とはとても言えない。

要するに、戦前の日本陸軍は近代軍隊の要件を満たしていなかったのだ。近代軍隊を造れなかった戦前の日本は真の意味での近代国家ではなかった。さて今の日本は真の意味の近代国家と言えるかな。とりあえず自衛隊は「命令されないことはやらない」という教育だけは徹底しているらしい。

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