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2010年10月10日 (日)

「十字軍物語1」


本屋で見かけて、買う前にちょっと立ち読みしたときに「これはきっとすぐ読めちゃうなあ」と思った。実際に読み始めると3日で読み終わってしまった。3日と言っても足かけ3日でしかも通勤の電車の中だけだから、多分ならすと半日くらいだろう。

十字軍は数え方にもよるが前後7次にわたる。そのうち聖地エルサレムの奪還に成功した第1次十字軍は実際には有志諸侯の連合軍、もっと言ってしまえば寄せ集めであった。しかしその寄せ集め軍も3年にもおよぶ遠いオリエントでの苦闘の結果、わずかながらも現地の事情を学習して状況を利用することを憶えた。それはもともと参加諸侯がヨーロッパでも領土拡張に奔走して合従連衡を繰り返していた、という類似性によるところが大きいだろう。
ただし、参加諸侯のあいだにもそれぞれ温度差があった。オリエントで困難に直面するとたちまち本国に逃げ帰るもの、聖地奪還までは奮戦するものの実際に奪還が成ってみると用は済んだとばかりにさっさと帰国するもの、奪還した聖地の防衛に腐心するもの、そしてオリエントで領土獲得に東奔西走するもの。これらの思惑がからんで紆余曲折するが、結局は20年ほどをかけて地中海東部沿岸にヨーロッパ人が支配する一連の十字軍国家が成立する。そしてこの後200年以上ものあいだ、奪還を目指すイスラム勢力と必死に防衛するヨーロッパ人の間に死闘が続く。

そういや、この人の前作「ローマ人の物語」は年に1冊だったけど、このシリーズは年に2冊だそうで、この違いはどこから来るんだろう。三十一が何となく想像した理由はあるが、ちょっと口にするのをはばかるのでやめておこう。

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