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2011年2月27日 (日)

「Europe's Space Programme」


ちょうど年が変わる頃から読み始めて、ほぼ2か月かけてようやく読み終えた。実は2003年の出版でわりと古い本なのだ。買ったのは2008年。

三十一が宇宙開発に興味を持ちだしたころ、学校の図書室で見つけた子供向けの解説書の中に、当時としてはめずらしくヨーロッパの宇宙開発について記した個所があり、三十一はそれでフランスが独自に衛星を打ち上げたこと、そしてヨーロッパ諸国が共同で開発したその名も「ヨーロッパ」というロケットが失敗に終わったことを知った。まだアリアン・ロケットは名前も聞かないころだ。時代がわかるなあ。

1970年代はじめ、ヨーロッパの宇宙開発は危機に瀕していた。しかしフランスは諦めなかった(イギリスは諦めた)。それまでのヨーロッパの宇宙開発には先頭に立って責任を負う国がなく、それが失敗の原因とみてとったフランスは、自ら責任を負うことを決断した。ESA(European Space Agency)を創設して最大の出資国となり、アリアン・ロケットの開発を推し進めた。30年後の現在、フランスをはじめとするヨーロッパは宇宙開発において大きな存在感を示している。

フランスが主導権を握ってはいるが、ESAは複数国の寄り合い所帯だ。それぞれ思惑の異なる各国をまとめるために、ESAは各国にある程度自由な行動を認めてきた。各国はESAへの関与のほかに独自の(あるいは域外国または域内国と共同で)プロジェクトを進めることを認められる。また、ロケット開発や探査計画などの大型プロジェクトでは、各国がその都度出資するか否か、出資するならどの程度の比率かを独自に決定する。ESA理事会はしばしば、プロジェクトの発案国が参加国に出資を募る場となった。
そのいっぽうで、全体的な整合性を保つには長期的な展望が必要だ。例えば、ESAは1983年に科学的探査の分野に関する Horizon 2000 という報告を作成し、その中で21世紀に至るまでの長期計画を提示している。

日本は基本的に単独で宇宙開発を進めているからこういう配慮が不要な代わりに、長期的展望もない。「選択と集中」というお題目だけはあるが実効がともなっていない。規模としてはわりと近いヨーロッパをもう少し見習ったほうがいいんじゃないかな。アメリカの後追いばかりしてないでさ。

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