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2011年7月30日 (土)

東北に咲いた桜

金曜日に会社から帰宅してみるとポストに新聞が届いていた。

1面に顔写真がずらりと並んでいたので「ああ夏の異動が発表されたな」と思いながら折りたたまれた紙面の裏側をめくってみると見出しが目に入った。

陸幕長に君塚陸将

君塚陸将と言えば東北方面総監だ。東日本大震災にあたって、陸海空部隊を統合指揮する統合任務部隊が初めて編成されたが、その指揮官となった人物でもある。しかし、三十一の事前の予想では陸幕長後任からは完全に脱落していた。なぜなら、自衛隊創設から半世紀あまり、いまだかつて東北方面総監から陸幕長に進んだ人は一人もいないからだ。
陸上自衛隊には大臣直轄のいわゆるメジャーコマンドが北部・東北・東部・中部・西部の5方面隊からなる体制が長くつづいてきたが、このうち東北方面隊についていうと廃止・合併の噂が絶えない。
これまでの通例で考えると、同期(20期)ではあっても東部方面総監の関口陸将または西部方面総監の木崎陸将が有力、とみるのが普通だった。同期の東方総監をさしおいて東北方から陸幕長に上がるのは画期的だ。やはりそこには震災以来3ヶ月以上の統合任務部隊指揮官としての功績が評価されたのだろうか。

今回の異動はかなり規模が大きい。三十一もまだ全体像を把握しきれないでいる。8月1日と5日で合わせて、1佐職以上だけでも500人以上動いている。将・将補の異動は5日付けで将への昇進・勇退は10名。将補への昇進は20名。なお、女性自衛官がひとり空将補に昇進しており、現時点で唯一の女性将官となる(過去に存在していたことはあった)。

退職・火箱芳文陸将(18期)
<陸上幕僚長・君塚栄治陸将(20期)
<東北方面総監・渡邊隆陸将(21期)
<統合幕僚学校長・林一也陸将(21期)
<第9師団長・田邉揮司良陸将(24期)
<陸幕装備部長(陸将補)

退職・関口泰一陸将(20期)
<東部方面総監・渡部悦和陸将(東京大)
<陸上幕僚副長・久納雄二陸将(22期)
<第6師団長・日髙政広陸将(23期)
<中方幕僚長(陸将補)

退職・木﨑俊造陸将(20期)
<西部方面総監・宮下寿広陸将(22期)
<防衛大学校幹事・田中敏明(23期)
<第2師団長・平野治征(21期)
<陸自関東補給処長・海沼敏明陸将(23期)
<第13旅団長(陸将補)

退職・宮島俊信陸将(20期)
<中央即応集団司令官・藤﨑護陸将(22期)
<第3師団長・番匠幸一郎陸将(24期)
<陸幕防衛部長(陸将補)

退職・倉本憲一海将(19期)
<自衛艦隊司令官・河野克俊海将(21期)
<統合幕僚副長・岩田清文陸将(23期)
<第7師団長・磯部晃一陸将(24期)
<統幕防衛計画部長(陸将補)

退職・髙嶋博視海将(19期)
<横須賀地方総監・河村克則海将(21期)
<海上幕僚副長・武居智久海将(23期)
<大湊地方総監・山口透海将(22期)
<防大訓練部長(海将補)

退職・方志春亀海将(20期)
<教育航空集団司令官・鮒田英一海将(東京大)
<海幕人事教育部長(海将補)

退職・大塚八左右海将(医1期)
<中央病院副院長・瓜生田曜造海将(医3期)
<海幕首席衛生官(海将補)

退職・長島修照空将(20期)
<航空幕僚副長・中島邦祐空将(23期)
<西部航空方面隊司令官・廣中雅之空将(23期)
<統幕運用部長・井上力海将(24期)
<自衛艦隊幕僚長(海将補)

退職・森下一空将(20期)
<航空支援集団司令官・彌田清空将(21期)
<空自幹部学校長・平田英俊(東京大)
<南西航空混成団司令・半澤隆彦空将(24期)
<空幕防衛部長(空将補)

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2011年7月26日 (火)

日本の新幹線は橋から落ちません

三十一が知るかぎり、少なくとも日本では列車同士の追突事故というのはここ数十年ないはずだ。信楽高原鉄道の事故は正面衝突だった。鉄道ではむしろ正面衝突よりも追突事故のほうがめずらしい。それは鉄道の保安がひとつの閉塞区間に一列車だけしか入線できないという閉塞システムを基本としているからだろう。しかし通票の取り扱いをひとつ間違えると正面衝突は起こり得る。

中国が威信をかけて建設した高速鉄道が追突事故を起こし、脱線した車両が高架橋から転落して多くの犠牲が出た。列車の片方は日本の技術を導入してつくったCRH2だった(原型はE2系)。しかし事故防止のための信号保安システムは中国の独自開発によるものだったという。中国当局は落雷による信号システムの故障が原因としているが、不測の事態が起きたときに最悪の結果に陥らないフェールセーフの視点が欠落していたか少なくとも不足していたことは否めない。もしも中国当局が「落雷による故障」が免罪符になると考えているようであれば、まさにそれこそが自ら安全について云々する資格がないということを暴露しているのに他ならない。

三十一がこのニュースを聞いたとき、驚きよりもむしろ妙な納得感が襲ってきた。最近の中国の高速鉄道の急速な進展に漠然とした危うさを感じていたのだろう。日本の新幹線は旅客の高速大量輸送に完全に特化し、専用の路線、専用の車両、専用のシステムをインテグレートして構成されており、余計な要素はすべて排除されている。しかし中国の高速鉄道は各国から技術を導入し、車両だけで4種類(だったと思う)が混在している。そこにこれまで高速鉄道運用の経験がない中国が独自に開発した保安システムだ。まともに機能するようになるには時間がかかるだろうし、それまでに事故が起きかねないことも予想はできたが、ここまでのわかりやすい事故が起きるとまではさすがに予想していなかった。

鉄道というと実際に人を乗せる車両や、その車両を支える線路がまず思い浮かぶだろうけれど、鉄のレールに鉄の車輪という自動車に比べて10倍滑りやすい組み合わせで、一編成で数百トンにもなる列車を数分間隔で正確に運行するためには、利用者から直接見えない信号保安システムが欠かせない。これは一朝一夕にできるような代物ではないのだよ。たいていのものをパクりで済ませようとするのに、なんで肝心なモノは独自開発なんだろうね。「パクれ」と言ってるわけじゃない、ちゃんと金を払っていいものを買えといっているのだ。そういう発想がそもそもないのかな。

ここんとこ、海外での日本の新幹線に対する評価はそれほど高くないような感じがあった。完成度は高いがシステムまるごとの導入になるのでハードルが高いと考えられているようだ。日本としてはシステムとしての完成度に自信があるからトータルパッケージとしての売り込みを図っているのだが、その価値を理解してもらうのはなかなか難しい。フランスやドイツ、韓国などのライバル国ではそれぞれの要素をバラ売りしており、新規導入を検討している国のほうでも、各要素を逐次買い足していくとか、あるいはそれぞれの安いものを組み合わせるとかいう導入のしかたで費用を抑えようとしている。日本ほどの大量高頻度輸送を求められているわけではないという事情もある。
だが今回の事故で、システムとして整合性がきちんととれていることの重要性が認識されただろう。日本の新幹線の安全性と正確性はシステムの賜物であるというセールスポイント自体は変わっていないが、今回の事故という反面教師を得て説得力は高まったに違いない。

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2011年7月22日 (金)

周回遅れ

3月から4月にかけて、三十一が保有している複数の PC のうち、もっともパフォーマンスを要求されるビデオエンコードを主目的としている PC のマザーボードと CPU を入れ換えた。
その後、KVMセレクタを買い換え、電源ユニットをモジュラープラグのものに置き換えとチマチマ手を入れてきたのだが、週末にそのとどめとも言うべき作業を行なった。

なんと、OS を Windows XP から Windows Vista に入れ換えたのだ。

どう考えても周回遅れだよなあ。
もともと、Windows XP からアップグレードする予定はなかったのだが、最近 3TB の HDD が手の届く値段になってきたのでこの HDD を認識させるために OS の入れ換えを考慮するようになった。うまく動けばもうけものくらいのつもりで、もともとのシステムドライブは潰さずに、余っていた 500GB の HDD に Vista を導入してみたところ、いろんなツールやアプリケーションも含めて案外あっさり動いてしまったのでこのまま進めることにする。まだ 3TB の HDD は入手していないが、データ保存につかっている 2TB のドライブがそろそろ満杯になりそうなのでもう少し値段がこなれてきたら入れ換えよう。

さてなんで今さら Vista なんだと思うだろう。実は、Vista 云々というよりは、リアルメモリー 3GB の壁を越えるために OS を 64ビットにしたいという構想は以前からあって、そのために 64bit 版の Vista を入手してあったのだが、OS の入れ換えはハードルが高くてなかなか手をつけられなかった。これまでメモリーは 4GB 搭載、うち認識 3GB という状態だったのだがこれで 4GB をまるまる認識できるようになった。スペック上は 32GB まで積めるらしいが、いまのところそこまでは必要なさそうだ。でも近い将来にもうちょっと足してみたものだ。ページングが減ってくれると嬉しいなあ。

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2011年7月15日 (金)

言い訳 may "B"

部下が誰もついて来ない状況であっても、それでもやはり人間というのは出世したいものなのだろうか。権勢欲が希薄な三十一にはどうにも理解できない、われらが日本の現職首相の最近の言動である。

だから松本龍復興担当大臣が被災地の県知事に暴言を吐いて辞任に至ったのは実は総理を追い込むための一種の罠なんではないかと思わず勘ぐってしまう。

さてその辞任について日本国外でももちろん報じられているが、欧米のメディアでは松本大臣が辞任にあたって「自分は B 型で短絡的なところがあり」と述べたことに関心を引かれたようだ。

Japan Reconstruction Minister Ryu Matsumoto quits (BBC)

As for Mr Matsumoto he has blamed his behaviour on his blood group, B. That is not as outlandish as it may seem, many people in Japan believe blood type influences personality.

Type Bs have a reputation for abrasiveness. In Mr Matsumoto's case at least it has turned out to be well-deserved.

松本大臣の言動は「日本で信じられているようなB型の振る舞い」に合致していることは確かだ、ということだろうか。もちろんこのアナリストが述べているように "many people in Japan believe" なので裏を返せば「日本以外では信じられていない」ということだ。少なくとも BBC の本拠地であるイギリスではほとんど知られていないことは間違いない。そうでなければわざわざこんな説明をいれるわけがない。

性格や能力の長短を血液型のような先天的な属性に求めるのは、畢竟日本で「健全な個人主義」が充分発達していない証拠であろう。目の前の人物を評価するのに際してその人そのものを虚心に見るのではなく、何らかの属性に依存して判断しようとする。それは結局自分にしっかりした判断基準がなく自分以外の権威に依存していることにほかならない。また相手を一個の独立した人格として見るのではなくその「属性」を持つ集団(例えばB型)の中のひとりとしか考えない。「A型の人間を集めてプロジェクトチームを結成しました」などと堂々と(救いがたいことにしばしば誇らしげに)語る経営者が後を絶たないのは実に憂慮すべきことだと思うんだけど。
杞憂で終わればいいと思いつつも、「そんなの杞憂だよ」と言われると危機感がないようにみえてますます不安になる。

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2011年7月13日 (水)

英語脳もどき

久しぶりに仕事の愚痴を。

同僚の某氏が少し早めの夏休みをとっている。
いないことでただちに何か困るというわけではないのだが、本人がやりかけの仕事のフォローはしなければいけない。どこの職場でも「あいつのフォローはしたくないし、あいつに自分の仕事のフォローはさせたくない」という人間が二・三人はいると思うが、三十一にとって某氏もそのひとりである。できるだけ逃げて回っていたのだが逃げ切れなくてひとつ任されてしまった。

さて三十一(と某氏)の仕事の中には、海の向こうと英語で質問のやりとりをするというものがある。今回任された仕事では、そのやりとりを見て必要に応じて質問し直したりあるいは適切な部署に報告しなければならないのだ。
やりとりのログはそれなりの分量があるので全部読む気にもならない。ログの最後、外人からの回答をまず読んでみたのだが、突然回答だけ読んでも経緯がわからないので意味がとれない。気が進まなかったが「やっぱり質問から読まなきゃだめか」と、そのひとつ前の某氏の質問から読み始める。

「英語耳」とか「英語脳」とか言われているが、それほど立派なものではないにしても英単語がつらなっている文を見ると三十一でもそれなりにスイッチが切り替わる。日本語の文章には日本語特有の、英語の文章には英語特有の構造(SVCとかSVOCとかいう、アレだ)があり、脳ではその構造にあてはめようとする。しかし、某氏の英文は何度読んでもアタマに入ってこない。目の前の文章は字面は英語なのだが英語の構造になっていないのだ。この「なんちゃって英文」を解読するためには、英単語を認識するために一部を英語脳に、そして他の部分は日本語脳にすればいいのかな。いやむしろパズル脳か暗号解読脳だろうか。

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2011年7月 2日 (土)

2011年6月の打ち上げ

6月は7件、うち有人が1件。日本人が乗っていたのでニュースになったけれど、実際に三十一が注目するのは2機目の人工衛星を打ち上げたイランだ。ブラジルや韓国が苦労している中、着実に実績を積んでいる。

6/7 20:12 Baikonur/Soyuz FG (Soyuz TMA-02M)
6/10 14:20 Vandenbrg/Delta 7000 (SAC-D)
6/15 9:15 Semna/Safir 1 (Rasad 1)
6/20 16:13 西昌/長征3B (中星10)
6/21 14:38 Baikonur/Soyuz U (Progress M-11M)
6/27 16:00 Plesetsk/Soyuz U (Cosmos 2472 Kobalt)
6/30 3:09 Wallops Island/Minotaur I (USA 231 ORS-1)

Orbital Launch Chronology

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2011年7月 1日 (金)

夏の桜1輪

7月1日付けで空自を中心としたややまとまった規模の人事異動があった。

この人事の目玉は、航空総隊司令部に副司令官という職ができたということだ。これはまったくの新設で、空将が充てられることになった。つまり空将のポストがひとつ増えたということになる。理由はいろいろあるのだろう。大震災によって実際に統合運用を実施してみたところ、メジャーコマンドである航空総隊の司令部強化が必要になったというところだろうか。だが三十一には違った見方がある。

試みに改編以降の陸海空の将ポストを勘定してみよう。合計60、うち陸26、海17,空17となる。海と空が同数でそろうのだ。

なんだかこの結果に納得してしまう三十一であった。

この異動で空将への昇進が1名、退職はなし。プラス1。

斎藤治和(22期)・航空総隊副司令官<北部航空方面隊司令官
重久修(22期)・北部航空方面隊司令官<航空総隊幕僚長(空将補)

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