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2011年12月15日 (木)

2番じゃだめなんです。

民主党政権は、来年度予算として要求されている "はやぶさ2" について「大幅に縮小すべきである」との見解を示しているとか。

「科学技術立国」というお題目が唱えられ始めてずいぶん経つが、この掛け声と実際の政策の不一致はどうしたことだろう。何の投資もしないで「日本人は優秀」という根拠不明の神話に依存するのは政策ではなく宗教だ。

松浦さんのブログで知ったのだが、"はやぶさ" のプロジェクトマネージャーである川口教授がコメントを公開している。

はやぶさ後継機に関する予算の状況について (JAXA はやぶさプロジェクトサイト)
※URL は今後変更されそうな予感。

このコメントは多くの示唆を含んでいるが、三十一が我が意を得たりと思ったのは次のくだりだ。

日本は、お手本と格付けがないと生きていけないかのようだ。はやぶさでこの分野で世界の最前線、トップに立ったが、トップに立つとどうしてよいかわからなくなるのだろう。NASA も欧州も、我々を目指しているのに、なにか安定しない。
進んでトップの位置を明け渡し、後方集団にうもれようとしているかのようだ。
どうして2番ではだめなのか、この国の政府は、またも、この考えを露呈したかのようだ。トップの位置を維持し、独走して差を開いて行こうという決断を行う ことに躊躇してしまう。世界の2番手にいて、海外からの評価と格付けに神経をとがらせるばかり。堪え忍べと叫び、自らの将来を舵取りするポリシーに欠ける。

目立つのが嫌いな日本人はどうしても一歩引いてしまうのかもしれない。バブル景気の崩壊がその臆病さに拍車をかけた面もあるだろう。だが生き馬の目を抜くような市場では、一歩引いたとたんに競争相手からかさにかかって攻められ、たちまち転落してしまうというシナリオが容易に想像できる。「世界初」にのみ価値がある学問の世界に住む川口教授から見れば、「2番をめざす」という発想は理解に苦しむだろう。実際、「2番をめざす」のは首位をめざすよりもかえって難しい。

「科学技術立国」と並んで誰もが否定できないお題目である「選択と集中」について考えてみても、現に世界のトップにある分野に継続投資しないで何を「選択」するのやら。

「科学技術立国」を目指して「選択と集中」を進めるというのであれば、"はやぶさ2" に投資せよ。その術があるなら、三十一個人としてもいくらか投資してもいいよ。出せる金額はたかがしれているけど、有志が多数集まればニュースのネタくらいにはなるんじゃないかな。

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