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2012年3月29日 (木)

海幕長交代見送りか

2011年度最後の大きな異動になると思われる、3月30日付の異動が公開された。

以前の記事で三十一は「近いうちに海幕長が交代するだろう」と書いた。そのときに想定していたのは、今年度のうちに防大18期の杉本海幕長が勇退し、唯一残った防大20期の海将である加藤耕司佐世保統監が海幕長に昇進する、というシナリオだった。
ところが実際にフタをあけてみると杉本海幕長は留任し、逆に加藤佐世保総監が勇退することになった。上記シナリオは鉄板だと思っていたんだが、何か裏の事情があったんだろうか。18期の海幕長、19期の統幕長、20期の陸幕長と空幕長という奇妙な組み合わせとなってしまった。
19期、20期の海将は全て勇退してしまったので、次の海幕長は必然的に21期ということになる。具体的には河野自衛艦隊司令官、河村横須賀総監、佐々木舞鶴総監が候補になるだろう。一般的に考えると自衛艦隊司令官、横須賀総監は"アガリ"のポストになるので、佐々木舞鶴総監が最右翼ということになるかもしれないが、何しろ上がみんないなくなってしまったので勇退時期まではまだ間があることもあり、横須賀総監または自衛艦隊司令官からということも充分考えられるだろう。

今日のところは速報ということで、その他の将人事についてはまた改めて。

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2012年3月22日 (木)

「逃げゆく物語の話」


ちょうど一月ほど前に「めんどくさい仕事が一段落して」なんて書いたが、最近はそれどころではないめんどくさい仕事が来襲してまったく余裕がなかった。物理的な忙しさという点ではこれよりも忙しい時もあったと思うが、プレッシャーが半端じゃなく精神的にかなり辛い状況だった。まだ終わったわけではないのだが、ようやく出口が見えてきてちょっとほっとしている。「事実は小説よりも奇なり」と言うが、現実はSFよりも不条理だ。

前巻(編者は特にどちらが先というわけではないと言っているが)がどちらかといえばテクノロジーに依拠した話を集めていたのに対し、こちらでは主に世界観を扱った話を集めている。とは言え、それほど明確な線引きがあるわけではない。結局は両方とも読むべき、ということかな。

収録されているのは12本。今回もはっきりした外れはなく、どの一編を抜き出したとしても楽しく読むことができる。この中には三十一にとっての既読はない。短編集の表題作になっていて名前なら知っているというのはいくつかあったけれども。やはり三十一はセカイ系よりもサイエンス系の話のほうが好きなのだろうか。そして今回も強いて特に面白かった話を挙げるとするなら、乙一「陽だまりの詩」、森岡浩之「光の王」、山本弘「闇が落ちる前に、もう一度」、石黒達昌「冬至草」、小林泰三「予め決定されている明日」、牧野修「逃げゆく物語の話」くらいだろうか。"強いて挙げた"ものが半分にもなってしまうというのもどうかと思うが、それだけレベルが高いということかな。

自分で列挙していて思いついたんだが、山本弘が「著者のことば」の中で

僕はこの手の「実はこの世界は虚構だった」という話が大好きなのです。

と言っているけれども、どうも三十一も同じらしい。

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2012年3月14日 (水)

「ぼくの、マシン」


"ゼロ年代日本SFベスト集成" として刊行された2冊のうち一冊。もう一冊は現在読書中。

11編収録されているうち、これまで三十一が読んだことがあるのは野尻抱介「大風呂敷と蜘蛛の糸」と、田中啓文「嘔吐した宇宙飛行士」だ。小川一水「幸せになる箱庭」も読んだことあるはず(収録している「老ヴォールの惑星」は読んでいる)なのだが正直記憶になかった。

全編きっちり読んでみたが、はっきりと外れと言ってしまうようなものはなかった。その中で敢えて気に入ったものを挙げるなら、桜庭一樹「A」、菅浩江「五人姉妹」、神林良平「ぼくの、マシン」あたりだろうか(野尻抱介と田中啓文は既読なので除く)。
その中で唯一「これはちょっと」と思ってしまったのは伊藤計劃+新間大悟の漫画だ。内容というよりは、漫画という形式のせいで想像の飛躍を制約してしまったように思う。もっとも、そのおかげで伊藤計劃の活字作品を読んでみようかと考えているので、結果として出版側にとっての思うつぼにハマってしまったかもしれない。

2冊シリーズのもう一冊である「逃げゆく物語の話」のあとは、ハヤカワのベストSF がすでに読まれるのを待っている。


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2012年3月10日 (土)

「スーパーアース」


右の柱でも紹介している「異形の惑星」の続編と言っていいだろう。この本の存在は実は今年の「SFが読みたい!」の中で松浦さんが取り上げていたので知ったのだが、よく考えてみると「異形の惑星」のほうもまったく同じ経緯をたどったような気がする。なお、「異形の惑星」は今ももちろん持っており、ありかも把握しているのだが昨年の地震で書籍流が発生してアクセス不能になっている。


前作は2003年の刊行で、この本との間には8年しか経っていないのだが、その間に太陽系外惑星についての研究は大きく進展している。本書の題名になっている「スーパーアース」とはその中でも最大の成果と言える「地球型惑星」のことだ。現時点では地球の数倍程度の岩石型惑星がいくつも見つかっている。前作の段階では、木星程度あるいはそれよりもさらに大きい巨大ガス惑星ばかりが発見されていた。遥か彼方の恒星をめぐる惑星を発見するためには、その惑星がある程度大きくなければならない。間接的発見法であるドップラー法、トランジット法、重力レンズ法にせよ、直接撮影にせよ、大きい惑星のほうが発見しやすいのは言うまでもないだろう。しかしこの精度も前作からの数年でもはるかに向上して、上記のような比較的小さな惑星でも検出できるようになった。今後はそれほどの劇的な精度向上はのぞめないかもしれないが、例えば人工衛星を使って大気圏外から観測するとか、多数の観測結果を情報処理することで精度を上げるなどの工夫が考えられよう。あるいはこれまでとは別の原理による新しい観測方法が提案されるかもしれない。

これまでの恒星系形成理論は、太陽系をモデルとして考えられてきた。理由は単純で、サンプルが太陽系しかなかったからだ。しかし、1995年にペガサス座51番星ではじめて系外惑星が発見されて以来、すでに500個を越える惑星が太陽系の外で発見されている。一般化するにはまだサンプルは充分とは言えない。特に現時点ではまだ検出精度の限界のため比較的大きな惑星しか発見できていない。それでもこの宇宙にはわれわれの太陽系と比べてかなり様相の異なる恒星系が多数存在することがわかってきている。こうした現状から、これまでの恒星系形成理論は大幅な見直しが必要になった。まったく否定するというのではなく、こうしたバラエティに富んだ恒星系にも適用できるように拡張が必要になってくる。こうした作業からより一般的な恒星系形成理論がある程度確立してくると、今度は逆にどういう条件が加わればわれわれの太陽系のような恒星系が形成されるのかがわかることになる。その条件を満たした恒星系では、地球と同じような惑星が存在している可能性が高いということが言えるだろう。

ところで、著者が主催するGCOEプログラムが例の事業仕分けで批判されて予算がどんどん削られてるとか。これこそ「二番じゃダメ」なんだけどなあ。

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2012年3月 2日 (金)

2012年2月の打ち上げ

2月の打ち上げは 5 件。

2月3日 00.04GMT Semnan/サフィール (Navid)
2月13日 10.00GMT クールー/ヴェガ (LARES, ALMASat-1)
2月14日 19.36GMT バイコヌール/プロトンM (SES 4)
2月24日 16.12GMT 西昌/長征3C (北斗 G5)
2月24日 22.15GMT ケープカナベラル/アトラス5 (MUOS-1)

Orbital Launch Chronology

目立つのは 3 日のイランによる 3 度目の衛星打ち上げだろう。韓国とブラジルが何度も失敗しているのに比べると成功率は高い。ちょうどこの時期、イランとアメリカの間がキナ臭くなっており、この打ち上げにも何らかの政治的意図が込められていることだろう。

とは言え、実際には三十一が注目したのは 13 日の VEGA の初打ち上げ。その意義は先月も述べたし、さらに以前にも触れたことがあるので繰り返さない。

この他、中国が着実に北斗の打ち上げを続けている。去年の打ち上げ回数で中国はアメリカを上回ったが、今年に入ってもすでに 3 回の打ち上げを数える。アメリカは 2 回。

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