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2012年3月22日 (木)

「逃げゆく物語の話」


ちょうど一月ほど前に「めんどくさい仕事が一段落して」なんて書いたが、最近はそれどころではないめんどくさい仕事が来襲してまったく余裕がなかった。物理的な忙しさという点ではこれよりも忙しい時もあったと思うが、プレッシャーが半端じゃなく精神的にかなり辛い状況だった。まだ終わったわけではないのだが、ようやく出口が見えてきてちょっとほっとしている。「事実は小説よりも奇なり」と言うが、現実はSFよりも不条理だ。

前巻(編者は特にどちらが先というわけではないと言っているが)がどちらかといえばテクノロジーに依拠した話を集めていたのに対し、こちらでは主に世界観を扱った話を集めている。とは言え、それほど明確な線引きがあるわけではない。結局は両方とも読むべき、ということかな。

収録されているのは12本。今回もはっきりした外れはなく、どの一編を抜き出したとしても楽しく読むことができる。この中には三十一にとっての既読はない。短編集の表題作になっていて名前なら知っているというのはいくつかあったけれども。やはり三十一はセカイ系よりもサイエンス系の話のほうが好きなのだろうか。そして今回も強いて特に面白かった話を挙げるとするなら、乙一「陽だまりの詩」、森岡浩之「光の王」、山本弘「闇が落ちる前に、もう一度」、石黒達昌「冬至草」、小林泰三「予め決定されている明日」、牧野修「逃げゆく物語の話」くらいだろうか。"強いて挙げた"ものが半分にもなってしまうというのもどうかと思うが、それだけレベルが高いということかな。

自分で列挙していて思いついたんだが、山本弘が「著者のことば」の中で

僕はこの手の「実はこの世界は虚構だった」という話が大好きなのです。

と言っているけれども、どうも三十一も同じらしい。

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