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2012年5月17日 (木)

失敗したくてもできません

検索キーワードにひっかかって気付いたんだが、次期海上幕僚長候補であったはずの加藤元海将の退職について、某週刊誌に記事が載っていたらしい。
不倫がどうのこうのと書いてあったらしいが、本人も本省も認めるわけがないだろうから確認のしようもない。いずれにせよもう退職してしまったわけで、いまさら理由を詮索しても詮無いことである。

むしろ気になったのは該当記事の最後の一文。
加藤元海将の退職時の補職は佐世保地方総監、替わって着任した吉田海将は早々に北朝鮮ミサイル事案に担当部隊として対処することになったわけだが、それについて「ミサイル探知に失敗した海上自衛隊云々」と表現していた。

「失敗」ねえ。

本来であればできること、少なくともできる可能性があることができなかったのなら「失敗」という表現もあり得るかもしれないけど、もともと海自のイージス艦にはブーストフェーズでミサイル発射を探知する能力はないし、期待されてもいない。それは静止衛星軌道上に配置された米軍の DSP (早期警戒衛星)の役割だ。ミサイル/ロケット発射の際の熱(赤外線)を赤道上空 3万6000キロから監視しているもので、発射の第一報はこの衛星から入ったに違いない。しかし、飛行経路で待ち受けていたイージス艦のところまで飛んでこなかった。飛んでこなかったものは探知しようがない。それを「失敗」と責めるのは理不尽だよね。

三十一は前の記事で、「一段目の燃焼はほぼ所期性能を発揮しただろう」と書いたが、いろんな記事を読むと一段目からすでに問題があったとする論調がみうけられる。しかし、今月の「軍事研究」に掲載されていた野木恵一氏の記事では、三十一とほぼ同じ見解を示していてちょっと心強くなった。何人の有象無象が三十一と意見を異にしていたとしても、ひとり野木氏と意見が同じであれば充分だ。もっとも、野木氏の記事は発射直後のまだデータの出そろっていない段階で書かれたものらしいので、その後新しいデータが出てきて判断が変わるかもしれないけれど。




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