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2013年1月23日 (水)

リスクと機関銃

日本のマスコミの軍事音痴っぷりは酷いものだ。アルジェリアの事件と並行してアメリカで起きた銃乱射事件で使われた武器を「機関銃」とのたまっていて、三十一は思わず声を出して驚いた。
「自動小銃」の間違いだろうと CNN の記事を確認してみると案の定 "assault rifle" と記載されており、"machine gun" ではなかった。
「自動小銃」と「機関銃」では何が違うんだと言われると説明が難しいのだが、ひとことで言うと前者は個人携行火器で、後者は分隊支援火器だということだろうか。わかんねえかな。

軍事音痴もひどいが、言葉で飯を食っているはずの"ジャーナリスト"が言葉を不用意に使っているのはもっとひどい。例を挙げ始めるときりがないが、最近よく聞く「リスク管理」も本来の意味とはだいぶ異なるイメージが蔓延してしまっている。
「リスク管理」というと、なんらかのインシデントが発生したあとに状況をコントロールして被害を最小限に食い止めること、と思っている人が多いようにみえるのだが、それは本来の risk management のほんの一部でしかない。
本来は、リスク(発生確率と被害の大きさ)を事前に評価した上で、それを低減させるためにどこまでコスト(何ごともタダではできないのだ)をかけるか、そのバランスを見極めて実行することだろう。発生確率が小さくても被害の大きさが受け入れがたいものならば、コストをかけてでもさらに確率を下げていく必要がある。どこまでやるかはコストとの兼ね合いになる。経験的に、あるインシデントの発生確率を 10% から 1% に下げる(10分の1)のと、1% から 0.1% に下げる(同じく10分の1)のでは、後者のほうがずっとコストがかかることがわかっている。言い換えると同じだけリスクを下げるのでも、コストは同じでは済まない。

リスクをあらかじめ想定するというと、「縁起が悪い」とか「何とかなるだろう」とか言って避けて通る人がいるが、そういう人に限って実際に何かが起きると慌てふためいたり激昂したりするんだよなあ。なかには「はじめからうまくいかないことを想定するのか。絶対に問題を起こすな」なんていう一見もっともらしいことを言う、しかし実際にはそのためにコストをかけることを許さない人もいるし。

「リスク」っていうのはコトが起きるまでが「リスク」で、何か起きてしまったあとは「リスク」ではなく「インシデント」なんだよ。管理すべき「リスク」は事態が発生する前にしか存在しない。

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