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2013年6月28日 (金)

「日本文学史 古代・中世編一」


ちょっと前に本屋でみかけて気にはしていたけど、結局買っちゃった本。
この手の本を読むのは実は初めてで、歴史は好きだが文化史は避けて通ってきた三十一にとってはちょっとしたチャレンジだ。著者が日本的なしがらみから比較的自由な外国人(三十一なんかよりよほど日本文学には詳しいはずだけど)ということで、かえってわかりやすくまとまっているんじゃないかという期待もあった。

古代・中世編は文庫版では全4巻でまず一冊目を読み終えたわけだが、その中の半分ほどが「万葉集」で占められている。ちゃんとした日本人には「万葉集」の名は常識だろうが、ほとんどの人は国語(たまに社会)の教科書で読むくらいで、きちんと読んだことのある人はそれほど多くないだろう。珍しいことに三十一もこの点に関しては多数派なのであります。万葉集を「ますらをぶり」と評して古今集の「たをやめぶり」と対比して見せたのは賀茂真淵だけど、どちらかというと技巧重視の「古今集」に対して感情を率直に語った(それだけ洗練に欠けていたということでもあるが)「万葉集」は近世から近代にかけて評判が高い。「海ゆかば」などが戦前から戦中にもてはやされた反動で戦後は少しなりを潜めた時期もあったが、気の短い現代人は中世のまわりくどい巧緻さよりもかえって古代の直接的な表現を好むのだろうか。実のところ、こういった傾向(古代の素朴→中世の技巧→近世の復古)は中国大陸での漢詩における嗜好の移り変わりと似ている。

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