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2013年7月20日 (土)

「尖閣喪失」


この本はわりと最近単行本で出ていたような気がするけど、早くも文庫化。実際に尖閣がもめているうちに稼ごうという魂胆だな。

著者の大石英司は、いわゆる架空戦記作家の中ではちょっと異色という認識を三十一はもっている。異色ということは「普通とは違う」ということで、良い方向にも悪い方向にもあり得るのだが、ここでは良い方向で普通とは違うという意味だ。
檜山良昭が「本土決戦」シリーズで架空戦記ブームを巻き起こしたのは三十一が中学生の頃。それから数限りない架空戦記が世に出されてきたが、志茂田景樹は論外としてもおおかたの傾向としては「史実では負けてしまった日本軍も、ここさえ直せばほら大勝利」というわかりやすいストーリーになりがちだ。ある意味それは読者である日本人の願望に寄り添った結果ではあるのだが、こんな本ばかり読んでいると頭が悪くなりそうだ。
しかし大石英司の場合は日本が負けるケースが少なくない。しかも結構見もふたもない負け方をする。これが現実だというのを突きつける。それがだめな人にはとことんだめだろうけど、面白いと思える人間には面白い。そして三十一は日本が負けるのを「面白い」と思える人間なのでありました。

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