« ヒトモドキ | トップページ | 「科学を語るとはどういうことか」 »

2013年8月26日 (月)

鉄道は誰のものか

今月の鉄道ジャーナルには「鉄道は誰のものか」と題する記事がふたつあった。表記はまったく同じではないが。ちなみにひとつは118ページで、もうひとつは167ページです。

このうち、167ページで取り上げていたのは、投資ファンドが西武鉄道の大株主になって秩父線の廃止を提案したとかしなかったとかいう問題。報道されていたのはもっとずっと前だけど、株主総会があったのでそのタイミングでとりあげられたという次第。

そもそも、何年か前に西武が破綻に瀕したときに海外の投資ファンドの支援を得たのがことの発端だが、その投資ファンドが不採算の秩父線を廃止することを提案した、と報じられたのは今年の春ごろだっただろうか。当然のように地元の自治体は反発して「公共交通機関として地元住民の足を残せ」と訴えた。
そのニュースを聞いたときの三十一の率直な感想は、「ずいぶん虫のいいこと言ってるなあ」であった。それまでの地元自治体と西武鉄道がどういう関係だったのか具体的に知っているわけではないが、大手私鉄の一角である西武鉄道に対してこれらの自治体から何らかの支援があったとはとても思えない。秩父線の赤字は、西武鉄道の別の路線が生み出した利益で埋められてきていたはずで、ことの是非はともかく財務体質を改善しようとするなら赤字路線を廃止するという選択肢は理にかなっている。たとえば「廃止がだめなら運賃値上げを」と言い出したら今度は「もっと経営努力せよ」と求めるだろう。あるときは「私企業」扱いをし、あるときは「公共交通機関」扱いをするという、その時々で都合のいいとらえ方をするようでは結局は苦しくなるだけだ。

カネを出さないのであれば口は出すべきではないし、口を出すのであればカネも出さなくてはいけない。カネは具体的な金銭ではなく何らかの便宜でもいいだろう。地元住人を代表する自治体と、鉄道会社との関係はもっと突っ込んで考えるべき時代が来ていると思うのだが、そういった意識はまだ希薄なようだ。今回の西武鉄道問題がそういったきっかけにならないかとも思ったが、もうみんな忘れちゃったのかな。

|

« ヒトモドキ | トップページ | 「科学を語るとはどういうことか」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/196234/58071237

この記事へのトラックバック一覧です: 鉄道は誰のものか:

« ヒトモドキ | トップページ | 「科学を語るとはどういうことか」 »