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2014年8月13日 (水)

「日本軍と日本兵」

これまで様々な機会に、日本人のモノのとらえ方や考え方における欠点が戦前からほとんど変わっていないことを指摘してきた。方向性が違うだけで、バブル崩壊から未だに立ち直れない現状と、勝ち目のない戦争に突き進んでいった戦前の、根本的なメンタリティには違いはないというのは三十一においては疑いようのない確信となっている。

そんな三十一でさえ、軍隊に動員された日本兵は生命を顧みずに命令に盲目的に従うというこれまで流布されてきた「神話」を無意識に信じていた。それが「神話」であることに気づかせてくれたことは評価する。

米軍兵士による戦時中の日本軍への評価をもとにしているが、参照している資料が一般兵士向けの広報誌であるから、多かれ少なかれ情報操作は含まれているだろうが、それでもそこに描写されている「日本兵像」は、これまでの神話上の日本兵像をおいて、純粋にひとりの「日本人像」として見てみると非常に納得できるものだ。

すなわち、
「あらかじめ決められた計画がうまくいっている限りにおいてはそれぞれの役割を間違いなく果たす」
「ものごとが計画通りに進まなくなると途端にうろたえる」
「予想していなかった事態に直面するとパニックに陥る」
「組織から見捨てられることを何より恐れる」
「不利な情勢になると諦めが早い」

特に、日本人が強く持つ組織への帰属意識は、「捕虜になったらクニに帰れない」「一人だけ生き残ったらクニに帰れない」という強迫観念を生じさせ、結果として「玉砕」を受け入れさせたというのは、「玉砕の軍隊、生還の軍隊」も指摘するところである。

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コメント

はじめまして。
興味深い内容をありがとうございます。

私自身は余りこの方面に詳しくない方ですが、聞いたところによりますと、

旧帝国陸軍においては、撤退作戦に於ける指揮ノウハウを教えなかった。のだそうです。

戦国の合戦モノなどでは、「軍が一番損害を被るのは撤退時」だと云う描写がよく出てまいります。

私の脳内では、この2つの情報が結びついておりますが、果たして、、、、。

投稿: きこりん | 2014年10月22日 (水) 14時37分

>旧帝国陸軍においては、撤退作戦に於ける指揮ノウハウを教えなかった。のだそうです。

うーん、どうなんでしょうか。
最近、実証的な研究が進んできて昔のステレオタイプな見方の多くが否定されてきていますが、一度流布してしまった必ずしも正しくない通説が幅をきかしているというケースが少なくないようです。この件が該当するかどうかはなんとも言えませんが。

うろ覚えですが陸大では退却について教育されていたと何かで読んだような気がします。

投稿: admiral31 | 2014年10月22日 (水) 22時28分

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