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2014年10月26日 (日)

電車のない国

四国3日目。
宿は高松か徳島にしようと思っていたのだが、調べてみたら「禁煙」「インターネット可」のプランが徳島では見つからなかった。というわけで高松一択。大きな荷物をコインロッカーに放り込んでおけるのは利点だ。

四国西半分のJRは制覇したので、あとは東半分となるわけだが、ここでポイントとなるのは徳島と阿波池田(正確には佃)を結んで徳島県を東西に走る徳島線。これを東から西へ、あるいは西から東へ乗るかだ。ところが徳島線はあまり見るべき個所がない。吉野川の南岸を坦々と走るだけ(まだ乗ってないのだが)。話題と言えば、入場券が受験のお守りとして人気になった「学」駅くらいだ。そこで実際には、高松から阿波池田または徳島に向かうルートが決め手になる。
今日の天気は良いらしい。実はこれが重要な要素になる。また昨夜高松に泊まったのも、伏線となっている。2年前に四国に日帰りしたとき、土讃線で讃岐山地を越えて吉野川河谷に降りていく路線の車窓風景をいたく気にいったのだが、そのときには車窓の反対側だったので今ひとつ満喫できなかった。それを今度こそ先頭車両でしかも晴天の下で満喫したかったのだ。10時過ぎに阿波池田につく「南風3号」に狙いを定める。そのちょっと前に高松から高知方面に向かう「しまんと」もあるのだが、この列車にはグリーン車が連結されていない。高松からは直接「南風」には乗れないので、普通なら快速から乗りつぐことになるのだろうが、三十一は特急乗り放題のフリー切符を持っている。せっかくなので「南風」に乗りつぐために特急「いしづち」に乗ることにする。
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「いしづち」は待望の8000系電車だ。やっぱり電車は快適だなあなどと「非電化単線鉄道愛好会」会長にあるまじき感想を持つ。まあそれはそれ、これはこれ。
宇多津駅に近づくと、ちょうど目の前の高架線を前側に連結されるはずの「しおかぜ」が走っていくのが見えた。あの区間はまだ乗ったことがないんだよなあ、実は。まあ宇多津駅構内の扱いなので未乗とはみなさないけどさ。宇多津駅では連結作業が終わるまでドアが開かず少し待たされた。
宇多津でいったん降りてみる。この駅では列車の連結や分割が頻繁に行われているので駅構内はなかなか活気があるが、降りてみると静かな駅だなあ。窓口でグリーンの指定を頼んだが、右側(A席)は開いていないという。やむを得ず1C(先頭の左側)を確保する。
実際に乗り込んでみると、席がとれなかった理由がわからない空き具合。まあ必要に応じて席を移ることにしよう。
席が一番前なので線路がよく見える。前面展望ビデオみたいだ。ビコムから出ている土讃線特急の前面展望ビデオは上り列車だが、この区間は絶対に下り列車のほうがいいと思う。実際、この区間は四国のJRの中で一番の絶景だと三十一は思う。坪尻のスイッチバックもすごくよくわかる。そしてそれからすぐに目の前がひらけ、はるか下に池田の街、吉野川、そして吉野川にかかる赤い鉄橋。天気がいいので鉄橋の赤い色が映える。
阿波池田駅はいい雰囲気。
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ここで1時間ほど待つ。何もない駅で1時間くらい待つのはもうすっかり慣れっこである。
適当なタイミングでホームに入る。ああ、天気いいなあ。ちょうど高知方面から上りの「南風」が入ってきたので撮影。引きの写真と寄りの写真のどっちもいい感じで選べなかったので2枚貼っておきます。
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徳島に向かう特急「剣山」(つるぎさん)は今回初めて乗るキハ185系。
いちおうこの列車も指定席を頼んでみたのだが、「いちおうとっておくけど自由席でも座れると思うよ」と言われました。乗ってみて納得。指定席は4列(16席)しかなく、しかもそのうち半分くらいを団体さんが占めていた。あの中に潜り込む勇気はなかったので自由席に座る。
旅行も4日目になりちょっと体調が悪くなってきたので正直なところ半分くらい寝ていた。「学」駅も見逃した。吉野川が見えるわけでもなく、田園の真ん中をとことこと走るだけ。寝るのもしょうがないよね。徳島駅に到着。県庁所在地駅として考えると、四国4県のうちで最後になる。徳島県は電気鉄道がまったく存在しない(ケーブルカーやロープウェーを除く)日本で唯一の県という、非電化単線鉄道愛好会にとっては理想の土地なのだけどね。

ここから一回鳴門まで往復して鳴門線を征服。
1200系単行で徳島駅発。さっきまで乗っていた徳島線と同じ方向に向かって発車。隣の佐古駅までは複線だが実際には単線並列。複線の右側を走っているように見える。徳島駅自体は地平だが駅を出ると高架になる。佐古を出ると右に大きくカーブして北に向かう。この先で吉野川を渡るはずだ。お、これが吉野川か。江戸川とそれほど変わらない川幅だけど、鉄橋自体はトラスの無いガーター橋なんだなあと思っていたら、実はこれは前座でした。真打ちはこのあとに控えていた。うわー、さすが四国三郎。この川幅は迫力あるなあ。北海道、札沼線の石狩川橋梁が同じくらいのスケールだと思う。
分岐の真ん中に駅舎がある特徴的な構造の池谷駅で高徳線本線からわかれて鳴門線に入る。このあたりはずっと平坦だ。
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終点鳴門駅は10分で折り返し。帰りはちょうど高校の帰宅時間になったのか、高校生がちょっとうるさい。まあしょうがないね。日本のローカル線は病院に通う老人と、通学の高校生でもってるからなあ。ただちょっと不思議だったのは、撫養でまとめて乗車してきた高校生が、勝瑞駅でやっぱりまとめて降りて行ったこと。下車駅がみんな同じってどういうこと? 定期見せてたから何か特別なイベントがあるわけじゃないだろうしね。
またもや吉野川を渡って徳島に到着。高松行きの特急の指定を頼んでみたらもう空きがないという。おお、今回の旅行では初めてだなあ。自由席にまわることにする。始発駅なので席の確保自体はそれほど難しくないだろうが、できるだけ前方が見える席を狙う。自由席の行列に並んで前から3列目、右窓際の席を確保。

今日3度目の吉野川を渡って高松に向かう。池谷駅でさっきとは反対に西側にカーブ。しばらく真西に向かうことになる。線路の北側には、讃岐との国境を遮るかのように険しい山がそびえている。高徳線は、どこであの山を越えようか決めかねて逡巡するように西に走る。そして板野を出ると、意を決したように北に向きを変える。実際、歴史的にはここから先の山越えの区間と、吉野川を渡る鉄橋が一番最後に開通しているのだ。
ここからこれまでの路線とはうって変わって本格的な山岳路線になる。急勾配とトンネルの連続。左も右も山が重なっている。しかしすっかりスレてしまった三十一にとっては見慣れた山岳路線。とくに注意を払うことなく窓の外を眺めていたのだが、ふと気がつくと右手に見えていた山が消えて海になっていた。この場面転換には正直意表をつかれた。制限されていた視界が突然開けるという展開は、今日の午前中に乗ってきた土讃線の阿波池田付近と同じ展開だ。正直期待していなかったのだが、この景色は思わぬ収穫だった。これ以降の高徳線は海沿いと山越えが入り交じる。志度からは琴電が右手に見える。屋島が見えるとまもなく高松。

10月23日の旅程:
高松(0845)→宇多津(0910) 1003M
宇多津(0932)→阿波池田(1018) 33D
阿波池田(1125)→徳島(1236) 4006D
徳島(1357)→鳴門(1432) 4964D
鳴門(1442)→徳島(1515) 4069D
徳島(1528)→高松(1632) 3020D

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