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2015年1月 1日 (木)

2014年の打ち上げ

さて、今年も早いもので残りわずか364日と半日を切りました。

例年のごとく、年明け最初の更新は昨年の打ち上げのまとめを。まずは先月の分から。

3日 04.22.04GMT 種子島/H-IIA (はやぶさ 2 他)
5日 12.05GMT    ケープカナベラル/デルタ IV Heavy (Orion)
6日 20.40.07GMT クールー/アリアン 5 (GSAT 16, DirecTV 14)
7日 03.26.04GMT 太原/長征4B (CBERS 4)
10日 19.33.03GMT 酒泉/長征4C (遙感-25)
13日 03.19GMT    バンデンバーグ/アトラス 5 (NROL-35)
15日 00.16GMT    バイコヌール/プロトン M (Yamal 401)
18日 18.37GMT    クールー/ソユーズ2.1b (O3b x4)
19日 04.43.33GMT バイコヌール/ストレラ (Kondor E1)
23日 05.57.25GMT プレセツク/アンガラ (テスト機)
25日 03.01GMT    プレセツク/ソユーズ2.1b (Lotos S)
26日 18.55.50GMT バイコヌール/ソユーズ2.1b (Resurs P2)
27日 03.22.04GMT 太原/長征4B (遙感-26)
27日 21.37.49GMT バイコヌール/プロトンM (ASTRA 2G)
31日 01.02.04GMT 西昌/長征3A (風雲 2-08)

先月は15件とかなり多い。
ロシア6、中国4、アメリカ2、ヨーロッパ2、日本1、ということだが、使用ロケットの観点で見るとロシア7、ヨーロッパ1となる(仏領ギニアから打ち上げられたソユーズ)。だんだん国別の分類が面倒になる。

注目は、アンガラロケットの初めての軌道打ち上げ。7月に軌道に乗らないレベルの打ち上げテストが成功していたが、ついに軌道への打ち上げが成功した。
今回打ち上げに成功したアンガラA5は、RD-191エンジンを1基積んだ URM-1 (Universal Rocket Module) を5本束にした構成を1段目としている。考え方としては、アメリカの Delta IV ロケットの RS-68 エンジンを搭載した CBC (Common Booster Core) を連想させるが、さらにさかのぼると RD-107/108 シリーズを1段目とブースターに共通して採用したソユーズ系ロケットに行き着く。なお、アメリカの Atlas V では CCB (Common Core Booster) としてロシア製の RD-180 を使ったブースターを使用しているが、これを束ねた Atlas V Heavy の計画はキャンセルされ、これまでのところ常に単独で使用されていてモジュール化によって容易にスケールアップできるというメリットを生かしていない。
旧ソ連崩壊後、ロシアでは不要になったICBMを使って安価に衛星を打ち上げるというビジネスが展開されるようになったが、余剰のICBMもいずれは底をつくし、もともと軌道打ち上げ用に開発されたものではないので能力も高くないし運用面でもいろいろ問題があったらしい。こうした需要を置き換えることを狙って開発されたものなので、それほど大きな能力は求められていないが、パワフルな RD-191 の恩恵をうけて単発の 1.2pp でも地球低軌道に 3.8 トン、5本がけの A5 では地球低軌道に 24.5 トン、静止トランスファー軌道に 5.4 トンの打ち上げ能力があるとされている。能力的にはソユーズはおろかプロトンでさえも代替できるだけのキャパシティがあるので、テストがうまくいけばロシアの打ち上げ業界に大きな影響があるだろう。であるからこそ、20年以上もかけてしぶとく開発をつづけてきたわけだが。

もうひとつ、ここには載せていないが 18日にインドが GSLV Mk.3 の打ち上げテストを行なった(弾道飛行)。これまでの GSLV に比べると上段が強化されている。軌道への打ち上げは2016/17年を予定している。

ああ、そういえば「はやぶさ2」も「オリオン」も先月でした。

Orbital Launch Chronology

では昨年の打ち上げのまとめを。
全体で92件(うち失敗2、有人3)。これは 1994年に94件を記録して以来の多さで、20年ぶりの90件台となる。最後に100件を越えたのは1990年の121件。1970年代から80年代には毎年120-130件前後の打ち上げがコンスタントに行われていたが、90年代以降はどんどん減って、2005年には53件まで減っていた。それからやや上昇に転じ、2012年は76、2013年は81、そして昨年は92と来ている。
原因を考察する前に、まず昨年の打ち上げの傾向を見てみよう。

国別。

1. ロシア (37、有人 3、失敗 1)
2. アメリカ (23、失敗 1)
3. 中国 (16)
4. ヨーロッパ (7)
5. 日本 (4)
5. インド (4)
7. イスラエル (1)

ロシアは不動の1位だが、アメリカが2位に返り咲いた。アメリカの打ち上げ数が増えている要因は、ロケットシリーズ別の打ち上げ数を見るとわかる。

1. ソユーズ (22、有人 3)
2. 長征 (15)
3. アトラス (9)
4. プロトン (8、失敗 1)
5. アリアン (6)
5. ファルコン (6)
7. デルタ (5)
8. H-II (4)
8. SLV (4)
10. アンタレス (3、失敗 1)
11. ドニエプル (2)
11. ロコット (2)
13. アンガラ (1)
13. 快舟 (1)
13. シャビット (1)
13. ストレラ (1)
13. ヴェガ (1)
13. ゼニット (1)

アトラス、デルタといったなじみ深いロケットによる打ち上げは合計で14件で、これだけだと中国の16件に届かない。アメリカの打ち上げ数を押し上げているのはCOTSのファルコン、アンタレス(10月に派手な爆発を起こして話題になったが)だ。

他に気になったのは、日本の H-II が年4回の打ち上げと多いこと(2006年以来)。それから、ゼニットの打ち上げがわずか1件であること。Sea Launch / Land Launch のビジネスが低調なのは気にかかる。

昨年のロケットに関するニュースで今年以降に影響しそうなのはロシア製ロケットエンジンの供給問題。ウクライナ情勢をめぐって米ロの関係がぎくしゃくする中、5月にロシア政府は「ロシア製エンジンによるアメリカの軍事衛星打ち上げを禁止する」と発表した。
アメリカの政府調達衛星(その多くは軍事衛星)の多くはアトラスで打ち上げられているわけだが、アトラス V はロシア製の RD-180 エンジンを使用している。実際には、まだしばらく在庫があるのですぐに影響することはなさそうだが、アメリカでは RD-180 にかわる新しいエンジンの開発を模索しているようだ。

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