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2015年4月24日 (金)

セール品

今月の「軍事研究」誌で次期 DE についての記事が書かれていた。それによると現用の DE 「あぶくま級」は対潜ヘリ運用能力がなく、より古い「はつゆき級」DD に比べて戦術的な価値が少ない、という。実に同感である。
これまで海幕が次期 DE の雛形として考えてきた米海軍の LCS (Littoral Combat Ship) は失敗作であることが明らかとなり、かつては相当数を量産する計画であったのがかなりトーンダウンして重点は「アーレイ・バーク級」イージス駆逐艦の建造継続に移っている。その結果、「アーレイ・バーク級」は平時としては異例の100隻を超える数が建造されることが確定している。言い換えれば新型艦艇の開発がうまくいっていないということだ。次期主力水上艦として計画された「ズムワルト級」駆逐艦は野心的な意欲作だが結局3隻で建造は打ち切られた。
米海軍に利用できるモデルがないとすると、独自開発するかあるいは別の国にモデルを求めるしかない。しかしそもそも、今後の日本に DE が必要かという議論も生じてこよう。実際、現在日本が保有する護衛艦は63隻になるがそのうち DE は6隻でしかない。沿岸警備に特化して能力の乏しい DE は不要という判断もあり得るだろう。「軍事研究」記事の著者は今後の海外警備任務の増加を見込んでフランスの OPV (Offshore Patrol Vessel 遠洋哨戒艦) のコンセプトにのっとった艦艇の整備を提案している。ただし本家の OPV は小型に過ぎるので性格をそのままに航洋性を確保できるよう大型化する。主兵装は対潜ヘリあるいは汎用ヘリの運用能力と、同じく汎用兵器としての主砲。さらに小型ボートや掃海具などを容易に展開揚収するためのスロープまたはウェルデッキだ。この目的からすると、LCS のうち三胴船形を採用した「インデペンデンス級」は適していると言えるのだが耐久性に乏しいアルミ合金を船体構造に採用した点がネックとなる。鋼製で充分な航洋性能をもつ大きさの三胴船形が可能であれば(構造的に無理ということであるならそもそもこの構想が成り立たない)、広い後甲板にヘリの飛行甲板とボートなどの運用スペースを設け、前甲板には適当な砲を装備する。個艦防御は CIWS または RAM 程度とする。VLS を装備する余地があるなら SSM や VLA を搭載してもいいだろう。コストが削減できるからと LCS で採用されたミッションモジュールシステムは実際にはコストを押し上げる方向に働いておりもはや採用する理由はない。優先順位をつけて必要な装備を適切に搭載すべきであり小細工を弄する必要はなかろう。
三十一はこれが最適解であると信じるが、日本の官僚が常に最も合理的で最も適切な選択を行なっているわけではないことは多くの事例が証明しておりとても楽観するつもりにはなれない。要注目。

さて「軍事研究」の記事の中で著者が高く評価していた「はつゆき級」だが、ここ数年で急速に数を減らし絶滅も秒読みだ。1980年代前半に12隻が量産された「はつゆき級」もすでに半数が除籍され艦籍を残すのは半数の6隻。さらにそのうちの半数の3隻が練習艦に移籍されているので護衛艦として現役にあるのは3隻だ。一部延命措置もとられているがおそらくそう遠くない将来に全艦が鬼籍に入ることだろう。「はつゆき級」が続々と就役していた1980年代はちょうど三十一が「世界の艦船」誌を購読し始めたころで当時の最新鋭艦である「はつゆき級」の印象は強く残っている。その「はつゆき級」が姿を消しつつあるのは個人的にはすごく寂しい。「ステルス何それ美味しいの」な時代に計画され、いまとなってはさすがに最新鋭とは言いづらいが、少なくとも搭載している兵器類はまだ充分現役で通用する。そこで思ったのだが、武器輸出も解禁された今日、「はつゆき級」や今後更新が想定される「あさぎり級」を中古で購入する国はないだろうか。政治的に障害の少ない中南米あたりに2隻くらいずつ売り込めば買ってくれるところはありそうだ。東南アジア(フィリピンとか)も有望だが南シナ海を挟んで対立している中国が反発するかもしれないのでやめといたほうが無難かもしれない。相手にもよるが、「はつゆき級」の主要兵装は西側標準のものを取り揃えているのでわざわざ外す必要はなさそうだ。ただし、電子装備の一部は撤去する必要があるだろう。
もともと海上自衛隊ではまだまだ使えるフネを償却年数にしたがって機械的に廃棄していくというじつにモッタイナイことを長年続けてきているが、他国を見ると40年50年と使い続けるケースは珍しくない。中古艦の売却は直接には国内産業に寄与しないが、最新鋭ではなくなったがまだ充分価値の残っているフネをより有効に活用できる環境(国)に移すことで更新のサイクルを早めることができる。上記のように日本では償却期間がすぎると機械的に廃棄しているが、逆に簿価が残っているかぎりは軍事的な価値とは無関係に後生大事に保有し続けてきた。文房具や備品じゃあるまいし、いつまでこんな殿様商売を続けているのか。

「おやしお級」潜水艦はモノはいいが、この種の大型潜水艦をほしがる国はどれくらいあるだろう。ニーズに合わない。もっとも日本の側でも艦齢延長して22隻体制にしようとしているから、そうむやみに売りさばくというわけにもいくまい(そのわりに昨年度末に1隻除籍しているが)。
海上自衛隊が大量保有している木造掃海艇も多分買い手はいないだろう。木造なので長持ちしないし。
むしろ「はたかぜ級」は買い手がありそうな。イージス搭載艦ではないのだが、そこまでの必要はないけれどもという国はあるだろう。中小海軍国の旗艦候補としてバラ売りということも考えられる。

いくらかなりとも出資している身ではあるので、このくらいのことは言ってもいいだろう。ちゃんと選挙にも行ってるよ。

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2015年4月 2日 (木)

河内と大和の国境には

金剛山地があるのです。

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手前は大きさを比較するための「陽炎」。甲型駆逐艦の代表としてある種の基準になり得るだろうと思って、今後は基本的に画面に含めることにする。化石の横にハンマーを並べるとか、地層の写真に人間を写り込ませるとか、そういうのと同じ方法論だ。

ウォーターラインの金剛級はもともとフジミから出ていたが、フジミの脱退後はハセガワがその穴を埋めることになった。フジミは独自に金剛級を販売しているが、かつてのウォーターラインのものとは別物である。
当然、三十一はかつてのフジミによる金剛級のウォーターラインを製作したことがある。榛名だったかなあ。比叡でないことだけは間違いない。そのときの印象としてはそれほど悪くなかったと思う。飛びぬけてよいわけでもなく、普通だったということだ。ただ三十一は何を勘違いしたのか甲板をリノリウム色(ミスターカラー43番)で塗り尽くしてしまった。今から考えるとかなり奇妙な出来上がりになっていただろう。

さてではハセガワの手になる金剛級を作ってみた感想はというと、これまた普通。
ウォーターラインから出ている日本の戦艦は気づけばほとんどすべてリニューアルされていて、フジミ脱退時にまでさかのぼる金剛級は結果として戦艦の中ではもっとも古いキットになってしまった。だが別に悪いキットなわけではない。戦艦の存在意義ともいえる主砲塔なんかはなかなか秀逸な出来と評価できるだろう。ところどころバリが出ていたり、押しピン跡が見えたり、一部パーツの合いが悪いところがあったりするなど問題がないわけではないが、全体的には作りやすいキットだ。製作中に一番困ったのは、同型艦で船体パーツが共通になっているためだろう、甲板の裏側からドリルで何箇所か穴を開けるよう指示があるのだが、艦底を接着してしまってから穴を開け忘れていた個所があることに気づき、一瞬途方に暮れた。しかし完成後はどうせ見えなくなってしまう部分なので、小さい径のドリルで探りながら穴を開けていけばいずれは正解にたどりつくだろうと適当にあたりをつけて表側から穴をあけたら首尾よく探り当てられたようだ。これもキットの問題じゃなくて自分の問題だ。

さて、ひとつ完成してしまうとまた次に何を作るかで悩む日々が始まる。何かルールなり仕組みなりを考えないといけないかもしれない。

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2015年4月 1日 (水)

2015年3月の打ち上げ

3月は11件。そのうち大半が最後の一週間に固まっている。
特に25日から28日は4日間で6件とかため打ちだ。
全体の内訳はロシア4、アメリカ3、中国1、インド1、日本1、ヨーロッパ1。

2日 03.50GMT ケープカナベラル/ファルコン9 (ABS 3A, Eutelsat 115)
13日 03.44GMT ケープカナベラル/アトラスV (MMS x 4)
18日 22.05GMT バイコヌール/プロトン (Ekspress AM7)
25日 18.36GMT ケープカナベラル/デルタIV (GPS 2F-9)
25日 22.08.46GMT ドンバロフスキ/ドニエプル (Kompsat 3A)
26日 01.21GMT 種子島/H-IIA (光学情報収集衛星)
27日 19.42.57GMT バイコヌール/ソユーズ (Soyuz TMA-16M) - 有人
27日 21.46.18GMT クールー/ソユーズ (Galileo x 2)
28日 11.49GMT スリハリコタ/PSLV (IRNSS 1D)
30日 13.52GT 西昌/長征3C (北斗)
31日 13.47.56GMT プレセツク/ロコット (Gonets x 3)

Orbital Launch Chronology

なじみ深い実用衛星の名前が並ぶ中で目新しくしかも実用目的でない衛星が MMS だ。MMS は Magnetospheric Multiscale の略だそうである。Magnetospheric とは「磁気圏」という意味だが、日本はかつて「じきけん」というそのものずばりの名前をつけられた衛星を打ち上げたこともある。
MMS の説明を英語で読んでみたが「よくわからない」ということがわかっただけだった。某日本語サイトでは説明は省略してしまっている。三十一もそれにならうこととしよう。

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