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2015年7月15日 (水)

「海軍戦略家キングと太平洋戦争」


三十一にとってキングと言えばスティーブン・キングでもマーチン・ルーサー・キングでもなくまずこのアーネスト・キングである。

「出て来いニミッツ、マッカーサー」という歌があったらしいが、日本人にとって当時も今も太平洋戦争を指揮したアメリカ海軍軍人といえばまずニミッツであり、次いでハルゼー、スプルーアンスといったところか。しかしキングを挙げる人はほとんどいない。

キングは開戦時に合衆国艦隊司令長官でまもなく海軍作戦部長を兼ね、戦争中ずっとこの職にとどまった。陸軍参謀総長のマーシャルと並んでアメリカの戦争計画を指導した。極論してしまえば日本はキングに負けたのだ。

アメリカでは陸軍参謀総長(マーシャル)、海軍作戦部長(キング)、陸軍航空隊総司令官(アーノルド)と大統領幕僚長(リーヒ)からなる統合参謀本部が合議してルーズベルト大統領に助言し、大統領が決定するという仕組みが確立していた。責任は明確である。
しかし日本ではこうした最終責任者はいない。天皇は統治権の総覧者であるが責任は輔弼者が負うことになっている。陸軍の作戦については参謀総長が、海軍の作戦については軍令部総長が、陸軍の兵力整備に関しては陸軍大臣が、海軍の兵力整備については海軍大臣が、そして政務全般については内閣総理大臣が輔弼にあたった。しかし内閣総理大臣も閣内各大臣への指揮権はなく、各大臣はそれぞれの職務に関して天皇を補弼した。

責任者が何人いることやら。

こうした体制で何か決めようとしても合議がまとまるはずもなく、玉虫色の結論になるか結論を先送りにするのが関の山だ。
しかしこれは体制の問題だろうか。かつてに比べるとだいぶ責任が明確になった現在の体制でも同じような結果になっていることが多いように思う。結局のところ、日本人が自分たちの肌に合う体制を選んだのだろう。現在の体制はアメリカの影響が大きい。それも占領期が済んでからだいぶ骨抜きにされたが。

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