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2015年9月27日 (日)

潜水艦に命名するには字足らず。

かつて 16DDH が計画されたころ、艦名として「ひりゅう」が選ばれるんじゃないかと言われていた。かつて活躍した空母にちなんで、ということだろう。活躍したというなら「ずいかく」のほうが活躍しただろうが平仮名にしてしまうとあまり字面が良くない。
実際には、16DDH は「ひゅうが」と命名され、ほぼ同時に建造された 16SS に「~りゅう」と命名されるようになった。ただし今のところ同型艦には「そうりゅう」「うんりゅう」「はくりゅう」「けんりゅう」「ずいりゅう」「こくりゅう」「じんりゅう」と来ていて、「ひりゅう」は選ばれていない。

というわけで今回は「飛龍」なのだが写真はない。理由はあとで。

ウォーターラインの「飛龍」はアオシマの担当なのだが、リニューアル前はちょっと不思議な製品だった。特に不思議だったのは、飛行甲板のモールドが木甲板ではなく砂目模様になっていたこと。ラテックス張りじゃあるまいし、戦前に建造された日本空母でそれはあり得ない。

今の製品はリニューアルされてそうした一見不思議なところは直され、全体のプロポーションも良く、丁寧に作ればきちんと仕上がる。

ただし、アオシマのキットを作るたびに思うのだが、特にタミヤと比べて細かいところが行き届いておらず、どうしても作りにくい印象が残ってしまう。
「飛龍」のキットでまず気づくのは、船底板が分離されておらず船体と一体化していること。これはこれで作りやすいと考えたのかもしれないが、水線部分を艦底色で塗るためにはマスキングをしなければいけない。目をつぶって軍艦色で塗りつぶしてしまうという方法もあるだろうが、ほかの模型と並べてみたときにバランスが悪い。これが意外に面倒なのである。
それから、これは「飛龍」に限らずアオシマのキットに言えることだがゲートが太くて多くて切りづらいところについている。よほど慎重に切らないと変なところに力がかかってパーツが破損してしまうようなところにゲートがあることが多い。上手に切断してきれいに処理をすればいいことではあるが、こうしたちょっとしたことが意外に初心者には難しい。
ゲートは単にランナーとパーツをつなげているだけではなく、成形材が流れている経路だということはもちろんわかっている。金型の隅々まで成形材を行き渡らせるためにはあの太さと数と配置が必要だ、ということなのだろうがタミヤやハセガワと比べると太すぎるし多すぎる。同じシリーズなんだからどうしても比べちゃうよね。

しかし前回から完成まで二ヶ月かかったのはそのせいではない。
今回は空母、ということで飛行甲板の塗装が済んだらデカールを貼るのだが、そのデカール貼りを始めるまで二ヶ月かかったのだ。スプレーから筆塗りに入るところと、デカール貼りを始めるところに三十一が意識していない謎の壁があってどうしても次に進めない。いや、ほかにやることもあるんだよ。ほかにやることもあるから、気がすすまない作業はついつい後回しになってしまうのです。

しかし「このままではいけない」と思い切ってシルバーウィークの間に一念発起してデカールを貼り、どうにか貼り終えたところでその上から塗るトップコートは切れていることに気がついた。とりあえず後回しにして組み立てを完了させ、その間に入手しておいたトップコート(つや消し)を全体にスプレーしてあとは乾けば完成、というところに二ヶ月以上かけてようやくこぎつけた。

しばらくベランダに出しておいて、「そろそろ乾いたかな」と見てみて愕然。
「デカールの上から塗れます」とうたっている水性トップコートを使っていたのに、デカールがボロボロに劣化して見る影もない。新品だったせいか必要以上にたっぷり吹いてしまって溶剤に冒されたらしい。どうにか修復できないかとしばらく悩んでみたがどうしようもなさそうだ。デカールを全部きれいに落として手で塗るか、あるいはデカールを部品請求してやりなおすか、という方法が考えられるのだが、そこまでするんならもうひとつ買って作り直したほうがいいだろう。というより、あまりにショックだったので今の時点でどうにかする気になれない。これはこれでいったん締めて、いずれその気になったらまた作ろう。

というわけで「飛龍」はいったん終了。次の制作に移る。
次の建造艦は決まっている。以前、「何か仕組みを考えたほうがいいだろうか」と書いたが、その「仕組み」を作ったのだ。入手済みのキットのリストを作って、ランダムに並べ替えて出力する、という仕組みだ。仕組み自体よりもリストを入力するほうが大変だった(700分の1スケールの艦船模型だけで200以上あった)。この結果はあくまで参考で必ず従わなくてはいけないものではないが、「どっちにしようかな」というときにこうした仕組みで順位を決めてくれる、というのは気分的にかなり楽になった。

アオシマではなくフジミの「飛龍」を買ってきました。いつ手をつけるかはサイコロのみぞ知る。

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2015年9月23日 (水)

せんそーはんたい

先週の金曜の夜にいわゆる「安保法制」が国会を通過して成立した。

三十一の集団安全保障に関する意見はこれまでもしばしば言及してきたので、ここでは繰り返さない。

防衛力の"増量"反対
ひとりはみんなのために
ちからを合わせて
60年目の「他衛隊」
キミの仕事、ボクの仕事
いつか来た道

ついでにこんなのも。

ちょーへいせい

三十一は、この会期中に是非成立させるべきだと考えていたのでよかったと思う。
「立法事実がない」(必要性がない)とする意見があるけれど、そういう人は「これまで津波が来なかったから」と言って対策をしてこなかった原発関係者を非難する資格がないのだということに何故気づかないのだろう。こうした意見を主張する人の中に元防衛官僚がいるという現実は寒心に堪えない。

「議論が深まっていない」という批判は一理あるが、本来は冷戦終結後の20年前に議論しておくべき問題を今頃になって議論し始めているという危機感に乏しい。欧米では冷戦終結をうけてほぼ90年代の間に安全保障政策を大きく転換してきた。日本では13個師団2個混成団の地上戦力を9個師団6個旅団に改編したくらいで15個の戦略単位という基本構成は変わらない。

民主主義の観点からはこうした重要な政策については時間をかけて議論して国民的な合意を得るべき、と考えるのだがしかし日本の現実からは今国会で成立させるのはやむを得ない、という忸怩たる思いがある。すでにして議論の主題が世界の情勢に比べて二周遅れになってしまっている上、賛否両派の論点が乖離しすぎていてこの先どれほど時間をかけたとしても共通の結論にいたる見込みがない。この際は多少強引でも法案を成立させて今後の議論の共通のベースを設定して、神学論争ではなく具体的な議論を始める基礎ができることを期待する。

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2015年9月17日 (木)

「特攻-戦争と日本人」


読み終えて思ったのは、「入門書だなこりゃ」。

正直新しい情報がほとんどない。一部、著者が独自にインタビューした様子などが記述されているけど、そこから何か新しい発見があるかと言えばそれもない。
通説を寄せ集めてまとめた、という印象が残った。この厚さ(薄さ)によくまとめた、というところだけは評価する。なので「入門書」なのだよ。

しかし、「入門書」のわりには基本的なミスが目についた。
特にごく初めのほうで、真珠湾攻撃に参加した甲標的の乗員のうち、岩佐直治大尉を「佐直治大尉」と「岩」が欠けた形になっていたのは単純なミスあるいは誤植として許容もできるが、「捕虜第一号」として知られる酒巻少尉をずっと「坂巻少尉」と表記しているのは許容できない。これが6ページ目なのである。しょっぱなに出鼻をくじかれた感があった。

そのまた少し先、
『米軍と違い、日本に「空軍」はなかった。陸海軍がそれぞれ航空隊を持っていた。』
とあるけれども、米軍で「空軍」が独立したのは戦後の1947年である。それまでは
『米軍に「空軍」はなかった。陸海軍がそれぞれ航空隊を持っていた。』
三十一にはどこが「米軍と違う」のかわからない。

それから違和感を憶えたのは次の記述。

・・・昭和天皇は「昨日のレイテ湾における陸軍特別攻撃隊万朶隊による戦果等を御嘉賞になる」と述べた。天皇はやはり特攻を「御嘉賞」、ほめ讃えていたのだ。(略)・・・天皇は喜んだ。

まず著者は天皇の「御嘉賞」を文字通り「喜んだ」と解釈しているがそれはナイーブにすぎる。天皇や皇族に対する当時のこうした表現はかなり割り引いて考える必要がある。普通にしていれば「ご機嫌殊の外麗しく」と報じられる。宮中で「ご不満」というのは実際には「激怒」にあたる言葉だそうである。「御嘉賞」というのは実際には「戦果があったのはよかった」くらいでしかなかった可能性が高い。
また、身を捨てて戦果を挙げた前線の兵士に対して天皇がとれる態度として「御嘉賞」以外の何があり得ただろう。

全体に思わせぶりな記述が多く、「何が言いたいんだ」と首をかしげることがしばしばだった。まあ、「何が言いたい」のかはなんとなくわかるのだが、それをそうと書かないところがもどかしい。

この感想を書くために改めて著者プロフィールを見てみて納得。
本職は新聞記者だ。しかも毎日新聞。

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2015年9月 2日 (水)

2015年8月の打ち上げ

8月の打ち上げは5件。ロシア、中国、ヨーロッパ、インド、日本が各1件。

19日 11.50.49GMT 種子島、H-IIB (HTV-5)
20日 20.34GMT クールー、アリアン5 (Intelsat, Eutelsat)
27日 02.34GMT 太原、長征4C (遙感)
27日 11.22GMT スリハリコタ、GSLV (GSAT)
28日 11.44GMT バイコヌール、プロトン (Inmarsat)

Orbital Launch Chronology

今月は初モノはなし。打ち上げロケットもペイロードも既存のシリーズものである。
話題に乏しい中で強いてとりあげるなら、インドが1年半ぶりに GSLV を打ち上げたこと。
2010年に二回連続で打ち上げに失敗し、その後しばらく打ち上げが途絶えていたが昨年1月に3年ぶりで打ち上げして成功。さらに1年半あけて今回の打ち上げで再度成功。
インドはしばらくのあいだ PSLV 一本でやってきていたが、GSLV もこれからぼつぼつ復活するのかな。

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