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2015年10月 8日 (木)

2015年9月の打ち上げ

9月の終わりから10月初めにかけて、仕事が忙しかったりプライベートでもイベントがあったりして延び延びになってしまいました。
こういう場合、普通は「公私ともに多忙で」とか書くんだろうが、考えてみたら「仕事」もプライベートだよなあ。「公」じゃないよね。三十一は公務員じゃなくて私企業の従業員にすぎない。なので「公私ともに」とは書かないようにする。

閑話休題。
9月の打ち上げは一挙に12件。中国が5、ロシア3、ヨーロッパ2、アメリカ1、インド1。

2日 04.37.43GMT バイコヌール/ソユーズ (Soyuz TMA-18M) 有人
2日 10.18GMT ケープ・カナベラル/アトラス V (MUOS 4)
11日 02.08.10GMT クールー/ソユーズ (Galileo x 2)
12日 15.42GMT 西昌/長征3B (通信試験衛星)
14日 04.42GMT 酒泉/長征2D (高分9)
14日 19.00GMT バイコヌール/プロトン (Ekspress AM-8)
19日 23.01GMT 太原/長征6 (PhoneSat 他)
23日 22.00GMT プレセツク/ロコット (Strela-3M x 3)
25日 01.41GMT 酒泉/長征11 (PJ-1 他)
28日 04.30GMT スリハリコタ/PSLV (Astrosat 他)
29日 23.13GMT 西昌/長征3B (北斗 I2-S)
30日 20.30GMT クールー/アリアン 5 (Sky Muster, ARSAT 2)

数の上でも中国が目立つが、内容でも中国は目立っている。
19日の長征6と、25日の長征11はいずれも新型だ。

現在まで長征シリーズは長征2、3、4 とシリーズが作られてきたがいずれも同じ発展系列上にある。いわば兄弟分だ。だが長征6は新開発のエンジンを搭載したもので、これまでの長征シリーズとは一線を画したまったくの新型になる。長征6 の一段目のエンジンは YF100 と呼ばれるがケロシン/液体酸素を推進剤とする酸素リッチ二段燃焼サイクル・エンジンだ。この形式のエンジンはロシアにいくつか先例があるが一段目エンジンとしては西側では例がない。YF100 はロシアでゼニット・ロケットの二段目に使われている RD-120 を参照して製造されたと言われるが、そうそう一朝一夕にコピーできる代物ではない。また RD-120 と比べると推力が大きくなっておりデッドコピーではないことは明らかだ。これまでの長征シリーズは、技術的にはそれほど見るべきものはなかったが、この長征6 では技術的に大きな飛躍を遂げている。今後同じ系列でサイズの異なる長征5 や長征7 の打ち上げが見込まれている。

いっぽうの長征11は、比較的小型で最上段を除いた全段が固体燃料エンジンになっている。固体燃料ロケットは、液体燃料とはまた違ったノウハウが必要で、中国のロケット開発の裾野が大きく広がっていることをうかがわせる。小型ではあるが固体燃料だけあって即応性が期待でき、緊急に打ち上げの必要が生じたときに(比較的小型のペイロードに限られるが)タイムラグの短縮が期待できるだろう。今後商用打ち上げに充当されるかどうかはわからないが、商用の場合でもリードタイムの短縮は魅力だ。

Orbital Launch Chronology

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