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2015年11月20日 (金)

2015年12月の桜

12月1日付の人事異動が発表になった。まだ10日以上あるので何でか随分手回しがいいなあと思ったのだが何か事情があるのだろうか。

今回の将の異動は空2、海1でそれほど規模は大きくないが空幕長の交代があった。

(空)
齊藤治和 (B22) 空幕長 -> 退職
杉山良行 (B24) 空総隊司令官 -> 空幕長
福江広明 (B25) 空支団司令官 -> 空総隊司令官
小城真一 (B26) 装庁装備官 -> 空支団司令官
橋本尚典 (B27) 空幕装計部長 (MG) -> 装庁装備官

半澤隆彦 (B24) 空教団司令官 -> 退職
森本哲生 (B25) 空幕副長 -> 空教団司令官
丸茂吉成 (B27) 西空司令官 -> 空幕副長
山田真史 (B28) 空幕運支部長 (MG) -> 西空司令官

(海)
井上力 (B24) 横総監 -> 退職
堂下哲郎 (B26) 舞総監 -> 横総監
菊地聡 (B28) 海幕総務部長 (RA) -> 舞総監

以前、候補としては24期の杉山・半澤両空将のどちらか、と言っていたので的中した。しかしあたったとしても、想定される範囲の予想をすべて挙げてるだけなので自慢にならない。サイコロを振ったら奇数の目か偶数の目のどっちかが出るでしょう、と言ってるようなものだ。

海のほうでは、横須賀総監の井上海将が勇退したのでこれで24期生がいなくなり、次の海幕長は25期生の中から出ることが確定した。具体的には呉総監の池田徳宏海将、自衛艦隊司令官の重岡康弘海将、海幕副長の村川豊海将の3名の誰か、ということになる。この際なので単勝一点買いで予想してみよう。部外者の三十一はそれぞれの人物をまったく知らないので判断材料は経歴だけ。将補以降の略歴を掲げる。

池田海将
06年 将補、第1護衛隊群司令。
07年 統幕指揮通信システム部長。
09年 大湊総監部幕僚長。
10年 海幕防衛部長。
12年 将、護衛艦隊司令官。
14年 佐世保総監。
15年 呉総監(現職)。

重岡海将
06年 将補、第2航空群司令。
08年 海幕総務部長。
09年 防衛監察本部監察官。
11年 佐世保総監部幕僚長。
12年 将、航空集団司令官。
14年 海幕副長。
15年 自衛艦隊司令官(現職)。

村川海将
08年 将補、海幕総務部副部長。
09年 阪神基地隊司令。
10年 第4術科学校長。
11年 海幕人事教育部長。
13年 将、補給本部長。
15年 海幕副長(現職)。

遺憾ながら村川海将の経歴は池田・重岡両海将に比べるとやや見劣りする。昇進も少し遅れている。ここで二人に絞ろう。

両海将の経歴は甲乙つけがたい。池田海将は防衛畑、重岡海将は管理畑の色が感じられるがそれほど極端なものではないし、どちらが有利というものでもない。厳密に言うと将への昇進が同じ2012年の中で半年ほど池田海将のほうが早い(7月26日 対 12月4日)がこれがどれくらい影響するものかはわからない。多少は影響するかもしれないが決定的なものではないように思う。
明らかにわかる違いとしては、池田海将は船乗りで重岡海将は飛行機乗りだということだ。海自では飛行機乗りより船乗りのほうが偉い、というわけではないがやはり船乗りのほうが所帯が大きいだけあって歴代の幕僚長にも船乗りが多い。最近では3代前の赤星幕僚長が飛行機乗りの出身になる。

では現在の職は何か影響するか、と考えて歴代の呉総監を見てみたところ、なんと呉総監から海幕長になった例はひとつもない、という事実が発覚した。つまり池田海将は絶望か、というと実はそういうわけでもなく、前職である佐世保総監からの海幕長は意外に例が多いのである。キャリアパスがある程度できあがったであろう1970年代以降で数えてみると、6名の佐世保総監が海幕長に転じている。この数は自衛艦隊司令官から海幕長になった例と同じなのだ。こうしてみるとこれまでの事例からは、佐世保総監と自衛艦隊司令官のどちらが有利とも言えない。ところで呉総監と佐世保総監は、キャリア上は実質的にほぼ同レベルと考えていいだろう。呉から佐世保、佐世保から呉という異動の事例が非常に少ないことからもそれが伺える。地方総監としては大湊と舞鶴が一番下、次に呉と佐世保が来て、横須賀がひとつ抜けているという形になる。ほぼ同格の呉と佐世保で海幕長への事例の数に大差があるのはめぐり合わせだろうか。呉総監から自衛艦隊司令官になった数と、佐世保総監から自衛艦隊司令官になった数には大差がない(呉7、佐世保6)。

そろそろ結論に移ろう。
三十一の予想は呉総監の池田海将。
今の海自で、頂点のポストといえば海上幕僚長と自衛艦隊司令官と横須賀地方総監の3つだ。この3つを並べてみるともちろん海幕長が頭ひとつ出ているが、幹部海上自衛官としてこの3つのうちひとつでも勤めれば「充分だろう」と言われても仕方がない。上のほうで同じ人物がこれらのポストを「たらいまわし」にしていたら下から「後がつかえる」と不満が出かねない。こうした事情で自衛艦隊から海幕長という事例が意外に少ないのかもしれない。

所詮、部外者のたわごとに過ぎないのであまり真に受けないように。海幕長の交代は来年の夏頃だろうか。鬼が笑うような話だ。

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2015年11月17日 (火)

アイドリングストップ

ブランドと偶像

三十一がひそかに注目しているアイドルが何組かあるが、あえて名前は挙げない。ここで名前を挙げてしまうとあたかもマイノリティを宿命づけられたようであまりに不憫だからです。万一奇跡が起こって晴れてマジョリティになれる日が来たらそのときにカミングアウトすることにしよう。

どうやら三十一がカミングアウトする時が来たようだ。
しかし残念ながらそのときの想定と違ってマジョリティになったわけではない。

タイトルで見当のついた人もいるかもしれないが、この10月一杯で「全員卒業」という形で活動を終了したアイドルグループがある。

アイドリング!!!」だ。

小説でもドラマでもアニメでもマンガでも、三十一が好む物語の共通点は登場人物のキャラが立っていることだ。メンバーが特別かわいいわけでもなく、スタイルがいいわけでもなく、歌がうまいわけでもなく、ダンスが上手なわけでもなく、そろって若いわけでもないこのグループの(三十一にとっての)売りは、MCのバカリズムが引き出したそれぞれのメンバーのキャラクターだった。ドッキリを仕掛けられたり、相撲をとったり、罰ゲームをやらされているときに垣間見えるひとりひとりのキャラクターがリアルで面白かった。それが本当に「リアル」だったかどうかは一般人たる三十一には確かめようがないことだが、演出があったとしても気づかれないかぎりはどっちでもいいことだ。

活動終了はすでに4月に発表されていて、もう終わりが決まっているせいか最後のほうはかなりぶっちゃけた話も出るようになった。それによると「アイドリング!!!」のファンは2~3千人しかいなくてその中で「推し変」が繰り返されているだけだったという。「総選挙」に何万人も動員するどこかのグループとは大違いだ。しかしそれでも簇生するアイドルグループたちの中では動員力はあるほうだったろう。以前にも指摘したように

少数のコアなファンをあてにして(CD、イベント、グッズ、ファンクラブ会費など)堅実な商売を続けるのもひとつの方法論だろう。

というやり方を続けていくことも可能だったはずだ。
しかし「アイドリング!!!」の特異な点はプロデュースがテレビ局だったということだ。冠番組を放送するとか、イベントを主催するという点では有利に働いたかもしれない。当初のメディア露出という点でも有効だ。しかしテレビ局の本業はタレントをプロデュースすることではなく番組を放送することだ。上記のような方法でテレビに頼らずに活動を継続していくという選択肢はとれなかった。番組の打ち切りとグループの活動終了は連動せざるを得なかった。
もうひとつ、やはりテレビ局のスタッフは番組を作ることが本業でタレントのプロデュースではない。そこには自ずから違うノウハウがあるはずだが、番組のプロデューサーが結果としてグループのプロデューサーを兼ねるような形になった。秋元康とかつんくに匹敵するプロデューサーを雇えばよかったとまでは言わないが、ある程度経験のある専任のプロデューサーを外部から招聘するべきだったろう。

まあ、今さら何を言ってもあとの祭りだ。

正直、金銭的にも時間的にも体力的にもかなりの負担感があり、4月に「活動終了します」という発表を聞いたときには「やれやれ」という気持ちが少なからずあったことは否定できない。2年ほど前にプロデューサーが交代したときから、そう遠くない時期にこうした方向性が打ち出されるであろうことは覚悟していた。むしろ、よくここまでもったものだと思う。

状況を受け入れたつもりになっていた10月末、活動終了まで1週間を切った頃に夢を見た。この「4月に発表された10月いっぱいでの活動終了」そのものが壮大なドッキリだったという夢だ。

そうか、俺は終わって欲しくなかったんだ。
夢は正直だ。

残念ながら「活動終了」はドッキリではなく、「アイドリング!!!」は終わってしまった。

三十一が注目している(していた)アイドルは「アイドリング!!!」だけではなくまだ何組かあるけれど、そちらについてはまだカミングアウトしない。

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2015年11月 4日 (水)

相手の気持ちになって考えてみた

かつて「相手の気持ちになって考える」という記事でも指摘したのだが、そこでは中国や韓国の意図を把握することが必要だと述べた。
しかし個別の外交案件ではなく戦略的な外交安全保障政策を考えるときに、まずその意図を把握すべきなのは実はアメリカだ。

歴史的に、アメリカにとって極東政策の要になる国はふたつ。言うまでもなく日本と中国だ。
そしてアメリカが極東地域と関係を持ち始めた19世紀半ば以降、極東政策の基本路線はほぼ一貫して中国重視である。アメリカの極東政策が日本を軸に展開されたのは、セオドア・ルーズベルト大統領個人の日本びいきに依存した日露戦争前後の一時期と、中国が共産化してアメリカと対決姿勢をとり友好関係を築く術がなかった冷戦期だけで、マーケットの観点からも政治上の観点からも中国を重視するのがアメリカの基本的な極東政策と考えるべきであろう。大多数の日本人には聞きたくない話かもしれないがこれが現実だ。

アメリカ国務省の極東政策担当部局では親日派と親中派がしのぎを削っているが、だいたいにおいて親中派が優勢だ。現時点ではまだ日本の比重が大きいが、それは冷戦時代に日本との間に作り上げられた同盟関係と、その間に急速に成長した日本市場を捨ててしまうのが惜しいからで、どうしても中国と日本のどちらかを選んでどちらかを切り捨てなければいけない事態に陥ったときに、切り捨てられてしまうのは間違いなく日本だろう。逆に言うと、アメリカにはそういう選択が(究極的には)可能だということである。もちろん、アメリカ自身はそういう自らの立場を理解している。その上で日本と中国を両天秤にかけているのだ。実際にアメリカが日本を見捨てるというシナリオは近い将来にはないだろう。しかしこれは(特に日本に対して)強烈な外交カードとして機能する。日本からしてみれば、アメリカに見捨てられるという事態はただちに破滅を意味し、選択の余地がない。

冷戦終結後もしばらくの間日本の比重が大きかったのは、まずアメリカにとって日本市場のほうがうまみがあったからだ。開放直後の中国では主な需要は日用品などの軽工業品で、アメリカが強みとしている分野ではなかった。それに対して日本は精密機器や食糧といったアメリカが強い分野で需要があり、うまみが大きかった。しかしそうした質の違いはかなり薄れてきている。そうなると12億対1.2億という市場規模の違いが大きく響いてくる。実際、極東の政治情勢に関心の薄いヨーロッパ諸国は雪崩をうつように中国との関係強化に動いている。純粋に市場としてみたときに中国と日本とではもはや比較にもならないのだ。

市場として勝ち目がないとすると、アメリカをひきとめるためにはどうすればいいだろう。ヨーロッパ諸国は極東に政治的なコミットメントが無いから雪崩をうって中国重視に動いた。アメリカがそこまで極端に走っていないのは、「世界の警察官」であることをやめたとは言え極東に政治的に関わっているからだ。日本に関していうと、それが日米安保であり、安保を根拠として日本に保持している基地である。経済的なメリットで大きく見劣りするとしても、こうした利点が大きいとアメリカが考えるなら、日本を見捨てることはないだろう。つまり在日米軍基地は、「アメリカの戦争に日本が巻き込まれる」要因という見方もあるが、「日本の防衛にアメリカを巻き込む」ツールでもある。こうしたツールをうまく使うためには日米安保が「アメリカに守ってもらう」という受け身の姿勢から「アメリカに守らせる」という能動的な姿勢に切り替える必要があるだろう。ある意味、権謀術数を駆使するようなドライな発想をもって同盟国アメリカに対する場面があるべきだし、なくてはならない。

こうして「アメリカに見捨てられない」ための保険をかけつつ、引きつづきアメリカが日中を両天秤にかけ続けられる環境を維持して二者択一を迫るような場面が現出することを防止する。これを日本の基本戦略として想定したときに、米軍との連携強化は必然となる。

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2015年11月 2日 (月)

2015年10月の打ち上げ

10月は8件。アメリカ3、中国3、ロシア2。この3ヶ国だけというのは近頃珍しい。
珍しいと言えば、アメリカの3が全部アトラス5で、ということはつまり先月は一段目にアメリカ製のエンジンを積んだロケットは使われなかったということだ。

1日 16:49GMT バイコヌール/ソユーズ (Progress M-29M)
2日 10:28GMT ケープカナベラル/アトラス5 (MORELOS 3)
7日 04:13GMT 酒泉/長征2D (吉林1号ほか)
8日 12:49GMT バンデンバーグ/アトラス5 (NROL-55 ほか)
16日 16:16GMT 西昌/長征3B (Apstar 9)
16日 20:40GMT バイコヌール/プロトン Turksat 4B
26日 07:10GMT 酒泉/長征2D (天絵 1-03)
31日 16:13GMT ケープカナベラル/アトラス5 (Navstar 75)

Orbital Launch Chronology

今月は特にコメントなし。来月は H-2A がカナダから受注した通信衛星を打ち上げる予定。

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