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2017年2月17日 (金)

2016年の終わり

2016年が終わって早くも一週間あまりになる。もちろん三十一にとって「年が終わる」とは「スーパーボウルが終わる」ことを意味する。

昨シーズン優勝したわがデンバーは、今シーズンはプレイオフ進出を逃した。それ自体は想定された範囲内で、攻撃の大黒柱であるマニングが引退した穴は非常に大きく、新人のシーミアンには埋め切れるはずがない。だが、プレイオフにたどりつくチャンスが無かったわけではなかった。地区優勝は無理にしても、ワイルドカードの可能性はあったのだが、シーズンも後半に入った第12週、同地区のカンサスシティーとの直接対決、延長戦で無理なフィールドゴールを狙ってはずし、あげくサヨナラ負けを食らって後退し、これが響いて最終的にプレイオフを逃した。この試合を観戦していた三十一は珍しく怒り狂った。外したキッカーではなく、フィールドゴールを指示したヘッドコーチのキュービアクにだ。フィールドゴールを狙って外した場合、キックした地点から相手の攻撃となる。つまり相手にいいポジションを与えてしまうのだ。延長戦で点をとられたら負け、しかもシーズン終盤のこれ以上負けを増やすことが許されない状況でなぜこの判断をしたのか。実際、アメリカ現地のメディアもこの判断を批判した。それでも三十一は、シーズン後にキュービアクが解雇されるようなことはないだろうと思っていた。去年はスーパーボウルで優勝、今年はプレイオフを逃したものの星勘定だけ見るとあと一歩、という成績ではチーム側からの解雇はできない。
ところがキュービアクはシーズン終了後みずから引退を申し出た。もともとヒューストン時代に試合中に倒れたこともあり、健康面で不安があったことは確かだ。スーパーボウルもとったし、今年はいろいろ批判もされたので嫌気がさしたのだろうか。いずれにせよ、激務のヘッドコーチは心身ともに健康でないと勤まらない。
キュービアクの後任は、マイアミの守備コーディネーターだったバンス・ジョセフ。マイアミは長年弱小チームだったが今シーズンはひさしぶりにプレイオフに進出した。現在のデンバーの看板は間違いなく守備なので、守備畑のヘッドコーチがいいと考えたのかもしれない。攻撃の再建にはしばらく時間がかかるだろう。GMのエルウェイは、「QBは懸念点ではない」と述べて今後もシーミアンがエースであると言明したが、そうした言明が必要になるということはつまり少なくとも周囲は懸念点になり得ると考えている証拠でもある。

わがデンバーの話はこれくらいにして、今年のスーパーボウルは51回の歴史に名を残す試合になった。
スーパーボウルの名試合といえば、1988年シーズンにサンフランシスコのモンタナが演じた逆転劇(いわゆる「ザ・ドライブ」。三十一はこの試合を生中継で観戦したのが自慢)と、最近では一昨年の、エンドゾーン間際の奇跡のインターセプトで勝利したニューイングランドが双璧だと思うのだが、今年の試合もいかにもブレイディらしい逆転劇となった。
前半を21対3で終えたときも、後半に入って最初のタッチダウンを決められて28対3になったときも、三十一はまだ結果はわからないと思っていたが、その次にニューイングランドがタッチダウンを決めたもののそのあとのPATを外したときに、三十一は試合が決まった気がした。わずか1点のことだが、こういう失敗をめったにしないのが本来のニューイングランドである。本来のニューイングランドであればまだ逆転が期待できるのだが、今日はどこかおかしいぞと思ったのである。
ところがニューイングランドは三十一の想定のさらに上を行った。このあとさらにフィールドゴールを決めて28対12とし、計算上は2本差となった。しかしこの2本差はあくまで計算上のもので、タッチダウンを2回とってしかも両方で2点コンバージョンを決めなくてはいけない。2点コンバージョンの成功確率は多分半分以下だと思うが、それを2回連続で成功させるというのはさらに可能性が低い。しかもその間、相手に得点されてはいけないのだ。「もしできたら奇跡だ」と思った三十一だが、ニューイングランドは見事やってのけ残り1分を切った時間帯で同点に追いつきスーパーボウル初の延長戦に持ち込んだ。そしてサヨナラタッチダウンを決めて2年ぶり5度目の優勝を果たした。
2001年シーズン以来、ニューイングランドはスーパーボウルに7回出場して5回勝っている。これまでの試合は勝ち負けいずれにせよすべて4点差以内という、アメフトでは最少得点差と考えていい点差の競った試合を演じてきた。今年の試合は最終的には6点差になっているが、延長戦を除く通常時間帯では同点で終わっているのでこの記録がさらに延長されることになった。
一昨年優勝したときにはブレイディの優勝はこれが最後になるかもしれないと思ったが、今年39才になったブレイディは衰えを感じさせない。もともと足や肩といった身体能力で勝負するタイプではなかったということもある。ほとんどのQBは30代のうちに引退し、40代になってもプレイしつづけていたのは三十一が知っている範囲ではファーブ、ムーン、テスタバーディくらいだろう。しかし今年でブレイディが引退すると考える人はほとんどいないし、本人もまだできると考えているはずだ。もうしばらくはブレイディのプレイが見られることを期待しよう。

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