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2017年3月20日 (月)

雪景色と湯けむり

昨夜は盛岡泊まりだったのだが、確たる計画があったわけでも目論見があったわけではない。ただ「簡単に予約がとれそうだ」という他に理由はなかった。しかし結果として出来上がった状況は利用させてもらおう。
まず、今日は三連休の最終日なので「できるだけ早く帰る」のがまず第一の目的。とは言え、本当に「できるだけ早く帰る」ならそのまま東京行きの新幹線に乗るのが正解なのだがそうはならないのが三十一の業が深いところだ。

盛岡の近くでまだ乗車していないのは、奥羽本線の山形新幹線と秋田新幹線に挟まれた区間、秋田山形県境の新庄-大曲間。それから北上線と陸羽東線になる。せっかく盛岡に宿をとっているのだから、朝一番の秋田新幹線で大曲に出、未乗区間を通って北上線か陸羽東線で東北新幹線沿線に戻って東京に戻るという計画を立てた。で、陸羽東線と北上線を天秤にかけたらもちろん陸羽東線を選ぶことになる。

前夜、試しにネットで「こまち」の指定券にチャレンジしてみたのだが、座席を選ぼうとしてみたらほとんど空席だったので予約するのをやめて立ち席特急券にすることにした。「えきネット」のせいで減収。

朝一番の「こまち」は仙台始発なので席は選び放題。ちょっと悩んだがとりあえず左側窓際の席を確保する。やがて発車、高架橋を下って地平におり田沢湖線に合流。昨日は盛岡に着いたのが夜に入ってからで、そのまま駅近くのホテルにチェックインしたので気づかなかったが、日陰には雪が残っていた。しばらく勾配を登って雫石に着くころには日陰だけでなく道路外の畑地などは雪に覆われていた。さらに峠に近づくと雪国の風景が広がってきた。このあたりはまさに東北地方の分水嶺、奥羽山脈だ。秋田県に入ると景色はほぼ白一色。しかし空は抜けるような快晴。そういえば天気予報では「なだれ注意報」が出ていたなあ。なるほど。
角館まで来るとだいぶ平坦な地形になってきて、その真ん中を線路はまっすぐ進む。たぶん周囲は水田なんだろうと推測されるがわからない。大曲で「こまち」を下車。
021s
新幹線改札を出て奥羽本線の未乗車区間に向かう。乗るのは東北地方の電化区間ではおなじみの701系。個人的にはJR東日本の合理化が行き過ぎた時代の産物で、もうちょっと地域の実情に適した車両がよかったと思うのだがまだしばらくは使われそうだ。この区間で使用されている列車は一部をクロスシートに改造しているが、もちろんそうした座席は最初に埋まっていき、結局座ったのは比較的前が見やすいロングシートの席。これから新庄まで約1時間半ほど乗車していたわけだが、その間ほぼずっと混んでいた。休日というのが何か関係しているのだろうか。
この区間はほぼ全て単線なのだが、唯一複線になっているのが県境の院内-及位間。「及位」と書いて「のぞき」と読むこの駅名は難読駅名として有名だがそれは今回の話とは関係ない。このあたりは秋田方面に向かって急勾配が続き、しかも駅間が8キロ以上あるので昭和50年の電化当時に改良されたのだろう。なにしろ開通したのは日露戦争の最中の明治38年であるから、線形がよかったとは思えない。
新庄駅に到着。この駅には去年の秋にも来たが半年でまた訪れることになるとは思ってなかった。これまで乗ってきた701系の写真を撮ってはみたものの、柱が邪魔であまり納得のいくものにならなかった。代わりと言うわけでないがこちらをどうぞ。
Img_9704s
これ去年もあったかなあ。こういう標語が方言なのは珍しい。正直意味がわからない。いや、なんとなくはわかるのだが正確なニュアンスがね。
こっちはわりとうまく撮れた、これから乗っていく陸羽東線のキハ110系。JR東日本の非電化区間を行くとかなりの確率で出会うやつだ。
Img_9751s
先ほどまでの奥羽本線で少しストレスが溜まったので、今度は運転席の直後のかぶりつき席に陣取る。新庄を出た陸羽東線の線路は南に向かってしばらく奥羽本線と並行して走る。電化の奥羽本線と非電化の陸羽東線の単線並列の形だ。南新庄を過ぎてようやく東方面に向きを変えて山越えに挑む。ひとつ峠を越えると奥羽山脈のふところに抱かれた小盆地に出る。これまで冬場の鉄道旅は控えてきたが、こうした冬景色の中を列車で行くのもいいなあと思えてきた。それも来年以降になる。鬼が笑うような話だ。
ちょうど県境にあるのが文字通り境田駅で、雪深い山中の駅だったが、それから一気に宮城県側に下って、鳴子温泉に着く頃にはかなり雪が少なくなってきた。ここで乗り換え。
乗り換え時間は5分ほどで、温泉客が先に乗り込んでいたのでもう席は選べない。さらに少し下っていくといつの間にか周囲の景色から雪は消えていて、春先の田園地帯の風景だ。
さてこの間に帰りの列車を考える。当初考えていたのは、終点の小牛田から東北本線で仙台に出て新幹線に乗り継ぐというもの。ところがこれだと仙台からの新幹線が3時過ぎになりそうだった。もうちょっと早く帰る方法はないか。早く帰るだけなら、この列車を古川で下りて新幹線に乗り継げばよい。今この列車に乗っている温泉客のうち東京方面に帰る人はみんなそうするだろう。だがそうすると陸羽東線が一部だけ未乗車で残ってしまう。実はこれまで陸羽東線が未乗車で残ってしまったのは同じ理由で、東京から陸羽東線方面に行く場合のもっとも素直なルートは新幹線から古川乗り換えだが、その場合でも結局は根っ子の部分が残ってしまうので別に乗りに行かなくてはいけなくなる。それでは二度手間なので古川乗り換えという選択肢は放棄してきたという経緯があるのだ。なので今回もこの案は否決された。そして選んだのは次善の、だがはたから見たらもっとも意味のわからないルート。つまり一度小牛田まで行って全線乗車を済ませてから古川に引き返して新幹線に乗り継ぐという方法だ。三連休パスを使っているからできる芸当だ。
計画通り、善良な温泉客を古川で見送っていったん小牛田まで行き、同じ車両で引き返して古川着。この間にネットで指定券を予約しておいたので、券売機で回収して時間まで待合室で時間を潰そうかと思っていたら改札脇にこんな掲示が。
027s
幸いにも三十一が予約した列車の遅れは5分程度で、東京に着くころには遅れは解消していた。

本日の旅程:
盛岡 (0758) → 大曲 (0857) 3095M
大曲 (0903) → 新庄 (1044) 2434M
新庄 (1121) → 鳴子温泉 (1225) 726D
鳴子温泉 (1231) → 小牛田 (1327) 8734D
小牛田 (1334) → 古川 (1346) 1733D
古川 (1421+5) → 上野 (1638) 9164B

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