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2017年9月16日 (土)

「ダンケルク」

映画「ダンケルク」 (公式サイト)

観てきました。

世間(そのスジの世間)では、ヤク改造のスピットファイアが主に英国面に堕ちた人々の間で評判になっていたようだけれど、同じ英国面でも海のほうに堕ちた三十一にとってまず目をひいたのはイギリス駆逐艦だった。
もちろん当時のイギリス駆逐艦はすでに残っておらず、フランスの記念艦 Maille-Breze (読み方わからん)をそれっぽく改造したそうだが、ぱっと見 「悪くない」と思った。船首楼船型、二本煙突、前後に背負式に装備された砲塔。台詞で登場した艦名は「バンキッシャー」だったがこれはおそらく Vanquisher で、いわゆる V 型駆逐艦(時期的に第一次大戦型)のうちの一隻ということだろう。
実際に「演じた」 Maille-Breze は 1950年代建造の Surcouf 型駆逐艦ということだが、粗を探せば「マストに電子装備らしきあれやこれ」とか「後甲板に VDS らしきもの」とか「全体に上構のシルエットが高い」とか色々文句をつけるところはあるにしても、CGを使わず実艦を使ったことを考えればよく出来ている。
実際のダンケルク撤退戦からすでに 77年も経っており、かつて「戦艦シュペー号の最期」に「本人」が登場したような芸当はもはや不可能だ。

さて映画の感想に移ろう。
アカデミー賞最有力との前評判だが、それは多分海のむこうでの話だろう。日本の単なる「映画好き」にはほとんどの場面が意味不明に見えるだろう。それくらい背景説明が無い。台詞にも出てこない。「これくらい知ってるよね」という前提で全て話が進む。というか、進むような話自体がない。ただひたすら戦闘と兵士や民間人の悪戦苦闘と死が描かれる。
かと思うと、イギリスで徴用された民間船がダンケルク沖合に到着したところであたかも「めでたしめでたし」とでも言うような演出がなされる。このあとの戦闘も多少描写されてはいるもののエピローグのようだ。実際には民間船も動員した撤退とそれを阻止しようとするドイツ海空軍の攻防がもうひとつの山場であったはずなのだが。

要するに、ドイツ軍のフランス侵攻から英軍の撤退という一連のキャンペーンの中から、ダンケルク撤退戦の、さらにその中のごく一部の時間帯だけを前後から切り放して目の前に放り出されたような印象。突然話が始まって突然終わる。背景を知らない人間には厳しい映画だろう。評価は分かれると思う。

自分は、船と飛行機を見るため「だけ」に DVD/BD が出たら買うかも知れない。

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