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2017年12月 3日 (日)

「わてつ」って呼んでください

三十一がどこかにでかけるときには、もっぱらフリーきっぷを利用する。だいたい日程が直前まで決まらないということもあるのだが、三十一のような回遊型の旅行をする場合には割安になるということもある。しかし欠点もあって、そもそもそうしたきっぷが設定されていない地域には足が向きにくくなってしまう。
最近よくつかうのはJR東日本の週末パスだが、休日お出かけパスもわりと使い勝手がいい。ところがこの狭間になるのが北関東地区だ。もちろん週末パスでは北関東もカバーしている。しかしせっかく週末パスを使うのならできるだけ遠くに行きたいと思うのは人情だろう。一方で休日お出かけパスは南関東をフリー区間としていて北関東をカバーしていない。というわけで茨城栃木群馬といった北関東はわりと手薄になっていた。
年内いっぱいだが「ぐんまワンデー世界遺産パス」が発売されている。ほぼ群馬県内の新幹線を含むJRと私鉄に乗り放題というきっぷだ。これを使えばJRで未乗車の両毛線と、非電化のわたらせ渓谷鉄道に乗車できる。ただしこのきっぷは群馬県(一部県外)しかカバーしていないし、区間内の駅でしか発売していない。ではそこまでの往復はどうすればいいのか。そこで「休日お出かけパス」と組み合わせることにする。

土曜日朝8時にまず最寄り駅で「休日お出かけパス」を買う。上野から東北本線の普通列車で小山へ。特急券を別途購入すれば新幹線も利用できるが今から急いでも結局わたらせ渓谷鉄道が同じ列車になっているのでおとなしく普通列車に乗り通す。幸いに天気はいい。右手に双耳峰が特徴的な筑波山。一時間あまりかけて小山へ。ほぼ1年前にも来ているが、そのときは改札を出なかった。今回は「ぐんまワンデー世界遺産パス」を買うために改札を出る。券売機で入手した「ぐんま(略)パス」は横長の自動改札機を通せない形状。有人改札機から入場。よくみたら券面にも「自動改札機は使用できません」と書いてあった。
両毛線のホームは駅構内を少し大回りしたところにある。待っていた列車は211系4両編成。東京付近ではもう見かけなくなったのでちょっと懐かしい。単線電化の両毛線は北に向かって走り出すがやがて東北本線から離れて西向きになり川を渡る。はるか北に雪をいただいた山々が見える。那須連峰だろうか。栃木を過ぎたあたりから右側(つまり北側)に紅葉した山が近づく。一見して何のへんてつもない里山に見えるが実は日光や那須につながる山々の最南端だ。つまり両毛線はここからしばらくのあいだ、本州の背骨を構成する山塊と関東平野のちょうど境界線付近を走っているのだ。両毛線の上を乗り越した東武線が平行するようになると佐野。紅葉をながめながら足利を過ぎ、線路が高架に上がると桐生。
2面4線の高架ホームの片隅にわたらせ渓谷鉄道の車両が停車していた。単行のディーゼルカーだ。
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特に改札などはなく交通系カードの簡易改札機があるだけ。これもJRの出場用でわたらせ渓谷鉄道ではカードは使えない。しかし三十一はフリーきっぷを持っているのでそのまま乗車して右側のボックス席に座る。発車した列車はしばらく両毛線の線路上を走る。このあたりの両毛線は単線のはずだったが、前方を見てみると電化複線になっており、しかも右側の線路を走っている。この状態で渡良瀬川を渡る。複線トラス橋だ。やがて左側に211系電車が留置されているのが見え、右手に単線ホームが現れて下新田駅。下新田を出ると右にカーブして両毛線からわかれて本格的に非電化路線にはいっていくんだな、と思った矢先に左側から別の線路が寄り添ってくる。東武桐生線だ。合流したところが相老。駅を出るとまた東武とわかれ、頭上を上毛電鉄が乗り越していく。このあたりは意外に線路の密度が高い。大間々はわたらせ渓谷鉄道の拠点で保守基地が置かれている。これから線路は渡良瀬川沿いにさかのぼっていく。上神梅から本宿を出たあたりで右手に渡良瀬川が見え、以後ほぼ川から離れない。地元の乗客だろうか、水沼を過ぎたあたりで「この先が脱線の現場」などと余計な情報を教えてくれた。神土の先ではダム建設により旧線が水没したため新線に切りかわっており、長大トンネルで抜けてしまうためダム湖はまったく見えない。トンネルを出たところが沢入駅。この駅は「そうり」と読む難読駅だが、実は「ぐんま(略)パス」のフリー区間はここまで。この先はフリー区間に含まれない。はじめ気づかなかったのだが改めてきっぷの券面をながめているうちにフリー区間の末端が「沢入」で「間藤」でないことに気づいてちょっとびっくり。「沢入で引き返す」という選択肢はあり得ないので、もう終点の間藤まで行って戻ってくるしかないのだが区間外の運賃は想定外の出費だ。なんでこんなおかしなことになってるんだ、と一瞬思ったが要するに「沢入」が群馬県内最後の駅なんだろう。終点の間藤付近は栃木県でいまは日光市になっているのはわかっていたが、まさかこんな切り方するとは思っていなかったよ。
通洞駅は旧足尾町の中心地に近い。古い鉱山住宅と思われる同一形式の平屋の建物がずらりと並んでいる。町名を冠した足尾駅は実際には町の外れだ。鉱山が中心の町だったのだろう。終点の間藤駅は工場の前。駅舎はあるが当然のように無人駅で、切符の自動販売機すらない。
ホーム脇に展望台があってそこからホームを見下ろす。
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天気は非常にいい。まれに駅からカモシカが目撃されるそうだ。
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ホームから見た車止め。
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約20分で折り返し。今度は反対側に座ることにするが、席は選び放題なのでできるだけ前方が見える席に陣取る。きっぷは買えなかったが小中駅からアテンダントが乗車してくるということなのでそのときに精算することにしよう。
通洞駅からはハイカーらしい団体客が乗車してきた。この先、群馬栃木県境付近では渡良瀬川は線路の右側を流れている。
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通洞からの団体は神土で降りていった。次の小中駅でアテンダントが乗車してきたが若い男性でした。だから何。アテンダントに精算してもらったのだが、久しぶりに車内補充券を見ましたよ。終点間際、ふたたび両毛線と合流して渡良瀬川をわたると桐生着。

桐生から今度は両毛線を前橋方面へ。そこそこ混んでいたので前方が見えるところに立つ。発車した列車の前方窓から見てようやく配線構造がわかった。一見して複線に見えた線路だが実は本線は右側だけで左側は車両基地への引き込み線ということのようだ。そして本線をJRの両毛線とわたらせ渓谷鉄道で共用している。本線と引き込み線が並んだ状態で複線トラス橋で渡良瀬川を渡り、渡りきったところで右手に非電化のわたらせ渓谷鉄道が分岐するとそこに下新田駅。両毛線のほうは交換設備を持つ信号場になっている。左側にはさっきも見た留置線があり、信号場を出て上下線が合流すると単線になる。
この先、伊勢崎に向かってほぼ直線が続いているのが前面窓から見るとよくわかる。さっきまでは間近に見えていた山影がだいぶ遠くなった。どのくらい遠くなったかというと山肌の色がわかりにくくなるくらい遠い。国定駅に近づくと駅の中線に交換列車が停車しているのがみえた。だけどあの前面灯は211系じゃないなあ、と思ってみているとジョイフルトレイン「NO.DO.KA」でした。しかしこれとは別に交換列車があるらしい。待っているうちに下りの普通列車がやってきた。予想通りの211系で見過ごしそうになったが、よく見てみると行き先表示が「宇都宮」になっている。両毛線から宇都宮への直通列車があるとは知らなかった。調べてみると夕方に一往復あるらしい。国定を出て大きく右にカーブし、高架にあがると左側から東武伊勢崎線が寄り添ってきて伊勢崎駅となる。東武側の伊勢崎駅は終点で行き止まりになっているが、もちろんJRの伊勢崎駅は中間駅。駅を出るとまた右にカーブしてやや北寄りに針路をとりながら西に向かう。遠景に見える山並みは右から赤城山、榛名山、妙義山、秩父山系ということだろう。駒形から前橋までは複線になる。前橋は両毛線の駅で上越線からは外れているが、東京への直通列車も出ている拠点駅だ。前橋停車中に向かいのホームを眺めていたら上野行きの列車の案内が出ていた。予定ではこの列車で高崎まで行ってかた上野行きの列車に乗り継ぐことにしていたのだが、前橋から上野行きの乗れるのならそれでもいいのじゃないか、と思ったときにはもう降りられなかった。それに改めて調べてみたら高崎まで行くほうが帰宅が一本早くなる。結局予定通り高崎まで行くことにした。前橋からはまた単線になり、新前橋で上越線に合流。やがて高崎着。高崎で軽食をとってから快速列車で上野に帰着。

12/2の旅程:
上野 (0830) → 小山 (0948) 1540E
小山 (1011) → 桐生 (1117) 444M
桐生 (1127) → 間藤 (1305) 719D
間藤 (1328) → 桐生 (1454) 722D
桐生 (1501) → 高崎 (1548) 452M
高崎 (1626) → 上野 (1805) 3930M

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