「ハンターキラー」
「潜水艦モノに外れなし」が売り文句だということだが、まあ「外れ」ではなかった。
たぶんバージニア級原潜が主役になる映画は初めてだろう。米海軍の協力で実艦をつかって撮影されたということだが、問題は敵役となるロシア海軍艦艇だ。アクラ級潜水艦はCGだろうけど、三十一にとっての影の主役は全編にわたって要所で登場するウダロイ級駆逐艦。「ネヴチェンコ」という艦名はもちろん架空のものだが、全景からアップから艦内描写まで、興味深い映像が多々見られたものの疑問なのは「この映像はどうやって撮ったんだろう」ということ。まさかこの映画にロシア海軍が協力するとも思えないし、セットとCGだろうか。
ストーリー自体はよくできていて映画としてはいい映画と言えるだろう。
個人的には、あたかも海中の様子が「見えている」かのような描写や、打ち出した魚雷に目標変更を「指示」している描写など、わかりにくい海中戦闘を観客にわかりやすく見せる演出は潜水艦映画の定石ではあっても、実際の潜水艦戦闘の実相とは必ずしも合致しないと思っている。
映像的には収穫は多々あって、米軍ロシア軍の艦艇航空機がいろいろ出てくるので、メディアで発売されたら買ってしまうかもしれない。ただあの両国艦隊の密集隊形は映画用だなあ。
追記:
ひとつ書き忘れていた。"Commander Glass" に「グラス指揮官」と字幕をつけてたけど、"Commander" は「中佐」だから。公式サイトに貼られている写真にも "J. GLASS CDR USN" って映ってるでしょ。
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