2017年2月17日 (金)

2016年の終わり

2016年が終わって早くも一週間あまりになる。もちろん三十一にとって「年が終わる」とは「スーパーボウルが終わる」ことを意味する。

昨シーズン優勝したわがデンバーは、今シーズンはプレイオフ進出を逃した。それ自体は想定された範囲内で、攻撃の大黒柱であるマニングが引退した穴は非常に大きく、新人のシーミアンには埋め切れるはずがない。だが、プレイオフにたどりつくチャンスが無かったわけではなかった。地区優勝は無理にしても、ワイルドカードの可能性はあったのだが、シーズンも後半に入った第12週、同地区のカンサスシティーとの直接対決、延長戦で無理なフィールドゴールを狙ってはずし、あげくサヨナラ負けを食らって後退し、これが響いて最終的にプレイオフを逃した。この試合を観戦していた三十一は珍しく怒り狂った。外したキッカーではなく、フィールドゴールを指示したヘッドコーチのキュービアクにだ。フィールドゴールを狙って外した場合、キックした地点から相手の攻撃となる。つまり相手にいいポジションを与えてしまうのだ。延長戦で点をとられたら負け、しかもシーズン終盤のこれ以上負けを増やすことが許されない状況でなぜこの判断をしたのか。実際、アメリカ現地のメディアもこの判断を批判した。それでも三十一は、シーズン後にキュービアクが解雇されるようなことはないだろうと思っていた。去年はスーパーボウルで優勝、今年はプレイオフを逃したものの星勘定だけ見るとあと一歩、という成績ではチーム側からの解雇はできない。
ところがキュービアクはシーズン終了後みずから引退を申し出た。もともとヒューストン時代に試合中に倒れたこともあり、健康面で不安があったことは確かだ。スーパーボウルもとったし、今年はいろいろ批判もされたので嫌気がさしたのだろうか。いずれにせよ、激務のヘッドコーチは心身ともに健康でないと勤まらない。
キュービアクの後任は、マイアミの守備コーディネーターだったバンス・ジョセフ。マイアミは長年弱小チームだったが今シーズンはひさしぶりにプレイオフに進出した。現在のデンバーの看板は間違いなく守備なので、守備畑のヘッドコーチがいいと考えたのかもしれない。攻撃の再建にはしばらく時間がかかるだろう。GMのエルウェイは、「QBは懸念点ではない」と述べて今後もシーミアンがエースであると言明したが、そうした言明が必要になるということはつまり少なくとも周囲は懸念点になり得ると考えている証拠でもある。

わがデンバーの話はこれくらいにして、今年のスーパーボウルは51回の歴史に名を残す試合になった。
スーパーボウルの名試合といえば、1988年シーズンにサンフランシスコのモンタナが演じた逆転劇(いわゆる「ザ・ドライブ」。三十一はこの試合を生中継で観戦したのが自慢)と、最近では一昨年の、エンドゾーン間際の奇跡のインターセプトで勝利したニューイングランドが双璧だと思うのだが、今年の試合もいかにもブレイディらしい逆転劇となった。
前半を21対3で終えたときも、後半に入って最初のタッチダウンを決められて28対3になったときも、三十一はまだ結果はわからないと思っていたが、その次にニューイングランドがタッチダウンを決めたもののそのあとのPATを外したときに、三十一は試合が決まった気がした。わずか1点のことだが、こういう失敗をめったにしないのが本来のニューイングランドである。本来のニューイングランドであればまだ逆転が期待できるのだが、今日はどこかおかしいぞと思ったのである。
ところがニューイングランドは三十一の想定のさらに上を行った。このあとさらにフィールドゴールを決めて28対12とし、計算上は2本差となった。しかしこの2本差はあくまで計算上のもので、タッチダウンを2回とってしかも両方で2点コンバージョンを決めなくてはいけない。2点コンバージョンの成功確率は多分半分以下だと思うが、それを2回連続で成功させるというのはさらに可能性が低い。しかもその間、相手に得点されてはいけないのだ。「もしできたら奇跡だ」と思った三十一だが、ニューイングランドは見事やってのけ残り1分を切った時間帯で同点に追いつきスーパーボウル初の延長戦に持ち込んだ。そしてサヨナラタッチダウンを決めて2年ぶり5度目の優勝を果たした。
2001年シーズン以来、ニューイングランドはスーパーボウルに7回出場して5回勝っている。これまでの試合は勝ち負けいずれにせよすべて4点差以内という、アメフトでは最少得点差と考えていい点差の競った試合を演じてきた。今年の試合は最終的には6点差になっているが、延長戦を除く通常時間帯では同点で終わっているのでこの記録がさらに延長されることになった。
一昨年優勝したときにはブレイディの優勝はこれが最後になるかもしれないと思ったが、今年39才になったブレイディは衰えを感じさせない。もともと足や肩といった身体能力で勝負するタイプではなかったということもある。ほとんどのQBは30代のうちに引退し、40代になってもプレイしつづけていたのは三十一が知っている範囲ではファーブ、ムーン、テスタバーディくらいだろう。しかし今年でブレイディが引退すると考える人はほとんどいないし、本人もまだできると考えているはずだ。もうしばらくはブレイディのプレイが見られることを期待しよう。

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2016年2月 8日 (月)

誰がためのトロフィー

三十一の1年は9月に始まる2月に終わる、と書いたことがあるけれど、もう少し細かく考えてみると3つの季節に分けられるようだ。
すなわち9月から12月、1月、そしてそれ以外だ。
9月から12月までは毎週毎週10試合程度のゲームを見続ける生活になる。平均して一試合は3時間前後。これを7日間に割り振ると少なくとも毎日4時間がノルマとなる。正直なところ、すべて真剣に観ているわけにはいかないので環境ビデオのごとく流しっぱなしとなる。
1月から2月の最初の週まではプレイオフになる。プレイオフは各週ごとに多くて4試合、しかも三十一は基本的に生中継で観ることにしている。日本時間で明け方になることもある生中継を観るのはけっこうきついが、週末に全試合を生で観戦してしまえば他に観るべき試合はない。平日は時間が空いてしまうのだ。
そして残りの時期はもちろん試合はない。実はこの時期三十一はフットボールとはほとんど無縁の生活になる。雑誌も読まないしサイトのニュースも見ない。憶えていれば5月のドラフトくらいは観るがこれもけっこう忘れてしまう。7月ごろからHDDレコーダーの内容をDVDにダビングして空き容量を作るという作業が始まって少し気分が出てくるが、ちゃんと切り替わるのは9月に入って実際に試合が始まってからになる。
ここ10年くらいずっとこういうサイクルで1年が過ぎていく。

そして今日、2015年が終わった。
われらが Denver Broncos は2年ぶりにスーパーボウルに出場し、そして17年ぶり3度目の勝利を得た。
一昨年のシーズンではレギュラーシーズン 13勝 3敗と圧倒的な勝率でプレイオフに進出し15年ぶりにスーパーボウルにたどりついたものの、Seattle Seahawkes に 43 - 8 で惨敗した。調子が良かっただけに落胆も大きかった。
今年は逆に、勝ち星はそこそこ重ねたものの大半の試合は薄氷を踏むようなぎりぎりの勝利で、どう身贔屓に観てもわかりやすい「強い」チームとは言えなかった。守備の堅さに頼ってどうにか勝っているという印象だった。だから三十一ですら正直期待していなかったのが実態で、地区優勝してプレイオフに進むことができれば上出来と思っていたのだ。

しかし奇跡的に Denver Broncos はスーパーボウルにたどりついた。自分の中の冷静な部分は圧倒的に相手の Carolina 有利と判断しているが、やはり気持ちのどこかに期待する部分が残っていた。
オフェンス力で Denver は明らかに見劣りしているから、可能性を見いだすためにはロースコアゲームに持ち込むしかない。具体的に言うと、リーグ1位の Carolina のオフェンスを止めることが必要になり、そのためには QB の Cam Newton にいかにしてプレッシャーをかけるかが鍵になる。わが Denver の両サイドの OLB、Von Miller と DeMarcus Ware のパスラッシュが QB に届くようなら希望はある。
そして試合が始まって8分半、それまで止められていた Von Miller のラッシュが QB に届いてファンブルを引き起こし、エンドゾーンでリカバーしてタッチダウンを獲ったときに三十一は初めて「ひょっとしたらいけるかもしれない」と思えてきた。
その後、Denver のオフェンスが思ったように進まない時間帯が長く続いたが、その一方で Ware と Miller のプレッシャーによって Carolina のオフェンスも進まないという期待したようなロースコアゲーム
ただ、オフェンスが進まないまでも Denver が FG を重ねてじりじりと差を広げることができたのはスペシャルチームの働きによって比較的有利なフィールドポジションから始めることができたからだ。

結果、相手の得点を 1 TD、1 FG の 10 点に抑えた Denver が 2 TD、3 FG で 24 点を獲って勝利した。

試合後のセレモニーを観ながら、三十一は18年前に Denver が初めてスーパーボウルに勝ったときの光景を思い出して感無量だった。
18年前、オーナーの Pat Bowlen がロンバルディ・トロフィーを掲げながら「この4つの単語だけを言いたい。 This one for John !」と言ったシーンをはっきり憶えている。当時 15年目、4度目のスーパーボウル出場で初めて勝利した QB John Elway に勝利を捧げたのだ。
あれから18年、かつての QB John Elway は GM として今日の勝利セレモニーに臨み、ロンバルディ・トロフィーを掲げて「This one for Pat !」と叫んだ。オーナーの Pat Bowlen は病気療養中で会場を訪れることができず妻が代理で出席したのだ。Elway によってはかつての恩返しというったところだろう。
三十一は18年前の光景をはっきり覚えているからこの「4つの単語」がどういう意味を持っているのかすぐにわかったが、Denver ファンというわけでもない解説者にはわからなかったようだ。まあしょうがないか。

こうして三十一の2015年は終わった。17年来の、これ以上ない終わり方ではあった。
しかし、来年はどうかというと正直心許ない。QB は Manning なのか、Osweiler なのか、あるいはどちらでもない誰かか。もし Manning で行くなら身体能力はどのくらい回復するのか。OL のメンバーは固定できるのか。今季ドロップが目立ったレシーバー陣の改善はできるのか。さすがに奇跡は2年も続かないだろう。

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2016年1月 8日 (金)

奇跡は待つものではなく起こすものなのだよ

三十一にとって秋から冬はアメフトのシーズン。
年が明けて最初の週末にレギュラーシーズンの試合が完結して、プレイオフの面子が出揃った。

わが Denver は奇跡的に AFC のシード順1位となった。
ひいきの三十一ですら想定していなかったカンファレンス1位はまさに「奇跡」だ。なんと言ってもチームの要である QB が計算できない状態では期待するだけ無駄、というのが通り相場だ。そもそも昨シーズンのプレイオフで早々に敗退したのはエース QB の P. Manning が怪我のせいもあって調子が出なかったのが最大の理由であろう。もっとも、そこまでたどりついたのも Manning の力が与って大きいから、彼を責めるわけにもいかない。
それから半年のオフシーズンを経て始まった今年のシーズンでは、Manning のプレーぶりは目を覆いたくなるような出来だった。全盛期の Manning を見慣れた身からするとまるで別人。何より問題なのは Manning の強みであった相手の守備を読み取る力と臨機応変なプレー変更だ。判断力自体が衰えたとは思わない。しかしそれを実際に遂行する Manning の身体は本人が思った通りに機能してくれなかった。投げたパスが思わぬところに飛んでパス失敗やインターセプトを繰り返すという場面を、今シーズンの前半には嫌というほど見させられた。
それでも(これまた)奇跡的に全勝を続けてきたのは、何より守備陣のがんばりと、それから同地区のライバルチームの低迷に助けられてきた。しかしシーズン半ばになって Manning の身体はいよいよ動かなくなり、ついに先発 QB の座を控えの B. Osweiler に明け渡した。三十一はこの時点である程度見切りをつけた。Osweiler は4年目だがこれまで実戦の経験はほとんどない。Manning の後継という目論見で入団してきたものの、ほぼ新人と考えていい。全勝の蓄積もあるのでプレイオフにはいけるかもしれないがそれが精一杯だろうと予想したのだ。シーズンの残りの試合はスーパーボウルを目指すというよりも、むしろ Osweiler に経験を積ませることを第一に考えるべきだろう。三十一の頭の中ではすでに Manning は過去のプレイヤーになっていた。

Osweiler が先発 QB となった Denver はその後、何週かの間は勝ち続けていたがその後は負けが込んできて、地区成績では Kansas City に急速に追い上げられることになる(1勝5敗から10連勝で最終成績は11勝5敗)。
三十一が Osweiler のプレイを見ていた印象としては、背が高く、肩が強く、リリースが早いというフィジカルな面では利点が大いにあるが、プレッシャーを受けたときに往々にしてパニックに陥る面が見られる。経験が浅いので仕方ないことではあるのだが、対策としてはウェストコースト・オフェンスを軸にプレーを組み立てるのがよいのではないかと思った。背が高くてリリースが早い Osweiler はウェストコースト向きの QB のように思われた。ウェストコースト・オフェンスとはかつて San Francisco で一世を風靡した早いタイミングでの短いパスを多用するオフェンスだ。ウェストコーストはプレイのタイミングが早いのでプレッシャーが QB にかかりにくいオフェンスでもある。現ヘッドコーチの G. Kubiak はもともとウェストコースト畑のオフェンスコーチなので、得意分野のはずだ。しかしシーズン途中でプレースタイルを大きく変えるのは難しい。QB だけが変わっても周りの選手が対応できない。シーズン途中で QB が変わるというのはそういうことだ。変わった当初は勝つことができても、しばらくすれば相手チームに研究されて思うようには進めなくなる。シーズンも終盤に入ると、「あとひとつ勝てばプレイオフ確定」「あとひとつ勝てば地区優勝」といった重要な試合を何度も落としてその間に Kansas City に迫られていた。なんとかプレイオフは決めたものの、地区優勝は怪しくなってきた。

そこに起こった最後の奇跡が最終週の試合だ。この試合の前の時点で、Kansas City との勝ち星の差はわずかにひとつ。もし Denver が負けて Kansas City が勝つと並んでしまう。こうした場合に備えて NFL では Tie Breaker ルールを定めているが、それによると Denver は地区優勝を逃してワイルドカードに回ることになる。プレイオフでは上位チームが有利になるようになっているから、これは大きな違いだ。しかもこの間、カンファレンス首位を走っていた New England が調子を落として連敗していたので、もしこの試合で Denver が勝てば地区優勝の上シード順1位を獲得し、負ければワイルドカードに回ってシード順は5位(プレイオフは各カンファレンス6チーム)になってしまう。シード順1位になればトーナメント形式のプレイオフ一回戦は免除で一週間の休みとなる上、常にホームで試合ができることになる(これを Home Field Advantage と称する)。相手の San Diego はすでにプレイオフ落ちが確定しているが、QB の P. Rivers は Denver に相当強いライバル意識を持っているのでそう簡単に勝たせてはくれない。実際、試合はかなり白熱した展開になった。怪我から一応回復した Manning はユニフォームを着て Osweiler のプレイをベンチから観戦。しかし肝心の Osweiler のプレイがあまりぱっとしない。先取点は Denver がとったものの、自責他責とりまぜて4回のターンオーバーを喫して逆転を許す。それほど点差が開いているわけでもないし、時間はまだ充分あるのに経験の少ない Osweiler のプレーにはやや焦りが見えた。こういうプレッシャーのかかるシチュエーションでこそ、こうした経験の差が如実にあらわれる。
後半に入って少ししたころ、Osweiler に変わって Manning がフィールドに出る。三十一は正直びっくりしたし、危ぶんだ。何しろ三十一にとって Manning はすでに過去のプレーヤーだったから。しかし Manning が主導するオフェンスはあれよあれよという間に前進を続けて得点してしまう。強烈な印象を残した復活劇だ。冷静に観察すれば、Manning のプレーぶりは神がかり的だった全盛期には及ばない。しかし今シーズン前半のどん底の時期の動きに比べれば格段の改善が見られる。怪我の具合もだいぶ良くなってはいるのだろう。解説者も「ボールの回転を見ると怪我をする前よりもいいんじゃないか」とコメントしていたくらいだ。だがそれよりも重要なのは、休みの間に Manning 自身が自分のプレーぶりを客観的に観察して、今の自分の身体の状態で何ができるか、どこまでできるかをしっかりとイメージできるようになったことだと思われる。一番悪かった時期にはイメージとフィジカルがバラバラで、思ったプレーができていなかった。もともと Manning は実際にプレーが始まる前に展開をすべて予測してその計算の上で最適な選択をすることで結果を出してきた。Manning がそのイメージ通りにプレーを遂行できれば止めるのは難しいだろう。

全盛期のような爆発的な攻撃力はないものの、着実にプレーを進めた Manning の力で最終戦に無事勝利し、われらが Denver はシード順1位を獲得した。いったんは先発の座を確かなものにしたと考えられていた Osweiler だが、最後の最後で Manning との圧倒的な地力の違いを見せ付けられることになってしまった。来年以降はまだわからないにせよ、今年のプレイオフは Manning で行くことになるだろう。プレイオフ一回戦を免除されているのでスーパーボウルまで進んだとしても残りは3試合。スーパーボウル以外の2試合は地元でできるし、Manning の身体が万全とまではいかずともそれなりに機能するなら、一昨年以来のスーパーボウル進出、そして17年ぶりの優勝もまったくの夢物語とはいえない。

さらなる奇跡は起きるか。
俄然、期待感が高まってきた。

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2015年2月 3日 (火)

2014年の終わり

2014年が終わった。

三十一の一年は例年2月初めの月曜日に終わる。
そして9月に始まるのだ。

スーパーボウルは意外に一方的な展開になることが多く、ゲームそのものに関して言えば各カンファレンスのチャンピオンシップ・ゲームの方が面白いとよく言われている。
しかし今年のスーパーボウルは面白かった。NFC のカンファレンスチャンピオンシップゲームも面白かったけどね。

New England が出場するスーパーボウルは面白くなることが多い。
2000年以降、New England はこれまで5回出場して3回勝っているが、うち4回は3点差、残り1回も4点差と常に僅差のゲームとなっている。

2001年度第36回 New England 20 - 17 St.Louis
2003年度第38回 New England 32 - 29 Carolina
2004年度第39回 New England 24 - 21 Philadelphia
2007年度第42回 NY Giants 17 - 14 New England
2011年度第46回 NY Giants 21 - 17 New England

そして

2014年度第49回 New England 28 - 24 Seattle

またもや4点差だ。
しかも最後残り20秒という時点でゴール前1ヤードまで攻め込まれた状況をしのいでの勝利だった。CB Butler がパスをインターセプトした瞬間の QB Brady の喜びの表情が実に印象的だった。普段あまり表情を変えない Brady だけにね。
思い返してみると、Seattle の WR Kearse のミラクルキャッチも、その後の Butler の奇跡のインターセプトの前振りになってしまったなあ。
かつて St.Louis と対戦した Tennessee が最後の瞬間にゴール前1ヤードで前進を止められて負けたシーンを思い出す。

NHK は毎年スーパーボウル直前には特番を入れたりニュースに話題を挟んだりして宣伝に力を入れているが、同じような説明を毎年毎年流しているということは浸透していないんだろうな。それでも中継をやめようという話にならない(なっているのかもしれないが今のところはやめていない)のは、ありがたい。

いずれにせよ、今年も終わりだ。
次のイベントは春のドラフト。しかしその前に、シーズンがすべて終わったタイミングで去年のドラフトをもう一度見直してみよう。きっといろいろ面白いに違いない。

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2015年1月22日 (木)

プレイヤーは変わる、コーチはよみがえる

来月2月2日(現地時間1日)にアリゾナで開催される第49回スーパーボウルの組み合わせが Seattle - New England に決まった。

我が Denver はプレイオフの1試合目(シードされて2回戦)で完敗してシーズンを終えた。

先日の記事で5人のヘッドコーチが解雇または辞任したと紹介したが、その後さらに2人のヘッドコーチがチームを離れ、合計7人となった。そのうちの一人はわが Denver の John Fox である。Fox の場合は解雇ではなく合意の辞任ということだが、すぐに Chicago に移ることが決まっていて、もともと Chicago の話があったから辞任したのかなあなどとうがった見方をしてしまう。
まあ去ってしまった者は追っても詮ないことだ。わが Denver の後任ヘッドコーチはと言えば、期待はしていたもののまさかと思っていた Gary Kubiak の復帰である。

Kubiak は Shanahan ヘッドコーチ、QB John Elway によってスーパーボウルを制覇したときの攻撃コーディネーターで、さらにそれ以前は Elway のバックアップ QB を勤めたという黄金期を築いた中心メンバーだ。さらに攻撃コーディネーターとして名前の挙がっている Rick Dennison も当時 Denver でコーチだった。めぐりめぐって20年近く経ってコーチ陣がまるごと世代交代した感がある。
そういや、Kubiak を雇う決断をしたのは GM である John Elway だった。

いっぽう、QB Manning が来年も Denver でプレイするかどうかは不透明だ。シーズン終盤に調子を崩してそのままプレイオフでも本来のパフォーマンスを発揮できずにずるずると負けてしまった。引退するという報道もあるが正式発表はされていないはずだ。本人もまだ決めていないのかもしれない。しかし Manning の去就がチーム作りに大きな影響を及ぼすのは間違いない。

守備コーディネーターの Jack Del Rio は同地区の Oakland のヘッドコーチに移った。今年クビになった Oakland のヘッドコーチ Dennis Allen は 2011年シーズンには我が Denver の守備コーディネーターだった。San Diego の現ヘッドコーチである Mike McCoy はもともと Denver の攻撃コーディネーターである。Denver 出身者が AFC West のヘッドコーチ職を占領しつつある。

スーパーボウルの予想は希望をこめて New England の久しぶりの勝利。Seattle にそうやすやすと連覇されるわけにはいかない。

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2014年12月31日 (水)

2014年レギュラーシーズン

NFL のレギュラーシーズンが終了し、わが Denver は 12勝4敗で地区優勝、プレイオフ第2シード (first round bye) を確保した。第1シード (Home field advantage) をとれなかったのは残念だが、第16週の Cincinnati 戦では QB の Peyton Manning が明らかに体調が悪かったのでしょうがないだろう。どっちにしろわが Denver は Manning と一蓮托生なのだ。

最終週でようやく確定したプレイオフの顔ぶれ。

AFC
1. New England 12勝4敗 (東地区優勝)
2. Denver 12勝4敗 (西地区優勝)
3. Pittsburgh 11勝5敗 (北地区優勝)
4. Indianapolis 11勝5敗 (南地区優勝)
5. Cincinnati 10勝5敗1分 (北地区2位)
6. Baltimore 10勝6敗 (北地区3位)

NFC
1. Seattle 12勝4敗 (西地区優勝)
2. Green Bay 12勝4敗 (北地区優勝)
3. Dallas 12勝4敗 (東地区優勝)
4. Carolina 7勝8敗1分 (南地区優勝)
5. Arizona 11勝5敗 (西地区2位)
6. Detroit 11勝5敗 (北地区2位)

今年の最大の話題は、NFC 南地区の Carolina が負け越しで地区優勝し、この地区では(4地区編成になってから)初めて二年連続優勝したこと。プレイオフ初戦で Arizona をホームに迎えることになるが、成績とは別に Carolina 自体は近頃調子を上げて来ているし、Arizona は QB に負傷者が続出しているので、面白い勝負になるかもしれない。

さて、レギュラーシーズンが終わった翌日から不振だったチームのヘッドコーチが何人かクビになっている。シーズン開始から 4連敗で早々に解雇された Oakland の Dennis Allen を別にしても4人が解雇され、もしくは辞職している。

New York Jets / Rex Ryan (4勝12敗)
Chicago Bears / Marc Trestman (5勝11敗)
Atlanta Falcons / Mike Smith (6勝10敗)
San Francisco 49ers / Jim Harbaugh (8勝8敗)

ちなみに

Oakland Raiders / Dennis Allen & Tony Sparano (3勝13敗)

San Francisco の Jim Harbaugh はクビというか、ミシガン大学に転職することになった。ミシガン大学は New England の QB Tom Brady が出た学校だ。

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2014年2月 3日 (月)

第48回スーパーボウル

2013年が終わりました。

あまりにも哀しい結末に打ちのめされているところ。
夕方から再放送があったんだけど、とても見られませんでした。

立ち直るまで少し時間をください。

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2014年1月21日 (火)

Broncos go to New York

むかしむかし、Franky Goes to Hollywood というグループがあったのを記憶しているのはそれなりの年齢の人であろう。

2013年シーズンもいよいよ大詰めとなり、レギュラーシーズンもプレイオフも終わってあとはスーパーボウルを残すのみとなった。わがデンヴァーはついに宿敵ニューイングランドを破って実に15年ぶりにスーパーボウルに進むことになった。嬉しい嬉しい。

やはりシード順1位をとったのが大きい。チャンピオンシップの相手であるニューイングランドはホームでは滅法強いことで知られている。今シーズンもホームでは負け無し。だいたいどのチームもホームのほうが有利なのは一緒だが、全勝というのはそうそうできるものではない。今年ホームで全勝したのは32チーム中ニューイングランドも含めて3チームのみ。そのいずれもプレイオフに進出している。

我がデンヴァーは今シーズンのレギュラーシーズンを13勝3敗で終えてAFCで最高勝率を獲得した。強いことは強いのだが、どうも三十一には全盛期のニューイングランドのような絶対的な強さを感じないのだ。特に気になるのが詰めの甘さである。前半のうちは勝っていても、後半になるとずるずると点をとられ、自分のほうは思うように点がとれず、気がついたらだいぶ点差を縮められていたとかあるいは逆転されていたという展開が目立つ。この傾向は実はここのところ何年も(10年くらい?)持ち続けていて、コーチが交代したり選手が入れ替わったりしてもこの「伝統」は引き継がれてきた。典型的な例が去年のプレイオフでダブルオーバータイムの末にボルチモアに逆転負けした試合とか、今年の第12週にニューイングランドと対戦した際に、前半終了時には24-0でリードしておきながらオーバータイムにもつれ込まれて結局負けてしまった試合とか、だ。

ただし、今回のチャンピオンシップではボール確保に重点をおいた堅い試合運びでニューイングランドにつけいる隙を与えなかった。この試合展開は当然スーパーボウルに向けた準備の意味もあるだろう。
NFCからスーパーボウルに出てくるのは、これまた8年ぶりとなるシアトル。QBが若いだけに調子に乗せると怖い。逆にいえば、自分たちのペースを崩さないで試合を進めることができれば十分勝ち目はあるだろう。と、言うのは多分に希望的観測を含んだ見方だが。

第48回スーパーボウルは2月2日(日本時間3日)にニューヨークで開催される。

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2013年9月11日 (水)

暦の上ではセプテンバー

でも NFL はニューイヤー♪



NFL の 2013年シーズンが始まった。
例年のことだが、毎年9月から1月いっぱいは NFL にどっぷり首まで浸かった生活をしているくせに(あるいはそのせいで)、2月から8月まではほとんど NFL 関連のニュースを見ないで過ごすために、いざシーズンが始まってみると毎年驚きの連続でニュースに追いつくのが大変だ。
Wes Welker がわがブロンコスに来ていたのも驚いたが、一番驚いたのはカンザスシティのヘッドコーチがアンディ・リードになっていたことだ。実はこのニュースを三十一は知っていたはずなのだが、すっかり忘れていた。記憶力が無いにもほどがある。

それにしても、わがデンバーが所属する AFC 西地区のチームのヘッドコーチの顔ぶれはちょっとすごい。
John Fox - Denver Broncos
Mike McCoy - San Diego Chargers
Dennis Allen - Oakland Raiders
Andy Reid - Kansas City Chiefs
実は上の3人 (Fox, McCoy, Allen) は、二年前 2011年シーズンにはわがデンバーのヘッドコーチ、攻撃コーディネーター、守備コーディネーターだったのだ。なんだか頑張ってライバルを育ててきたような気持ち。部下がきちんと育っていくのはある意味ヘッドコーチの力量だから、喜ぶべきことではあるんだろうが複雑だ。

これまたいつものことだが、シーズンが始まると自宅で過ごす時間の大半がフットボールに食いつぶされる。おかげで「あまちゃん」を見逃すことが多くなった。

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2013年1月16日 (水)

ストーブリーグって言葉はひょっとしたら死語?

わが Denver の 2012年は終わった。

11連勝で AFC の homefield advantage を獲得して、満を持して divisional playoff に臨んだが、Ray Lewis の引退をかけて戦う Baltimore に second overtime にまでもつれ込んだ上で破れた。
最後、QB Manning の明らかな投げミスでインターセプトされたのが致命傷になったが、考えてみればそもそもここまで来られたのも Manning のおかげだから諦めるしかない。

今週末は SuperBowl 前の最後の関門である championship だが、AFC は Baltimore @ New England、NFC は San Francisco @ Atlanta となった。個人的には New England vs San Francisco という組み合わせになると面白いと思う。

さて、今シーズンは珍しいことにシーズン途中でのヘッドコーチ解任がなかった。
もともと、San Diego の Norv Turner とか、Philadelphia の Andy Reid とか、今年ダメだったらクビ確定と言われていたコーチがいたけれど、結局両チームともシーズン途中で成績不振が判明して誰が見ても「来年はないな」という雰囲気になったけれど、結局シーズンが終わるまでクビになることはなかった。
その反動か知らないが、レギュラーシーズンが終わった翌日の月曜日に7チームのヘッドコーチが一斉にクビになった(後に1チーム追加されて8チームになる)。実はこの日は 12月31日なのである。2012年最後の日に失業した彼らはどんな気持ちだろう。アメリカ人はあんまり気にしないのかな。

ヘッドコーチが一斉にクビになった "Black Monday" から二週間あまり、8チームのうち後任が決まったのは現時点で4チーム。

Arizona Cardinals (5勝11敗) Ken Whisenhunt -> ?
Buffalo Bills (6勝10敗) Chan Gailey -> Doug Marrone
Chicago Bears (10勝6敗) Lovie Smith -> ?
Cleveland Browns (5勝11敗) Pat Shurmur -> Rob Chudzinski
Jacksonville Jaguars (2勝14敗) Mike Mularkey -> ?
Kansas City Chiefs (2勝14敗) Romeo Crennel -> Andy Reid
Philadelphia Eagles (4勝12敗) Andy Reid -> ?
San Diego Chargers (7勝9敗) Norv Turner -> Mike McCoy

Denver はまた Offensive Coordinator が余所のチームの Headcoach にとられちゃったよ。また OC 探しが始まるんだろうなあ。

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