2008年5月 8日 (木)

「"文学少女"と神に臨む作家・上」

"嘘つき遠子先輩と壊れた流人"、ってとこかな。レーベルが違うぞ。

少し前から、遠子先輩に何やら裏がありそうな気がしてきていた。と言いつつ、よく考えてみると裏ばっかりなんだけどね。ちらちらと片鱗を見せていた謎の部分がようやく表面に現れはじめた。これまた前から危なっかしかった流人も本気で壊れ出す。

むき出しの傷口に砂をすり込むような、切なく苦しい展開がこの先に待っているような予感がする。

下巻でこのシリーズの本編は終わりだそうで、楽しみなような寂しいような。

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2008年5月 7日 (水)

「宇宙ロケットの世紀」

最近宇宙づいているので、その勢いに乗って読んでしまった本。
英語に疲れたので日本語を、という感情が働いた側面もあるのだが。

実はけっこう古い本で、出版は2000年ごろだったりする。ちょうど世紀の境目だからこんなタイトルがついたんだな(今気づいた)。微妙に内容がずれていたり、現在の評価と温度差があったりするので、時の流れというものは残酷だなあなどと思ったものよ。

啓蒙書として読ませるには適当かもしれないけど、個人的には読むタイミングを間違えた感がありあり。

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「銀河英雄伝説7」

珍しくうじうじ考えるラインハルトと、何も考えないビッテンフェルト。そのビッテンフェルトの発言がラインハルトに決断をさせるシーンがこの巻の白眉。ここはもう少し劇的な場面転換、というか心理転換が見たいところなんだけど、それについてはアニメも小説もあまり成功しているとは言い難い。説明とかナレーションがちょっと冗長なのだなあ。とは言え、これ以上切りつめると意味がわからなくなるので難しいところだ。

ビュコックとレベロの死とともに自由惑星同盟は滅び、ヤンは名実ともに根無し草の境遇になり果てる。だからといってゲリコマLICに走らないのは作者の趣味であろう。

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2008年4月27日 (日)

「人類は衰退しました3」

Amazon のレビューを見ると「癒される」とか「ほのぼの」という感想が多い。

おかしいなあ、三十一の感想とまったく違うんだが。三十一には、このシリーズはとんでもなくトンガっていてブラックだとしか思えなかった。読後感はとても爽やかとは言えない。
ねんのために言っておくが、三十一はこのシリーズはとても気に入っている。トンガっているところが気に入っている。ブラックなところが気に入っている。爽やかでないところが気に入っている。

これまでの巻に比べると妖精さんの活躍がちょっと少なかったようだが、その分を助手さんの絵本で補っている。

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2008年4月23日 (水)

「マリア様がみてる マーガレットにリボン」

短編集、かな。エピソード集と言ったほうが近いかも。
とは言いながら、さりげなく重要な鍵が織り込まれていたりして。

いろんなイベントが一段落して、今は中休みといった感じ。とはいえ、卒業/進級/入学という大きな節目が目の前に控えている。個人的には、いい加減に新メンバーによる新展開を期待したいところ。現役薔薇さまでできるだけ引っ張りたいところだろうけど、読んでるほうはそろそろ食傷気味。黄色の妹候補との絡みを早く読んでみたいという願望もあり、次の巻ではせめてもうちょっと進展してほしい。
祥子たちが卒業したら終わり、ってことはないよね?

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「おあいにくさま二ノ宮くん6」

ものすごい勢いで短編集が刊行され続けている。近いうちに本編を抜くんじゃなかろうか。本編は今のところ8巻まで刊行中。
ツンデレ生徒会長が主人公に再会してテンパる話がよかった。他人の不幸は蜜の味。不幸というほど大げさなものじゃないか。

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2008年4月21日 (月)

「Soviet and Russian Lunar Exploration」

この本を Amazon で予約注文したのは2005年1月のことだった。はじめは「Race to the Moon」というタイトルで、その年の5月頃に発売が予定されていたと思う。ところが発売は延びに延びて、タイトルまで変わってようやく刊行されたのは2007年の1月だった。来たときにちょっとだけ読んだけど、待ちくたびれたせいか、ようやく手に入って安心したせいか、それとも当初とタイトルが変わってちょっとアテが外れた気がしたのか、本格的に読み始めたのはそれから1年以上経った先月半ば。きっかけは、たまたま発掘発見したこの本が圧力に負けて歪んでいたのに気づき、このままだと読まないうちに本が壊れてしまうという危機感を抱いたことだ。そんなことないと言い切れないところが辛い。

Soyuz」「The Rocket Men」と合わせたソビエト/ロシア宇宙開発3部作(と三十一が勝手に称しているだけ)。ソ連の月探査については、「Soyuz」の中で、現用ソユーズ有人宇宙船の開発過程に絡むエピソードとして少し触れられていたが、一冊まるまる読み終えてみると実に面白かった。
ふりかえってみれば、三十一が宇宙に興味を抱き始めたころはちょうどアポロ計画が終了し、スカイラブとかアポロ・ソユーズ・テスト・プロジェクトなどが細々と行われていたがスペースシャトルの飛行まではまだしばらく時間があるというような端境期で、むしろパイオニアなどのような無人外惑星探査が世をにぎわせていたころだった。鉄のカーテンの向こうのソ連宇宙開発についてはわずかな公式発表しか日本には伝わって来ず、サリュート宇宙ステーションもまだ開発途上で後のサリュート7号、ミール、国際宇宙ステーションのような常時滞在など夢のような話だった。実はあの頃、まだ密かに月探査計画が進行中であったと考えると感慨深い。当時はまったくそんなふうには見えなかったのだが。

人工衛星の打ち上げ、有人衛星の打ち上げ、月裏面の写真撮影、宇宙遊泳などでアメリカをリードしていたソ連が、なぜ月探査ではアメリカに負けたのか。このテーマは非常に興味深く、簡単に答えの出るものではない。だが、以前のように「N-1ロケットの失敗が致命的だった。しょせんソ連にはアメリカと競争できるような技術力はなかったのだ」という単純な見方はもはやできない。N-1ロケットは確かにまともに打ち上げが成功したことは一度もなかったが、打ち上げ実験のたびに問題は着実に修正されていった。数年のうちには安定した性能を得られただろうというのが、著者が紹介する現在の評価である。アポロの司令船/機械船にあたるLOKはソユーズ宇宙船と同様の構造で信頼性は高いし、月着陸船にあたるLKも数度の軌道上の試験を含めて実用性は確立されていた。そこまで準備を進めてきた月探査がなぜ最終的に打ち切られることになったのか。著者はそれをソ連の宇宙開発に対する構造的な欠陥にあると推測する。初期の開発では有効に作用した、各設計局が独自の計画を立案し、政府と党に提案して実行するという方法は、国の総力をあげて取り組まなければいけない月有人探査においてはマイナスに働いた。ただでさえライバルであるアメリカより国力で劣っているのに、月有人周回帰還と月着陸をまったく別のシステム(ロケット/宇宙船)を使って別々の設計局が実行していた。また政府/党にも月探査を主体的に行う意志がなかった。各設計局からの提案を審査し、許可(あるいは拒否)していただけだ。すでにコロリョフ亡き当時、各設計局がバラバラに実行していたこのような計画をまとめることのできる人間はいなかった。コロリョフの後継者ミーシンには前任者ほどの意志の強さはなかったし、ミーシンにとって代わったグルシュコはむしろ、コロリョフ路線の否定に走った。こうしてソ連の月探査計画は完全に死んだ。

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2008年4月19日 (土)

「待ってて、藤森くん!4」

不死身、もとい富士見ミステリー文庫は、シリーズが次々に完結していくので近いうちになくなるんじゃないかというのがもっぱらの噂。このシリーズもこれで終わり。
終わってみれば「だからどうした」という話。シリーズが始まったときからほとんど何も変わってないんじゃないかなあ。

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「狼と香辛料3/4/5/6/7」

感想書きをためてしまったのでまとめて。
ツンデレバカップル路線一直線。そんな言葉で総括してしまえそうだ。
基本的にファンタジーは好まないので、商人の思考と、ふたりのやりとりを目的に読んでいる。しかし、最後には「ホロ」という保険が控えているというのは反則だよなあ。これがあればどんな冒険だってできるぞ。
アニメも終わったが、一時に比べると熱は冷めてきた。水準以上であることは確かなので、読み続けるとは思うけど。

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2008年4月16日 (水)

デジャヴー

最近出た、あさりよしとおの「まんがサイエンス」最新刊では人工衛星やロケットの仕組みというのをやっていた。

えーと、これは2巻あたりでほとんど同じことをやってなかったかねえ。

小学5年生は毎年毎年新しくなるから、連載ではネタを使い回してもそんなに問題はないし、むしろ「前にやったからもうやらない」というのはかえって現在の読者に不親切だろう。
事情はわかる。事情はわかるにせよ、単行本で読んでる読者にとっては違和感を禁じ得ない。

どちらかと言えば、今回の宇宙人少年よりも前回のスプートニク神様のほうがキャラとしては好みだ。
前回と今回を比べてみると、ロケットが「重さを速度に換えて」飛ぶものであることがずっと強調されていること、それから地上では液酸液水よりもケロシン液酸の組み合わせのほうが有利であると言及されていることあたりが大きな違いだろうか。
実はこの違いは、松浦さんの「われらの有人宇宙船(ふじ)」とか松浦さんの blog L/Dこのへんから始まる記事が元ネタであるというのは、日頃からウォッチしている人間(つまり三十一のことだ)には簡単にわかってしまう。
しかしこの「重さが速度に換わる」というのは、理屈ではわかっていてもなかなか腑に落ちない。三十一の場合でいうと、「ふじ」を読んでからしばらくしてある日突然腑に落ちた。最近(でもないのか?)流行りの言葉でいうなら「a○a体験」とでも言うべき経験だったことよ。個人的には茂木健一郎はうさんくさいと思うんだけど。

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2008年3月19日 (水)

「狼と香辛料2」

ああ、読んじゃった。
アニメがちょうどこの巻の途中まで進んでいるので、読み進めたらネタばれになってしまうとわかっていながら途中で止めることができませんでした。
アニメはたぶん1クールだから、これで全部先読みしたことになる。もうこうなったら気にする意味がないので全巻買ってしまえー。

このシリーズは、一見すると中世イタリアあたりが舞台のように見えるかもしれないけれど、実は細かいところでいろいろと固有の設定が散りばめられている。だから現実の歴史や地理とはまったく無関係な独立した世界が舞台だと考えたほうがよかろう。

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「狼と香辛料」

このシリーズの刊行が始まったときに、このへんで絶賛されていたので存在は知っていたのだが、タイトルとイラスト、わずかな書評から三十一の嫌いなオカルティックな匂いを感じ取り、敬遠していたのだった。実際にはその勘はまったく的はずれだったわけだが。
今年に入って深夜枠でアニメが始まり、録画はしていたのだが見ていなかった。だがダビングの最中にわずかながら画面は目に入る。その印象で「これはひょっとしたら面白いかもしれない」と思い始め、これまで録りためていた分をまとめて鑑賞したら見事にハマってしまった。ホロ役の小清水亜美がいい味を出している。この子、まだ若いはずだがうまいよね。
原作はアニメの前半とほぼ同じ内容(逆か。アニメのほうが原作に忠実)だが、一部キャラの設定が変わっている。若い女の子をできるだけ多く出したかったんだろうなあ。

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2008年3月15日 (土)

「エリアル2」

あーあ。
このシリーズは刊行が始まって20年くらい経つと思うんだけど、誰も指摘しなかったのかなあ。皇紀2606年は、昭和21年ですぜ。昭和元年が2586年なら、昭和20年は19年後の2605年です。20を足しちゃあいけません。だいたい、六式戦車とか六式戦闘機って聞いたことないでしょ。

巻末の外伝に出てきたお姫様とアッちゃんの今後を楽しみにしていたのに、これで終わりですか。もうちょっとふくらませてほしかったなあ。

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「フルメタル・パニック! せまるニック・オブ・タイム」

この人が死にますか。
この人が死んだら、今後はますます救いのない鬱まっしぐらという展開しか思い浮かばないんですが。かなめも変な意味で目覚めちゃうしなあ。その一方で宗介には人間らしさが芽生えつつあり。立場が逆転する前兆かな?

さて次巻はいつになるやら。

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2008年3月13日 (木)

「やっぱりおおきくなりません」

ああ、やっぱり。
この作者の名前は、ずいぶん昔に某少年誌に連載していた漫画家と同じだと思っていたのだが、やはり同一人物でしたか。いつの間にか見かけなくなっていたのだが、数年前から小説家として見かけるようになり、もしやと思っていたのだ。記憶が曖昧だったので確信がなかった。
そういうわけで気にはなっていたのだが、ちゃんと手にとる気にさせたのは、鶴田謙二のイラストのせいである。しかし読み終えてみるとイラストと内容はあまり合っていないような気がした。作者本人の昔の絵のほうが合ってたんじゃない、などと思ってみたりする。

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「渚フォルテシモ3」

ツンデレヒロインが鈍感主人公にあれこれ粉をかけているのに主人公はいっこうに気づかないという王道パターンに邁進しつつあり。ヒロインの天然な母親というのもどこかで見たパターンだなあ。
逆に言えば、安心して読んでいられる話とも言えるのだが。

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「私立!三十三間堂学院7」

短編集なんだが、夏休みのエピソードで固められるという季節感まるっきり無視の構成。
このシリーズ、長編だといろんな仕掛けがちりばめられていて読むのに頭を使うんだが、短編だと読みやすくていいねえ。

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2008年3月12日 (水)

「ライディング・ロケット(上)/(下)」

マイク・ミュレインという宇宙飛行士のいわば自伝。作者はこんな本を書いたりもしているが、実のところ三十一は現役時代に名前を聞いたことがなかった。作者本人も言及しているが、とびぬけて目をひく功績を立てたわけではない。実際に経験した3つのフライトのうちふたつが国防総省専用のフライトだったので、あまり実績が公になっていないというのもあるが、どうしてもミッションスペシャリスト(MS)はコマンダーに比べて地味になってしまう。シャトルのコマンダーとパイロットは軍人か軍人あがりのテストパイロットでないとなれないので、日本人はまず間違いなくMSどまり、コマンダーになろうとするとまず最初に米軍に入るしかない。仮にそんな経歴で宇宙飛行士になる日本人が出たら、マスコミはどう反応するだろうか。
閑話休題。
軍人あがりの宇宙飛行士によくあることだが、著者はとにかく宇宙に行きたくてしかたなかった。宇宙に行けるというなら悪魔に魂を売ることも辞さない人種だ。一般にはあまり理解されない心情かもしれないが、三十一にはかなり共感する部分がある。そういった人種が、たまたま大学で募集を見かけて応募してきたような研究者出身の宇宙飛行士や、フライトの割り振りを一手に握る先輩宇宙飛行士やNASA管理職に対して抱いていた感情が赤裸々に吐露されている。たとえば、先輩宇宙飛行士の引退は多くの宇宙飛行士候補生にとって非常に喜ばしいイベントだ。なぜなら、それはフライトの椅子がひとつ空くことを意味するからである。
そのいっぽうで、チャレンジャーとコロンビアの二度の事故についてNASAの体質を厳しく批判する。例外措置も繰り返されると日常になってしまうという指摘は一般にも通じる警告だ。

下ネタ満載なので、電車の中で読んでいて万一脇からのぞき込まれたりするとちょっとばつが悪い気持ちになるが、そちらの(下ネタでなく、宇宙開発の)方面に興味がある人には間違いなくお勧めする。

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2008年2月28日 (木)

「昭和のロケット屋さん」

楽しい本でした。編者のブログで紹介されていたので存在自体は知っていたのだが、そんなに読みたいとは思わなかった。書店でたまたま見かけてちょっと立ち読みしたら予想外に面白そうだったのでそのまま買ってしまった。
確かに面白かったんだが、素人を置き去りにした本だなあと思った。それなりに関心を持った人が読めば面白いけれど、これまでまったく興味を持っていなかった人が読むとちんぷんかんぷんだろう。
この本は、もともと新宿ロフトで時々行われているイベントの座談会の内容を文章に起こしているのだが、つまりはそのイベントもそういう雰囲気なのだろうなあ。厳しい言い方をすれば内輪受けにすぎない。もっとも、このイベントや本ではそこまで目的としていないのかもしれないけどね。では、その一方でどれだけ一般大衆に啓蒙活動を行っているかと言えば、うーむ。

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「オオカミさんと毒りんごが効かない白雪姫」

謎に包まれていた主人公たちの秘密がほんの少しかいま見えてきた。
などとまじめぶってみても結局はお馬鹿小説である。しかしここまで馬鹿になりきるといっそ清々しい。毎度毎度、若者向けの電撃文庫レーベルでこれは許されるのだろうかと人ごとながら気になるのだが、こうしてシリーズとして刊行され続けているのだからいいんだろうなあ。中学生くらいならこれで充分ネタとして役立つかもしれない。
まあそんな心配はともかく、電車の中で笑わずに読むのが大変でした。このシリーズはまだ続くんだろうが、「先輩とぼく」シリーズも継続してほしいなあ。

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「お雇い外国人」

古典だったらしい。
講談社学術文庫シリーズは、現在では常識となっている見方を最初に示した文献を改めて再刊するというパターンがけっこう多い。気づかずに読むと無意識下の前提と異なっていてとまどうことがある。
この本もそのパターンで、「お雇い外国人」というのは現在ではかなり知られた存在になっているが、発表当時はほとんど知られていなかったらしい。だから現在の目から見れば言わずもがなの説明が散見されるし、そんな説明をするぐらいだったら実例をもっと取り上げてほしかったなどと無いものねだりの欲求が生じてくる。そんなもんだと思って読んでいればいいのだが。
三十一がまず注目するのはもちろん海軍で、ダグラスが取り上げられていたのはまったく予想通り。いっぽうの陸軍では、時代がちょっと違うせいだと思うが、ドイツのメッケルについてあまり詳しく触れられていなかった。

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「銀河英雄伝説6」

この巻のポイントは、ラインハルトが頂点を極める一方でヤンが同盟と絶縁したということ。
ラインハルトはともかく、ヤンがフリーハンドを得た一方で活用できる戦力に枷をはめられたというのは、物語を面白くするという意味でよかったのか悪かったのか。何度も読んだ話だからこの先の展開もわかっているんだけど、ヤンについて言えば戦略的に受け身に置かれたことは否めない。今更こんなこと言っててもしょうがないんだけどね。

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2008年2月19日 (火)

「風のスティグマ・外伝5 幸せなイチニチ」

こちらも外伝短編集。本編をまったく放置しているので、ときどきわからない設定が出てくるのだが、気にしない。
この著者は病気療養していたとは聞いているのだが、あとがきを読んでみるとなかなか洒落にならない状態だったようで、それは巻末に記されていた「初出一覧」がずいぶん前の日付であることでもわかる。
まさか「万一の時」のためにとっておいたわけじゃないよね。

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「おあいにくさま二ノ宮くん5」

短編集ですね。アニメは終わってしまいましたが。
少なくともこの短編集では麗華はすっかりいじられキャラと化している。本来のいじられキャラは俊護だったはずなのだが・・・主人公と準ヒロインがいじられキャラってどういうことよ。
本編でちらっと仄めかされた裏真由がこちらにも出てきましたなあ。この設定はこのお馬鹿な短編集のために作られた、というわけではあるまいが。

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「陸游詩選」

たぶん2ヶ月くらいかけてちまちまと読み続けてようやく読了。長かった。
陸游というのは、中国の南宋最大の詩人なのだが、一般的な日本人の漢詩理解は唐で終わっているのであまり知られていないようだ。しかしその80年余りの生涯の間に一万首を超す詩を創作しており、しかもその中に駄作はほとんどない、と言われる大詩人だ。
さて困ったことに宋の時代というのは、唐代に律詩絶句という詩の形式が定まってからすでに数百年を経ている。その間、李杜をはじめとして無数の詩人が詩作を行なってきたわけだ。それらは宋代の詩にとってすべて典拠になり得る。ということはつまり、この時期に直接着地したところで、それまでの数百年に詠まれた詩を知らないと意味がとれないということがしばしば起こる。まあそのための「解説」なのだけど。

解説でも触れているし、読み通してみればわかることでもあるけれど、陸游の詩は大きくふたつの系統に分類される。宋詩の主流のごとく身近な題材を叙事的に詠んだ詩と、唐詩のごとく天下国家を憂えて悲憤慷慨を叙情的に詠った詩。一見両極端のようではあるが、実際これらを読み通していくと、別に矛盾とは思えない。人間ってそういうものだろう。日々の暮らしを大切に思いながらも、社会の不正に憤る。それは私にも君にも普通に起きていることでは?

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2008年2月15日 (金)

「自衛隊の誕生」

少し前に買った本。タイトルからして絶対に読めるだろうと思って買ったのだが、いざ読み始めてみると思ったよりも進まなくてそのままになっていた。最近、自衛隊のあれやこれやを調べているので、今なら読めるかもしれないと思って読み始める。
知られている通り、陸上自衛隊は1950年の警察予備隊に端を発し、1952年に保安隊に発展し、1954年に陸上自衛隊となった。この間、再軍備のイニシアチブをとったのは米軍だった。ソ連に接する北海道の防衛に危機感をもった米軍は、数個師団を早期に戦力化して北海道に配置することを求めた。その裏には、米軍を日本から撤退させて防衛を日本に任せたいという思惑があった。日本はこの思惑に抗し、経済力にみあったバランスのとれた防衛力整備を主張した。結局米軍は折れ、最終的には18万人体制ができあがった。旧陸軍出身者は少なくとも再軍備の過程では大きな役割は果たさなかった。創設当時、警察予備隊の総司令官にあたる総隊総監、そして4つの管区隊総監は全員が官僚出身、ほとんどは旧内務省の警察官僚だった。実際に訓練をはじめてみて部隊指揮官の能力不足が露呈し、大佐級までの旧軍人の入隊が実現したのだった。
いっぽう、海軍の再軍備構想は敗戦のその日から始まった。旧海軍軍人の間には、敗戦の負い目はあっても開戦の負い目は少なかった。海軍善玉論にのって、いつか海軍を再建すべきという思いが根強く残った。しかしそれが表面に出てくるには国際情勢の変化が必要だった。朝鮮戦争の勃発によるアメリカの戦略の変化、それにともなう警察予備隊の創設は、海軍再建論者にとっても追い風となった。旧海軍関係者を中心に再軍備に関する研究が行われ、米海軍の一部の協力を得て具体化していった。問題を複雑にしたのが海上保安庁との関係である。結局、海上保安庁に付属する形で1952年4月に海上警備隊が発足したが、わずか3ヶ月あまりで独立して保安隊と合流、警備隊となった。海上保安庁はコケにされた形となり、その後の海保と海自の関係が円滑を欠いた一因になったのではなかろうか。初代の警備隊総監および幕僚長は海上保安庁から出たが、自衛隊発足後まもなく運輸省に戻り、以後旧海軍出身者が主流を占めた。
もっとも遅く発足した航空自衛隊は、もともと旧陸軍の航空関係者に根強かった「空軍独立」論者と、やはり陸軍航空隊からようやく独立を果たした米空軍の合作になる。航空戦力は陸海軍から独立するべきだという共通の基盤が彼らにはあった。実際に航空戦力が保安隊(陸上自衛隊)や警備隊(海上自衛隊)で戦力化される前に、航空戦力を統括する指揮機構を準備しておかなくてはいけないという焦燥感に駆られたのである。実際、1953年には警備隊指揮下に館山航空隊が開設されていた。しかし当時の米軍上層部には、航空戦力は米軍が担当して日本には保有させないという考えが強かった。それが覆ったのは、旧軍(海軍も加わった)航空関係者と米空軍による働きかけの結果、バランスのとれた防衛力を日本に保有させるという政策転換が米中央政府で行われたからだ。トルーマン民主党政権からアイゼンハワー共和党政権に変わったことも影響しているだろう。そういう意味では、航空自衛隊は日本の旧軍関係者と米空軍の「共同制作物」である。
用意周到頑迷固陋、伝統墨守唯我独尊、勇猛果敢支離滅裂と言われた三自の気質の違いもここに発端があると言えるだろう。統合運用が始まり、さらには内局と各幕の再編一体化がささやかれているが、こうした50年におよぶ「伝統」を突き崩せるか。

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「戦闘糧食の三ツ星を探せ!」

たぶん10年以上前だと思うが、富士の裾野に総合火力演習を拝観にいったとき、指定駐車場になっていた駐屯地(滝ヶ原だったかな)で入手したのが、米軍の戦闘糧食MREだった。MREは Meal, Ready for Eat の意味だそうな。主食と副食、ドリンク類は口にしてみたけど、使い道のない調味料類の残骸はまだ冷蔵庫の片隅に転がっている。食べてみた感想としては、「アメリカ人なら喜んで食うんだろうなあ」というもの。そんなに味にうるさいわけでもない三十一でも、すすんで食べたいと思うような代物ではなかった。
著者は紛争地の取材にかこつけて、手に入るかぎりの各国の戦闘糧食を食べ比べてみたという剛の者。自衛隊の戦闘糧食はうまいという定評だが、しかし食事というのはきわめて個人的な作業であるからして、その国や民族それぞれの嗜好があり、一概に順位などつけられるものではない。それでもカンボジアのPKO参加国の間で開かれたコンテストでは堂々1位に輝いたというから立派なものだ。
本当は、一度「缶メシ」を食ってみたいんだよなあ。できれば非常用に備蓄しておきたいくらいだ。どこで作ってるのか知らないが、手頃な値段で売り出されたら買うかもしれない。

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「生徒会の一存」

タイトルの一部に巻数を織り込む、というのはすでにフルメタでお馴染みですな。お馬鹿小説ちょっぴり萌え風味というところで、けっこう面白く読めたのだが。
これシリーズ化ですか。
話としては綺麗に完結して、すっきりした気分で読み終えたのに、続きを書く気満々かあ。このテンションを続けるのはけっこう大変だと思うぞ。

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「ROOM NO.1301 しょーとすとーりーず・ふぉー」

ショートストーリーもいいけど、本編はどうした。
もっとも、番外編ではありながらけっこう重要なネタバラシが散りばめられているので、これはこれでいいんだが、その代わり本編だけしか読んでいないと置き去りを食らうかもしれない。
番外なので、本筋ではあまり考えられないカップリングがそこかしこに見られる。女の子二人組とかね。なんだかんだ言ってそこそこ長いシリーズなので、登場人物が増えてきた。だんだん覚えきれなくなってきたぞ。齢のせいかな。

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2008年2月13日 (水)

「明治天皇4」

結局文庫で買ってしまいました。探すのが面倒だった。
日露戦争から崩御、そして乃木希典の自決まで。明治天皇の伝記は、乃木の自決で締めるのがお約束になっている。
明治という時代は憧憬の対象であるかもしれないけど、三十一から見れば次の時代を(悪い意味で)準備していた時代にも見える。まだ破綻はしていないけど、歪みが蓄積されてきていた。まあ後知恵だが。

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「アキカン!4缶めっ」

まだちょっとだけ続くからね。
などという某アニメの常套句を思い出したりしました。まだひっぱるのか。
王道と言えるかもしれないが、予想を裏切らない展開でやや興醒め。もともとイラストで買ってるようなもんだからいいけど。

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2008年1月31日 (木)

「"文学少女"と月花を孕く水妖」

相変わらずいい感じである。桜庭一樹が直木賞をとるという快挙を成し遂げたが、次の候補は野村美月ではなかろうか。今回は少し時系列を戻しているとのことだけれど、あんまり気にならなかった。
それにしても遠子先輩は無防備である。年頃の男の子と同じ部屋で一晩を過ごすなんて。これでも手を出さない主人公は臆病なのかナイーブなのか。

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「人類は衰退しました2」

ロストテクノロジー登場。こういうアイテムに理屈を考えてはいけない。
面白いアイテムだとは思うんだけど、使ってみたいかと言えばあまり使いたくない。だって怖いよね、これ。
ああ、これ以上書いてしまうとネタバレになるので書けないのがもどかしい。
とにかく読め。

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2008年1月27日 (日)

「人類は衰退しました」

このシリーズはSF者にひどく評判がいいらしいと聞いて読んでみた。ガガガ文庫という、ラノベブームに乗っかって急遽創刊されたレーベルだし、表紙イラストがアレだしで二の足を踏んでいたのだが、読み終えて後悔した。もっと早く読んでいればよかった。面白いぞこれ。
小林めぐみの食卓ビールシリーズとか、小川一水の導きの星シリーズとかを面白く読める人なら、きっとこのシリーズも面白く思うに違いない。まあシンプルにファンタジーとして読むという読み方もあるかもしれない。三十一にはそういう思考回路はないけれど。
いまのイチオシ。

ついでにこちらも。

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「全国鉄道事情大研究・中国編1」

よほど興味がないかぎりこのシリーズは買わないのだが、ちょうど10月にこのあたりを徘徊したばかりで馴染みがあったので思わず買ってしまいました。
この筆者はかなり過激な鉄道推進論者で、道路を作るカネがあるんだったら鉄道整備に回せと叫び続けている。その議論が妥当だとは思わないけれども、しかしこのくらい極端な意見を強く主張するという役回りの人間は、必要なんじゃないかと近ごろ思い始めた。最近、ガソリン税の値下げ問題で世間が騒がしいけれど、三十一は別に下げなくてもいいんじゃないかと思っている。自動車の使い方が、本当に今のままでいいのか考え直してみるいい機会じゃないかな。三十一的には結論は出ていて「別になくても困らない」。

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